BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

浜名湖グラチャンTOPICS 2日目

 

 

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チルト3ッショ!!

 

 名前がそうさせてしまうのか、たまにチルト3度に跳ねちゃうんです三井所尊春。今日も6号艇の1Rでやってくれました。アゲアゲのチル3で、展示タイムは6秒58。まあ、3度を履いてやっと湯川浩司と同じレベルという感じではあったが、これだけ伸びればやはり勝ち負けになる。スリットほぼ同体から内4艇を一気に攻め潰し、インの赤岩善生にもう一歩というところまでにじり寄った。で、「チルト3は道中でずり下がる」としたものだが、しっかり丁寧にコーナーを回って2着を取りきった。三重の澤大介もそうだが、三井所のチルト3は、回り足もソコソコなのだな。

 

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 新ペラ制度になってから、阿波勝哉や澤らチルトサンダースが相当な苦戦を強いられ、チル3ブームは一気に下火となった。「アワカツ、ついにチルト-0・5」の情報を聞いたときのショックは今でも鮮明に覚えている。終戦を告げる玉音放送のような衝撃だったな。まだ生まれてなかったけど。

 だけどどっこい、チルト3は生きていた。なぜ佐賀の三井所がこの特殊な設定に目覚めたのかは定かでないが、稀少な冒険者としてこれからも応援していきたい。読者の皆さんにも「5、6号艇の三井所は直前情報に注意」と覚えてもらいたい。いっそのこと、アウト屋になってくれないかなぁ、三井所クン!!

 

 

 

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湯川が池田が岡Pが……><

 

 やらかしてしまった。伸びすぎてしまった。今節の横綱パワーとして前検から大いに期待していた湯川浩司が、6Rでその節イチの伸び足を生かしすぎた。コンマ03……非常識ではなかったが、かなりのハミ出しである。スタート展示はスロー発進で、本番は4カド。これでスタート勘が狂ったのかもしれない。だが、起こしから湯川の動きだけをチェックしていた私は、「エンジンが噴き過ぎていた」と断言させていただく。見た目には完璧な起こしのタイミングで、スリットほぼ同体か、という感じだった。が、目で追いかけていたら、スリットのはるか手前でカド受けの田村隆信を追い越していた。どんだけ伸びたのか、湿気王子!? 「2日目から予選4連勝か」と昨日の当欄で予言めいたことを書いた私だが、最悪の形でその予言は外れてしまった。うーーん、間違いなく優勝に手が届く伸びだっただけに、残念でならない。もちろん、明日からも舟券では狙って行くつもりだが。F&外枠で人気が落ちれることを考えれば、むしろ思わぬ大魚を釣り上げるチャンスなのかも??

 

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 そして、その湯川に手を引かれるようにして三途の川を渡ってしまったのが、5コースの池田浩二だ。また、やらかしてしまった。その実戦心理は、想像に難くない。湯川をマークして連動すれば、1マークで間違いなく美味しい展開が生まれる。しっかり付いて行こうと思う。その湯川がグイグイ伸びるから、必死に喰らい付く。ハッと気づけば、コンマ01の勇み足……今年、F2でさんざん苦しんできたというのに、また激痛の足カセがはめられてしまった。このFで出走回数が怪しくなり、来期A1残留がかなり厳しくなったと思われる池田。常に冷静沈着なこの天才レーサーが、まさかフライングでこれほど苦しむとは……。

 

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 災いは災いを呼ぶ。続く7R、今度は岡崎恭裕が湯川・池田の後を追いかけるように、向こう側へと行ってしまった。コンマ01。岡崎のエンジンも「噴いている」と記者の間で評判だった。十分に優勝を狙えるパワーだった。これまた、超抜すぎるが故の悲劇だったのか。スペイン、イタリア、イングランドが予選で消えたWカップ。地球の裏側の祭典も、波乱ムードが漂いはじめたぞ。

 

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 あ、そんな暗い話題の中、目の覚めるようなロングシュートを突き刺した男がいたな。瓜生正義。5号艇でも潔く6コースを選択し、コンマ05のトップスタートで内の5艇をまくりきった。昨日のドリームで王者に冷や汗をかかせた猛追といい、今日のアウトひとまくりといい、やはり瓜生は強い。爽やかに強い。波乱ムードをひとつに統べるレーサーがいるとするなら、それはやはりこり男なのだろうか。(photos/シギー中尾、text/畠山)