BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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桐生・新鋭王座TOPICS 3日目

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上位独占!!

 

「優勝は埼玉か、福岡か!?」

 戦前からこの“2大国家”の下馬評はすこぶる高かったが、やはりと言うべきか、予選3日目を終えて埼玉&福岡支部の強者どもが成績上位に名を連ねた。しかも、節間1~5位までを2支部で独占!! 準優ボーダー18位前後までの面々を、私の独断の格付けとともに改めて紹介しておこう。

 

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★無敵の最強ライン・埼玉支部

大将・桐生順平(100期)…4位

副将・秋元哲(103期)…2位

若頭・中田竜太(104期)…5位

軍師・黄金井力良(100期)…20位

 

★剛腕どんたく軍団・福岡支部

大将・篠崎仁志(101期)…3位

副将・前田将太(102期)…1位

若頭・江崎一雄(108期)…13位

軍師・河野真也(102期)…16位'

 

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 もちろん、この3日間の戦で矢尽き刀折れた兵士もいる。最強ラインでは、若き特攻隊長・佐藤翼が菅章哉との“同期競り”で沈没した。どんたく軍団からは、同じく特攻隊長の松崎祐太郎も最前線で奮闘したが(松尾昂明との同県・同期競りはちとやりすぎだった?)、ハッスルしすぎて前線からハミ出して賞典除外に。両軍ともにV候補が脱落したわけだが、それでもトップ5を独占するあたり、空恐ろしいほどの層の厚さを実感するしかない。

 

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 さて、3日目の今日は、両軍団の大将・副将の強さが特に際立った。最強ラインの副将・秋元哲はF2で満身創痍の身ながら、3Rは前付け3コースからコンマ05!!!!の快ショットを決めて一撃まくり。後半10Rも同じ3コースから俊敏なまくり差しでバック突き抜けた。

 大将の桐生は平凡なパワーに悩まされつつ、5号艇・3号艇でしっかりと2着を2本取りきった。この男が走ると、実に簡単に2着×2に見えてしまう。機力との闘いは続くが、明日は6号艇からどんな華麗なテクニックを魅せるのか。大いに注目したい。

 

 

 

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 一方、どんたく軍団の大将・篠崎仁志は、6Rで豪快な超高速インモンキーを炸裂させた。最近の仁志のイン戦はまさに“無敵”の領域で、今日も含めてイン戦25連勝中!! 神サイト『ひまひまデータ』さんによれば、これは96年以降の1コース連勝記録(更新中)なのである。つてこちは、仁志が明日も勝って予選トップなんてことになれば、準優1号艇→優勝戦1号艇→優勝の無敵ロードが誕生することになるぞ~!

 仁志は後半11Rでも4カドから激辛の差しハンドルを突き刺し、昨日までの13位から3位に躍進した。6号艇の明日が試金石となるが、ここも先頭でゴールすれば無敵ロードも十分にありえる。

 

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 副将の前田将太は前半5Rで4着に敗れ、昨日までのトップの座から陥落した。が、後半10Rは5カドから怒涛の一撃まくりを決め、最終的にトップに返り咲いた。この将太まくりに連動してアウトセットを決めた若頭の江崎一雄も、もちろん侮れない存在だ。

 さてさて、明日の11Rを終えてトップに君臨するのは、前田か篠崎か桐生なのか。この3人がともに6号艇の1回乗りというのも実に興味深い味付けで、明日は緑カポックの動向に熱い視線が注がれることだろう。あ、そんな中、2位の秋元だけが1号艇の1回乗り!!?? ある意味、断然有利な立場とも言えるのだが、優勝戦までF2持ちでイン戦3連発Vなんてことが果たしてありえるのだろうか。

 

 

 

打倒、2大支部!!

 

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 2大支部ばかりを持ち上げては、他の地区のファンに申し訳ないな。もちろん、いるのだよ。現状のTOP5をまとめてやっつけそうな猛将が。東海地区では磯部誠。今日の5R、将太が負けた時点で、磯部は暫定トップに躍り出た。ところが12Rでよもやの6着大敗を喫し、一気に8位までダウンしてしまった。これで予選トップの目はほぼ消失してしまったが、パワー相場で見るなら磯部の足は間違いなくトップレベル。明日はしっかり着をまとめて準優の好枠をゲットすれば、舟券的にも実に美味しいお宝選手になることだろう。全国区の銘柄レーサーが揃う準優で「穴なら愛知の磯部」と覚えていただきたい。

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 近畿地区からは、違いのわかるオッサンレーサー谷川祐一が虎視眈々と下克上を画策している。今日の12Rは「1号艇でインを奪われ、2コースからまくって圧勝」という遠回りな1勝を挙げたが、とにかく何をやらかすかわからない奇想天外さ、自由奔放さがこの男の魅力でもある。そして、31歳ですでにヤングダービーの参戦権利がないという境遇が、彼の背中をぐいぐいガンガン押しまくることだろう。「新鋭王座なんて、単なる通過点」とか思っていそうな桐生や仁志あたりとは、ハングリースピリッツが違いすぎるのである。明日は4号艇の1回乗りで、どこまで強烈なハードパンチを繰り出し、どこまで順位を上げることができるか。できれば、4カド一撃の強攻を魅せてもらいたい。

 

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 そして、中四国地区といえば、もちろんドリーム戦を制した「片チン」こと片岡雅裕だな。こちらはすでに全国区の銘柄級とも言えるのだが、今節も大器の片鱗を随所に見せてくれた。今日も松尾昂明と丸々2周に及んでガチンコの競り合い叩き合いをやらかしたし。ドリーム戦から今日まで「埼玉・九州がナンボのもんじゃーーーー!!!!」という気合をいちばん感じる男でもある。①2234と走るたびに着順が落ちているのが気にならなくもないが、明日は待望の1号艇1回乗り。ここをキッチリと逃げきって、準優1号艇をもぎ取りそうな気がするな。

 さあ、役者は揃った。明日は新鋭らしいやんちゃで豪快で猛々しい「新鋭王座最後の勝負駆け」を堪能するとしよう。(photos/シギー中尾、text/畠山)