BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

トライアル2nd第1戦ダイジェスト

 

浪花山脈

 

f:id:boatrace-g-report:20171218095808j:plain

11R

①太田和美(大阪)16

②松井 繁(大阪)14

③吉田拡郎(岡山)22

④毒島 誠(群馬)17

⑤丸岡正典(大阪)33

⑥井口佳典(三重)15

 

 浪花の賞金王コンビの分厚い壁が、スピード自慢の若者たちを蹴散らした。やはり強い。1マークのターンの出口で、早々に1=2態勢を築き上げた。松井繁の機力で2コースはどうかと見ていたのだが、ピストンリングの交換などでしっかり臨戦態勢を整えていた。流石の一語だ。

 

f:id:boatrace-g-report:20171218095838j:plain

が、本人はまだまだ納得していないだろう。舳先が入ってもおかしくないような激差しにも関わらず、バック中間までに軽く半艇身ほど引き離されてしまった。

「太田にはまだ分が悪い」

 そう痛感させるに十分なパワー差だった。痛し痒しの2着、というところか。

 

f:id:boatrace-g-report:20171218095852j:plain

 3着争いは熾烈を極めた。拡郎、毒島、井口ともに持ち味を発揮し、ターンマークごとに順位が入れ替わる激闘となったが、巧みに立ち回った井口が7点をもぎ取った。修羅場を踏んだ経験の差か。パワー的にも、本人が悲観するほど劣勢ではなかったな。吉田、毒島とは同レベルだったと思う。

 

f:id:boatrace-g-report:20171218095906j:plain

逆の見方をすれば、吉田と毒島がこのメンバーでは弱かったのかも知れない。特に毒島の足は、昨日までの迫力が感じられなかった。2周1マーク、得意のぶん回し旋回で井口の外を強襲したが、舳先を並べたところでパワーが売り切れた。昨日までの足だったら、一気に突き抜けても不思議じゃないターンだったのに……直前に天気が崩れたことが、どれだけ影響したか。明日はまたパワー相場が一変する可能性も考えておきたい。

 

艇王モード突入か!?

 

12R

①菊地孝平(静岡)14

②山崎智也(群馬)18

③白井英治(山口)15

④茅原悠紀(岡山)16

⑤池田浩二(愛知)21

⑥石野貴之(大阪)23

 

f:id:boatrace-g-report:20171218095924j:plain

 まずは、読者の皆さんと白井英治師匠に侘びを入れねばなるまい。予想欄で菊地の足が図抜けているというようなことを書いたが、はっきりその見立てが間違っていた。とんだ勘違いだった。私自身にとっても痛恨の思い込みだ。今朝、記者席に着くまで、このレースの予想本線は3-14だった。が、朝の特訓で菊地の凄まじい足を見て、「これはかなわん」と脱帽した。特に、中野次郎との足合わせを見て怪物級の評価を下したのだが……次郎が悪すぎたのか?? 今節の私の見立て(特に足合わせ)は、前検から狂いっぱなしだ。庭とも言うべきホーム水面で、しかも年中見慣れたスポットからチェックしているのに、いざ実戦で「ゲゲゲッ」と打ちのめされている。とにかく、読者の皆さん、英治師匠、世迷言を書いてしまって申し訳ありませんでした!!(激痛)

 

f:id:boatrace-g-report:20171218095946j:plain

 それにしても、白井のまくり差しは鮮やかだった。智也がやや凹んだスリットから、さらにグイグイ伸びて十分なマイシロを奪い、シャープなハンドルで舳先を突き刺した。さすがのスピード自慢の茅原も、スーパーテクニシャンの池田も、この速攻に追いつくことができなかった。もちろん、これだけの芸当ができるのだから、パワー的にも上位と言い切っていいだろう。このシャーク差しで勢いに乗ったか、白井はレース後の枠番抽選でも白い玉を自力で引き当てた。何度か書いてきたが、いざ確変モードに突入したら、手の付けられない性格なのだ(その性格が災いして大きなポカもやらかすが……)。

 

f:id:boatrace-g-report:20171218100012j:plain

明日、きっちり逃げきることができれば、白井は無敵化する。パチスロ『モンキーターン2』の最強モード「艇王ロード」に突入する。うん、今日の1着&白玉で、黄金ヘルが一気に手元まで近づいたとお伝えしておこう。すでにSG覇者となった今、焦ったり気合が入りすぎたりしてのポカもありえない……と思いたい(笑)。

 

f:id:boatrace-g-report:20171218100030j:plain

 2着争いを制したのは、平成の韋駄天王子・茅原だった。1周2マークで2番手の菊地がバウンドしている間に、ズコーーンと突き抜けた。嗚呼、ダービー優勝戦、チャレカ予選に続いて、このグランプリでも菊地は茅原に千切られてしまった。茅原はハブに対するマングースとも言うべき天敵なのか。再びの直接対決で、妙な苦手意識が出なければいいのだが……。

 とにかく、明日からの私は狂いっぱなしの“審機眼”を正常に戻すことに全力を尽くすとしよう。桐生順平が70号機を合わせきるより、難しい作業かも知れないけれど。(photos/シギー中尾、text/畠山)