惑星ムトー浮上
悲喜こもごもの勝負駆け。昨日から何艇かの
入れ替わりがあったが、今日の全レースでもっとも目に付いたのが
武藤綾子の足だった。前半1Rは1マークで後手を踏みながら、
2番手の岸恵子をぐいぐい追い上げての3着。
圧巻は後半7Rだ。3コースから握った武藤だったが、
完全に流れてバック5番手。しかも大外。
態勢としては5着がやっという位置だったが、
そこから内に切り返して、2番手・池田浩美の内フトコロに飛び込んだ。このときだ。まったくのマイシロのないターンだったのに、グググィッとサイドが掛かってそのまま2番手まで突き抜けた。凄まじい回り足、そしてターン出口のレース足!! このミラクルパワーで8点を加算した武藤は、10位で予選通過を果たした。今日の実戦足を維持できれば、準優の4号艇でも十二分に優出のチャンスはある。あまり人気にしないタイプだけに、連ヒモに絡めてみては??
貫禄のトップ当選
Vに大きく近づくトップ争いは、昨日までリーダーの座を守ってきた
藤崎小百合が④④着で脱落。予選最終戦10Rの
①海野ゆかりVS②池田浩美の直接対決に絞られた
(相手待ちの岩崎芳美にもわずかなチャンスはあったが)。
条件は簡単至極。海野先着なら海野が、
浩美先着なら浩美がトップ。唯一、海野⑥浩美⑤のときのみ
岩崎が逆転トップという状況だった。
10R、枠番も順位も同じ2艇の2連単1-2は1・7倍を示していた。
スリット、2コースの浩美がイン海野を半艇身ほど煽る。
が、海野も伸び返して同体になった1マーク。海野先マイ、
浩美差しの勝負。これは、勝負にならなかった。
浩美の差しは流れ、海野が一瞬にしてライバルを突き放した。
浩美がトップを奪うには、回り足を含めてすべての足が少しずつ
足りなかった。浩美は道中でも揉まれに揉まれて4着に敗れた。
賞金ランク13位の永井聖美とともに、
V候補の筆頭格だった海野。その永井が“進級”してしまった以上、
主役の座は譲れない。
ミポリン終戦……
ダメだった。今日は2走で10点を目指した守屋美穂だったが、
5R⑤着、8R⑥着。ひどい足だった。
まさに箸にも棒にもかからない回り足。ターンマークごとに
ズルズルとずり下がり、準優ボーダーラインからも滑り落ちた。
激変した気候のせいか、調整をやりすぎて失敗したか、
どちらにしても、今日の足は今節で最悪の状態だった。
まあ、開き直ってしまえば、このシリーズは一般戦。
先の丸亀GⅡで男の猛者連が相手でも予選を
突破できるだけのポテンシャルを見せたミポリンだけに、
真っ直ぐ前を見て突き進んでほしい。とりあえず、お疲れさま。
期間勝率を落とさぬよう、明日以降も頑張れっ!
(photos/シギー中尾、text/H)