BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――悲喜こもごもの勝負駆け!

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171220135229j:plain

 昨日の12R、実は峰竜太が腰を押さえてピットに上がってきた。控室に戻る足取りはとぼとぼで、見るからに痛そうだ。松井繁が「大丈夫か?」と声をかけたのに気付かず通り過ぎるという場面もあった。ほんと、大丈夫か……。

「ああ、今日はもうぜんぜん大丈夫っす!」

 峰はいつもの明るい笑顔! たしかに昨日は一瞬やばいと思ったそうだが、まるっきりの一過性のものだったようだ。今節のここからの勝負もそうだし、年末を控えた時期ということもそうだし、峰だけではなく、ケガにはおおいに注意してほしいもの。「昨日の分も巻き返しますよ!」と声を弾ませる峰に、まずは安堵だ。

 

f:id:boatrace-g-report:20171220135244j:plain

 2R、深川真二が1着! ピンピン勝負で、まずは後半につなげたかたちだ。6Rは6号艇だが、男の前付けを見せてくれるはずだ。

 レース後のエンジン吊りは実に明るいムードとなった。峰がニコニコ笑っているのはもちろん、お手伝いの辻栄蔵も笑みを浮かべている。深川がヘルメット越しに何かをしゃべると、辻は「ガハハハハハハハ!」と大爆笑。峰もそれを見て、笑みを深めた。ヘルメットかぶっていたから何を言ってるのかまるでわからなかったんだけど、何を話していたのかなあ、聞きたかったなあ。峰のエンジン吊りでも深川が中心となって笑いを振り撒いていることが多いが、わりとムードメーカー的なところがあるのである。自分の勝利後ならなおさら! 6R後はどんな空気を生んでくれるだろうか。

 

f:id:boatrace-g-report:20171220135257j:plain

 5着に敗れてしまった中野次郎は、露骨に悔しそうな表情を見せた。次郎もピンピン勝負で、しかも1号艇。ここは必勝の陣だったのだが、守田俊介のまくりを許して万事休す。しかも、3番手争いにも競り負けて、5番手まで下がった。3周2マークは不利もあったけれども、いずれにしても悔しい敗戦であることは間違いない。次郎は本当にいつでも明るく礼儀正しい男なのだが、さすがにその片鱗は見当たらないレース後だった。今年はグランプリ圏内を長く守ってきただけに、初出場を常に意識しての戦いだったはずだ。それが終戦を迎えたかたちになってしまった……。そのこともちらりと頭をよぎっただろうか。深川とは対照的に、こちらは手痛いレースとなってしまったわけである。

 勝負駆けの悲喜こもごもが今日のピットにはさらに多くあらわれてくるだろう。時に残酷な局面もあるだろうが、これがチャレンジカップ。後半も選手たちの思いの丈がきっと充満するはずである。

 

f:id:boatrace-g-report:20171220135307j:plain

 女子では1R、魚谷香織が2着となって、完全に流れに乗ったように思える。地元クイーンズクライマックスへの気合はもちろん魚谷にもあって、今節は勝負どころと心得ているだろう。

 着替えを終えて作業に向かおうとするときに“事件”は起こった。競技棟の出口にあった消毒液が載せられた高さ50cmくらいの台に思い切り激突し、消毒液ごと倒してしまったのだ。ピットにガシャンという音が響く。魚谷にとって不運だったのは、これを僕と青山登さんがもろに見ていたことだった(笑)。

 超プリティーな照れ笑いを浮かべながら、「もう、何にも目に入ってないですね」と魚谷。青山さんが「しっかり足元を見ないと!」と檄を飛ばすと、魚谷は「足は良くなってますよ」。さらに青山さんが「足元!」と言ったら、魚谷は「足、良くなってますよね?」と確認。ダハハハハハ、会話になってない(笑)。青山さんがふたたび「足元見ろ、ってことだよ」と言うと、魚谷、さらに超プリティーな照れ笑い! 3人で大爆笑、と相成ったのでありました。魚谷、かわいすぎるぞ! 惚れてまうやろ!

 肝心なのは、聞き間違えた“質問”への返答になってしまったけど、自ら「足は良くなっている」と言ったこと。後半11Rも要注目だ!(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)