BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――ニコニコニコ!

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 マスターズクラシック(名人戦)は初っ端から波乱続出! 1Rは高橋淳美が6コースから、2Rは泉具巳が5コースからまくり差しを決めたのだ(2Rは意外と配当安かったけど)。

 今節は、「準優進出戦」が導入されている。予選は3日間。4日目に準優進出が6個レース行なわれ、上位3名が準優に駒を進めるシステムだ。つまり、勝負駆けが増える。しかも、予選は4走の選手もいて、まさしく短期決戦である。それだけに、外枠で好着順を獲れるのはデカい! 予選で1号艇が回ってこない選手が16人もいるわけだから、枠を問わずに上位着順を獲らねばならないという熾烈な戦い。高橋も泉も、この1着は本当に大きいのだ。

 

 

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 というわけで、高橋も泉もニコニコ! いや、そういう戦況など関係なく、爽快な1着は笑顔を生むものではある。1R後のあっちゃんスマイル、最高っす! そして、わがことのようにニコニコと微笑む沖悟の笑顔も最高でありました。

 2R後の泉もまた、ニコニコニコ! 泉は久々のGⅠ参戦であり、その初戦で白星が出たのは、やはり格別であろう。さらに言えば、2戦連続で近畿地区の勝利。高橋が実に嬉しそうに「イェーイ」と駆け寄り、二人はハイタッチを交わしていた。そして、やっぱりわがことのようにニコニコニコと沖悟が笑ってました。スマイル大賞だ!

 

 

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 対照的に、敗者はやはり表情が険しい。特に、原田順一の憤懣やる方ないといった厳しい目つきは実に印象的だった。唯一の名人戦皆勤賞である原田は、すでに御年64歳。今年はついに勝率が届かず、施行者希望での出場となっている。しかし、闘志はいささかも衰えていない! 勝利を追い求める気持ちに翳りはなく、敗れれば心から悔しがる。こうした姿を見せられるから、僕は毎年4月、大きな感動に打ち震えるのである。準優進出戦に進めるのは36人。まだまだチャンスあり! 明日からの原田の巻き返しに期待しよう。

 

 

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 さて、初日ということで、選手たちの動きはなかなか慌ただしいわけだが、1R展示後にピット入りすると、今村豊が早くも試運転をしていた。昨日の前検で、今村の引いた19号機はプロペラにヒビが入っていたのだそうだ。会見では「交換があるかも」と言っており、その会見後にはすでにプロペラをがんがん叩いている様子を目撃している。新プロペラを自分の形に叩き変えていた? 試運転から上がってきた今村のペラを覗き込んだら、これがピッカピカで、やはり交換があったのかもしれない(実に忙しそうで確認するスキがありませんでした)。そして、その手応えを確かめるために早くから試運転に出たということか。いったん陸に上がると、金子良昭が「先輩、いいんじゃないですか?」と話しかけており、昨日の気配は参考にならないかもしれないな。

 

 

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 江口晃生、西島義則も早い段階でボートを下ろしており、ドリーム組はわりと早めの動き出しである。しかしながら、今村暢孝はモーター架台の準備などにも忙しく、そうした仕事が一段落するとペラ室へと向かって木槌を振るう時間を過ごしているのだった。それにしても、江口さんの柔和な表情は実に気持ちいい。ニコッと微笑みかけられたりすると、どうしても「頑張れ、江口!」とか小さくつぶやいてしまうのである。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田=今村、江口 TEXT/黒須田)