BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

平和島クラシックTOPICS2日目

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171221103801j:plain

 畠山がやまと学校出張で不在のため、TOPICS担当は黒須田です。まずは、畠山が書き置いていったモーターパワーについて。

 畠山が「申し分のない仕上がり」と書いた、坪井康晴=エース28号機。12Rを見た方なら、説明の必要もないだろう。現時点での節イチは、間違いなくコレだ。エース機を節イチと評価するのは畠山でなくても気の進まないことなのだが、あのパワーを見せられたら仕方がない。これをキープできれば優勝争いのハナを切れるし、上積みまで果たされれば突っ走ってもおかしくない。

 12Rの展開をざっと書くならば、毒島誠が3コースから握り、坪井は差しを選択。2コースから一番差しの平本を行かしての2番差しで、最内を突くかたちとなっている。

 平本の差しがうまかった。毒島の引き波に呑まれぬよう的確に差して、ターンの出口では先頭に立っている。あの差しを見る限り、平本のパワーも決して悪くはない。ところが、回ってからの二の足で坪井は平本に舳先をかけ、そこからはグイグイと前進してバック中間過ぎあたりでは完全に併走に持ち込んでいる。あとは先に回るだけ。平本との差はみるみる開いていき、平本と毒島が2番手争いを演じたこともあって、2周目からはぶっちぎりの先頭ゴールとなった。

 この④-②-③はマンシュウとなったが、明日からは坪井、売れちゃうだろうなあ。畠山は今節、マンシュウの組み合わせしか買わないそうだが、帰京後に坪井を買う機会はなくなる可能性大である。

 

f:id:boatrace-g-report:20171221103817j:plain

 今垣光太郎=15号機については、今日は評価が難しい。10R3号艇1回乗りで、3カド発進。スタート行き切れずにまくり差しになって、引き波を超えることはできなかった。初日のレースは2コースジカまくりと1コース先マイで、ともに引き波のないところを走っている。その両方で、回ってからグイグイッと前に押すパワーを見せつけ、見事にピンピン発進となったわけだが、引き波を超えなければならなかった今日は昨日ほどの迫力を感じられなかった。これが、外枠が回ってくる明日以降、どう出るか。

 これはJLC解説者の山口雅司さんに教えてもらったのだが、リードバルブの設定が光ちゃん好みではないらしく、昨日ピンピンだっただけに調整するかどうかの迷いどころだったようである。今日の手応えから思い切った調整に踏み切ったとして、どう気配が変わってくるのか、ともかく明日の動きには注目しなければなるまい。

 

f:id:boatrace-g-report:20171221103832j:plain

 守田俊介=前エース55号機も難しいな。前半6Rは3コースから1マークツケマイでイン山田雄太とバック併走になり、2マークもツケマイで攻めて山田を沈めている。まさに力でねじ伏せる勝ちっぷりだったわけだが、しかし1マークで決め切れなかったということもできる。そして12Rは1号艇で必勝態勢かと思いきや、毒島誠のツケマイを浴びて後退。相手が相手と言うべきだろうが、「伸び型で僕好みではない」との前検日のコメントがどうにも引っかかるスロー2走であった。試金石となるのは、明日1R4号艇だろうか。今日12R出走、明日1R出走で、大きな調整をする時間はほとんどないと言っていい。枠なりなら4カド濃厚、そこからどんなレース、足色を見せるのかが、予選後半を占うことになるだろう。

 あと、守田を沈めた毒島=60号機は、畠山が書いたとおりではないかと思う。「パワーだけならやや見劣るが、昨日(前検日)も書いたとおり毒島の高速ターンにぴったりフィットしている。選手との相性も加味して有力なV候補」。平本との2番手争いは見ごたえがあったが、平本との比較で言えばよくて同等、平本のほうがやや上かも、といったところか。しかし、気持ちのいい握りっぷりはたしかに毒島のレースには合っており、少しずつでも上積みができていけばぐんぐんと威力を増すはずだ。

 

f:id:boatrace-g-report:20171221103845j:plain

 そして、今日も忘れちゃいけない、三嶌誠司。1R6着という数字に惑わされてはいけない。1コース桐生=コンマ15、2コース今村=コンマ16というタイミングに対して4カド三嶌コンマ11。決して抜きん出た数字ではない。しかし、3コース仲口博崇がドカ遅れというスリット隊形は無視するわけにはいかないものの、スリット後はすーっと伸びて行って、1マークまでに内を飲み込んだ。気配は間違いなく上位である。それこそ仲口を叩いた分なのか、そのうえ桐生を完全に抑え込もうとした分なのか、1マークにやや寄りすぎたきらいがあって流れてしまっているが、これは足負けの6着ではない。もし6という数字が人気を落とすのなら、むしろ積極的に狙うべきだろう(三嶌をそのまんま狙うのもそうだし、その攻めにのる三嶌の外を狙うという手もある)。昨日畠山が書き置いたなかでは、坪井と並んで好気配がわかりやすかったのが今日の三嶌だったと思う。

 

f:id:boatrace-g-report:20171221103859j:plain

 畠山が触れなかった選手では、先の平本、松田祐季、原田幸哉が気になった。あと、5Rで先頭を走った平本に離されなかった角谷健吾も気配上昇か。

 それに加えて、女子3人。遠藤エミは畠山も触れているが、川野芽唯、滝川真由子も動き自体は悪くないと思う。

 

f:id:boatrace-g-report:20171221103917j:plain

 遠藤は結果こそ出ていないが、道中ブンブンと握って回れる足を見せていて、展開がハマれば充分に突き抜けられるパワーだと思う。毒島と同様、遠藤のスタイルにフィットした足色と見る。

 

f:id:boatrace-g-report:20171221104009j:plain

 水神祭をあげた滝川は、なにしろ山崎智也のツケマイをしっかりと受け止め、差しも許さずに逃げたのだから立派。前半2Rでは今村豊、田中信一郎と2番手争いを演じて、さすがに4着と捌かれてしまったが、足色で見劣っている感はなかった。相手が相手だけに、スピードやテクや捌きで見劣るのは仕方ない(この二人に食らいつけたことで経験値が大幅にアップしたはず!)。今日は枠の利もあったわけだが、外枠からでもヒモ争いに加わる可能性を充分に感じさせる気配である。

 

f:id:boatrace-g-report:20171221104023j:plain

 川野芽唯は9Rが惜しかった。出色は1周2マーク。最内を伸びて先マイし、2番手に浮上しているのだ。2番手を走った山崎がややオーバーターン気味だったこともあったけれども、去年のMVPをいったんは交わしたのだからたいしたもの。足色も旋回も、光るものがあったぞ。2周1マークで内から切り返されて再逆転されたあたりはまさにSGの洗礼と言うべきだが(山崎は不良航法をとられている。あれで不良航法とは、かわいそうすぎる。川野は明らかに山崎を見失っていて、1マークに辿り着いたのは山崎のほうが先。川野は抱いて回れば済む展開なのだから、山崎がうまかったと言うしかないのに……)、少なくともこれでSGでもなんとか戦っていける手応えはつかめたはずだ。明日は1号艇が回ってくる。やっぱり相手は巨大だけど、強い気持ちで逃げろメイちゃん。相棒にはそれができるパワーがあるはずだ。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)