
8R発売中、西山貴浩がボートを水面に下ろした。その前に西山は「早く終われ。早く終われ」と呪文のように繰り返している。やはり緊張感が彼を包んでいる。そして必死にもがいている。緊張はして当たり前で、本人もそれをわかっている。それと対峙している様子を見て、僕はむしろ緊張に搦めとられるようなことはないのではないかと感じた。
「トップスタート行けばいいんでしょっ!」と吐き捨てるように言って、リフトに向かった西山。そして水面では、スローからの起こしを何度も確認していた。ピリピリしていても、やるべきことはやっている。
同じタイミングで羽野直也もボートを下ろしている。序盤の時間帯に置かれていた場所に、そのまんま置かれていた羽野のボート。もしかして、何もしなかった? それくらい落ち着いて過ごしているし、また足に確信もあるのだろう。試運転を数周して、調整所に向かった羽野。もう大きな調整は必要なさそうに見えた。

あとの4人はすでにボートが係留所に。つまり、西山と羽野が下ろして装着場は空になったわけだ。調整所では佐藤翼がゲージを何個もペラに当てて形状を確認。見ている間はいちどもハンマーを手にしなかったので、微調整の段階も終わっている!?
もっとも10R発売中にはスタート特訓があるので、その後に動く選手もいるかも。いずれにしても、6人ともがしっかり臨戦態勢を整えつつあるのは間違いない。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)