BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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芦屋・新鋭王座TOPICS 3日目

スロー勢の逆襲

 

 

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1R、4カドの村田友也が二段まくりで勝つやいなや、2RではF2持ちの4カド末永祐輝が攻めるだけ攻めてまくり差し、3Rでも4カドの茅原悠紀が「恵まれ」で勝利……今日も、いきなり3連勝スタートで4カドの強さを見せつけた。 

おぉ、また今日もダッシュ天国なのか!? 舟券を買わずに水面とレースを見続けた私は、そう思いつつ、ちょっと異質な気配も感じていた。スロー勢の気合と伸びが、昨日までとはまるで違う気がしたのだ。 

さらに舟券を自重し、レースを見る。4Rで、岩瀬裕亮が逃げきった。5Rは、2コースの奈須啓太が、ジカまくりを決めてみせた。明らかに、スローの動きが活発になっている。6Rこそ水摩敦の大掃除ぶっ飛びまくりでアウトセットが生まれたが、後半戦は……。2コースまくり、イン逃げ、イン逃げ、イン逃げ、イン逃げ。  

 

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7Rの池永太の2コースまくりから、怒涛のイン逃げ4連発。最終レースは村田友也の「4コース差し」だったが、これもスロー水域から混戦を捌いての勝利だった。後半は、オールスロー決着。昨日とは、別物の水面になってしまったのである。 

思いつく理由としては、

①スロー勢のスタート勘が合いはじめ、ダッシュ勢に対抗すべく全速で行けるようになった。

②今日の4カドは、スタート勘一息の選手や伸び足のない選手が多かった。 この相互作用が重なったのではないか。

①に関しては、明日以降、さらにこの傾向に拍車がかかる可能性が高い(風向きや風速が極端に変われば別)。そうなると、最近の記念よろしくイン逃げばかりが目立つようになる。ただ、

②については、明日の方がはるかにイキのいい4カド想定選手が揃っている。この相関関係を踏まえつつ、内寄りか外寄りのレースなのか、明日の舟券戦略をしっかり構築したいと思う。

 

 

 

 

 

シリーズ前半のパワー評価

 

 

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シリーズ折り返しの区切りとして、私なりのパワー評価を記しておく。 前検から「節イチは藤田靖弘」と宣言してきたが、これはいささか痩せ我慢的な部分もある。

藤田の伸びは間違いなくトップ級だ。それと、水摩と松尾昂明(チルト跳ね注意!)でトップ3か。ただ、回り足は中堅で、引き波でカクッと失速する光景を何度か見た。

つまり、出足系が一息なので、混戦になると上位にやられる。かと言って、全速スタートをバチッと決めるだけの自信もなさそうで、自力で攻めきれないでいる。それが私の見立てだ。

明日の藤田は5、6号艇。足的には現状のままで十分に戦えるのだが、パワーより気合と度胸が大事な勝負駆けになると思う。行ければ、大穴の主役になりえる。

 

 

 

 

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客観的な節イチ候補は、茅原悠紀と深谷知博。これはもう、バレバレ。茅原はスリットでスッと伸びる上に、回り足も上々だ。スタートが見えているから、そのいい面を余すところなく活用している。

 

 深谷はバランス型で、突出した部分はないけれど、どの部分をとっても互角以上に戦える。向きたいところに舳先が向く、そんな安定感ではトップだと思う。まぁ、レースに出るたび人気にするので、このふたりの舟券的妙味はほとんどなし。

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 穴っぽいところでは、初日の⑥⑥着から2日目の大整備で一気に上位級までアップした丹下将。その2日目、私の節イチ指名・藤田を2番差しで追い抜いた足には驚くしかなかった。あの窮屈な2番差し、いったい何本の引き波を超えたことか。つまりは出足が強力で、混戦に強い。その代わり、伸びは中堅。藤田とは正反対の足だと思う。

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もうひとり、今日の昼特訓で「うむむ」と唸らせたのが秦英悟。秦の足は前検から注目していたけれど、実戦では見せ場もない中間着に甘んじている。特訓横綱というか、「練習では凄いのに、実戦では弱い」というエンジンがたまにあるが、それなのか? 

いや、それにしても、ターン回りからストレートから、半端じゃないパワーに見えたのだが……今節はパワーより気合と度胸。その面でちょっと後手を踏んでいるのかも。ならば、スリット同体からパワーがモノを言うようなレースになったら、一気の台頭もありうる。要注意!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日の水摩クン

 

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 や、やらかしてしまった!! 早くも準優へ崖っぷちに立たされた水摩敦は、6R5号艇の1回走。スタート展示でぐんぐん伸びた上に、本番はひとつ内に入って4カドをゲットだ!「今節の芦屋の4カドで、水摩が負けるわけないべぇ」 

私はほくそ笑んでレースを見ていたのだが、なんとなんと、コンマ27と後手を踏んで無理絞り。それをインの高山智至にキッチリ張られ、空しく向こう岸方向へと流れて行った。

昨日に続いて、6着惨敗……まぁ、今日は自分でスタートをミスったのだから、弁解の余地も同情の余地もないな。この大敗で予選37位まで後退し、予選勝率6・00には100%届かない身の上になってしまった。

 

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 だが!!!! まだ、一縷の望みはあるのだ。3日目を終えての18位ボーダーは5・75。明日も同じボーダーだとすると、①着①着でギリギリ超えられる(5・83)。でもって、明日の水摩の枠番は、4号艇と3号艇なのである。絶好のセンターまくり枠なのである。

今日の反省も込めて、明日はスタートも決めてくれるだろう。「ピンピン条件=ほぼ絶望」が通り相場だが、私の体感温度としては五分五分でクリアできると見た。常に人気で舟券の妙味は少ないけれど、明日は「水摩ピンピン転がし」をしながら応援したい。 

まくれやまくれ、水摩クン!!

 

 

(Photos/中尾茂幸、text/H)