三度目の正直
8R①岩崎芳美(徳島)14
②藤崎小百合(鹿児島)17
③平高奈菜(愛媛)08
④武藤綾子(福岡)17
⑤樋口由加里(岡山)16
⑥山下友貴(静岡)47
3戦連続の3コース。昨日から平高奈菜の
3コースまくりを狙ってきたが、大事な一戦で見事に決まった。
スタート勝ちの印象で、藤崎小百合の出足が
昨日からダウンしているのも幸いした。
それでも平高の伸びは上位級。明日も3号艇となれば、
4戦連続の3コースが濃厚か。
ならば、今日までの3連続リハーサルが十二分に生かされるだろう。
2着は平高マークから握って連動した武藤綾子。
3番手の岩崎の猛追を浴びたが、自慢の回り足を
フル回転してなんとか粘りこんだ。今節の武藤は、
このねちっこい回り足が最大の武器。
「今日は回転が合わない」とピットで泣いていたらしいが、
バチッと合わせれば節イチの回り足になるだろう。
惑星ムトー、明日も怖いぞ!
一騎打ち
9R
①池田浩美(静岡) 19
②金田幸子(岡山) 14
③片岡恵理(山口) 25
④中里優子(埼玉) 21
⑤鎌倉 涼(大阪) 12
⑥喜多那由夏(静岡)11
中凹みのスリットだったが、外2艇がアジャストしたのだろう。
誰も仕掛けられないまま、逃げる池田浩美と差した金田幸子の
マッチレースになった。レースの迫力も去ることながら、
2艇の足を計るのに絶好の展開だ。
2-1だけを買っていた私は、興奮しつつも
明日のためにふたりの足色をつぶさに見つめていた。
結論は、2着・金田に軍配を上げたい。
1周バックから常に優位な立場にいた浩美は、
最後まで金田を突き放すことができなかった。
ターン出口のレース足~ストレートが弱い。
逆に、金田は2度に渡って浩美の内に舳先を突っ込んだ。
レース足が勝っていた。ただ、金田の伸び自体も中堅レベルなのだ。舳先を突っ込んでから、鼻面を並べるには至らない。
それで2回とも無理な先マイになり、浩美の俊敏な差しハンドルに
屈した。 まとめると、「レース足の分だけ金田がわずかに強かった」ということになる。ただ、この僅差のふたりが
「どんぐりの背比べ」程度の足であるという不安も否めないのだが。
大波乱
10R
①海野ゆかり(広島)26
②堀之内紀代子(岡山)17
③西村美智子(香川)15
④長嶋万記(静岡)28
⑤廣中智紗衣(神奈川)25
⑥犬童千秋(宮崎)16
波乱はここで待ち受けていた。
大本命・海野ゆかりが、コンマ26のチビリスタート。
コンマ12で半艇身覗いたまくり屋・堀之内紀代子が、
迷うことなく握り潰した。予選トップで足も盤石に見えた海野の、
よもやの不覚。引き波にハマった海野はガクンと失速し、
大外から『犬組』の花形スター犬童千秋が猛然と割って入った。
バック直線で、なんとなんと2連単135倍の2-6態勢だ!!
が、優勝戦への執念を見せる海野の猛追も凄まじい。
ターンマークごとにじわりじわり差を詰め、
3周1マーク、ついに犬童に切り返しを仕掛けるまで追い上げた。
ダンプ気味に迫る海野。必死に逃れようとする犬童。
この海野最後の奇襲は惜しくも届かず、
舳先が犬童に軽く接触したまま流れ去った。
そして、犬童もまたこの接触によって失速し、
その間隙を大外に開いていた長嶋万記が
豪快に突き抜けていった。2-6-1が、
わずか5秒で2-4-6に変わった。
1着・堀之内、2着・長嶋。
完全なスタート勝ちだっただけに、
堀之内の今日のパワーはわからない。
推測としては、バランスのとれた中堅上位レベル。
2日目あたりまでは伸び足が目立っていたが、
それを殺して出足を強くした印象がある。
明日も同じ2号艇だが、今日のようなスリット隊形にはならないだろう。 長嶋の足は、回り足主体のモロ中堅だと思っている。
伸びに至っては中の下程度か。今日も展開に恵まれての優出。
このままでは苦しくもあるのだが、
優勝戦1号艇の池田浩美の足も威張れるほどではないだけに、
持ち前の根性とテクで勝ち負けには持ち込める可能性はある。
(photos/シギー中尾、text/H)