住之江グランプリの前検が終わりました。嗚呼、わしゃこのモーターに惚れ申した、一生付いて行きますーーー!!みたいなパワーは……見つけきれなかったっす>< 「もしかしてスゴイかも?」という不気味さを感じたのは石野貴之ですが、誰もが知ってるエース機だし……とりあえず、グランプリ組は班別に紹介します。
★1班(明日の11R)
①峰②笠原③田中④辻⑤今垣⑥茅原
良く見えた側より、「峰が苦しい」というのが第一感。起こしからの加速が鈍く、スリット付近から押して行く感じも乏しい。スローでは大ピンチ、という足に見えた。「今、いちばん新型エンジンの調整法(ペラゲージ中心)を掴んでいる男」と言われるだけに、明日1日で大化けする可能性もあるが、現状のままだと寒~いイン戦になりそうだ。
笠原、辻、田中は峰に比べるとかなり軽快で、特に笠原の行き足の良さが目立っていた。常に隣に峰がいたせいかもしれないが……要注意は信一郎のコース獲り。2本目にいきなりやや深めのインコースを選択しており、峰のバナレが悪かったりしたら一気にコースを奪う可能性がある。
外枠の今垣、茅原はダッシュから行ってもまったく目立たない気配だった。私の目が内寄り(峰中心)に向いていたため「弱い」と断言できないが、「強い」というインパクトは感じなかった。
独断のパワー診断
A…笠原、B…田中、辻、C…今垣、茅原、D…峰
★2班(明日の12R)
①太田②松井③池田④中島⑤坪井⑥幸哉
隠れエース70号機の幸哉に注目したのだが、これがなんとも微妙な感じ。2本は枠なり6コースから、ゴキゲンに伸びているように見えた(スタートが凸凹でわかりにくくはあった)。が、スローから行ったとき、出足→行き足の部分がむしろ弱めに見えたのが気になって仕方がない。この70号機の魅力は「ターンの出口からぐいぐい押して行くパワー」と思っているので、1速~2速が弱いはずはないのだが。まあ、このエンジンは実戦でこそ強みを発揮するタイプでもあり、単なる杞憂であることを祈りたい。現時点はAランク。
行き足の部分で強めに見えたのが中島だ。最近、SGではワースト級のパワーに泣いてきたが、この足なら2度目の黄金メットがあっても驚けないぞ。要注意。
太田、松井、坪井は可もなく不可もなくで「ソコソコ戦えるか」というイメージ。そんな中、池田がちょっとだけ弱めに見えたのだが、どうか。
独断のパワー診断
A…幸哉、中島、B…太田、松井、坪井、C…池田
★3班(3日目のおそらく11R)
①元志②石野③毒島
3艇立てのスタート特訓ははじめて見たのだが、わかりやすい部分(全艇スローとか)とわかりにくい部分(2対1で艇間が広いとか)があったな。そんな3艇立てで、すべてスリット付近で強めに見えたのが石野。ただ、1本目はスローの早起こし、2本目は唯一のダッシュだったので、判断の匙加減が難しい。不気味だったのが3本目だ。スローの2コースだった石野は、スリットの手前で上体を起こしスタートを合わせに行った。さらに、スリットを過ぎてまもなく再び上体を起こした。競馬の調教で言うところの「馬なり」ってヤツだ。が、それでインの元志を圧倒したように見えた(毒島は大外のダッシュで難解)。元志もスタート調整でモミモミした可能性が高く鵜呑みにはできないのだが、とにかく不気味な行き足だったとお伝えしておく。SSかSかAかを決めきれないものの、A以上であることは間違いない。3艇立てで比較材料が乏しいので、元志と毒島は暫定Bにしておきたい。
独断のパワー診断
暫定S…石野、暫定B…元志、毒島
★4班(3日目のおそらく12R)
①智也②守田③桐生
あまり差のない感じだったが、あえて順位を付けるなら桐生>守田>智也か。3艇スローで守田と桐生の行き足が一緒、智也がやや劣勢。桐生がダッシュに引いたときにギュンと伸び、智也と守田が劣勢に見えた。おそらく桐生は伸び型で、本番でもダッシュ想定で狙いたいパワーだ。守田の57号機は「TOP6の中ではワースト?」という下馬評なのだが、悲観する必要はなさそうだ。むしろ、温水パイプ装着後に気配落ちしている智也34号機のほうがやや心配だな。
まあ、3・4班は3日目からが本番なので、今日の段階で白黒を付ける必要はないだろう。2日目までの試運転、スタート特訓でしっかりTOP6の良し悪しを把握したい。
独断のパワー診断
暫定A…桐生、暫定B+…守田、暫定B…智也
★5~11班(シリーズ組)
上位20機(予備モーター含む)ほどのいない「残り物エンジン」ではあるが、そんな中で「お、これは!」と思うパワーがいくつかあった。むしろグランプリ組より、その較差が激しく見えたな。羅列しておこう。
湯川浩司…行き足~伸び強烈で、スリット付近から半艇身は出て行く。低調機ばかりの中で、この足はかなりの脅威になるだろう。課題はスタートで、F持ちの身の上でどこまで突っ込めるか。半端な仕掛けになったら、「湯川の外が怖い」と思うぞ。
井口佳典…湯川が伸びる中、同じ班でただひとりしっかり食いついたのが井口。足合わせでも半分以上は強めだったし、直線に関してはかなり強気で攻められるだろう。
吉川元浩…やや早起こしではあったが、スタート特訓は3本連続で他を圧していた。行き足だけで言うなら「シリーズの節イチは湯川か、吉川か」の一騎打ちムードだと思う。湯川の足かせを考えれば、吉川をV候補の筆頭にするべきかも?
川上剛…シリーズ組では圧倒的な下馬評を誇る60号機。ただ、いきなりドカ遅れしたり、わかりにくいスタート特訓ではあった。2コースからバチッとスタートを決めたときの行き足がゴキゲンだったので、十分に戦える足なのは間違いなし。節イチ~上位のどのあたりなのかは、現状ではわからない。
さて、前検タイムです。
前検時計TOP10
①太田和美 6.70
②湯川浩司 6.71
石野貴之
④峰 竜太 6.72
⑤今村 豊 6.73
井口佳典
⑦山崎智也 6.74
池田浩二
⑨松井 繁 6.75
瓜生正義
市橋卓士
茅原悠紀
※遅ればせながら桐生→茅原に訂正しました!ご指摘、ありがとうございます。
ちょいと驚く太田のトップ。それより、4位の峰と7位の智也がかなり意外な気がします。どちらも出足系統がやや不安な伸び型なのかも?
前検ワースト5
①今垣光太郎 6.92
②白井英治 6.90
重成一人
④秋山直之 6.89
⑤長田頼宗 6.88
なんと、光ちゃんがグランプリ組で唯一のランクイン。しかもワースト! まあ、光ちゃんの場合、航走中に何か考え事をしていたかもしれないし(笑)鵜呑みにしないでおきましょ。白井は足合わせもスタート特訓もサッパリの気配だったので、この時計はそのまま心配ではあります。(photos/シギー中尾、text/畠山)