BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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津レディチャンTOPICS 初日

シン・ヤヨイ

 

 

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 イン5勝……「女子戦の初日はスタートがバラけやすく、しかも隙あらば握る選手が多いためインが苦戦する」というセオリー通り、イン選手がポロポロとよく負ける1日だった。で、イン以外で勝った選手は「2~5コースまで何でもあり」というのもやはり女子戦らしい。自力で仕掛けた選手、またはそれをマークした選手がバック中間で突き抜けていった。

 インコースで勝ち、それ以外でも勝ったレーサーがただひとり。宇野弥生だ。まずは4カドの2R、弥生はコンマ18のスリットから内艇を素早く絞めて、シャープなまくり差しを突き刺した。まあ、Sタイミングといい1マークの戦法(直近1年の4コース勝ちはすべてまくり!)といい「私らしい」かどうかは微妙だが、実に冷静沈着な勝ち星だったと思う。

 

 

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 イン戦を与えられた6Rのスタートも、これまたコンマ18。F持ちの境遇をしっかり己に言い聞かせ、1艇身全速を心掛けているのかも知れない。それから、モーターに対する信頼もありそうだ。相棒の47号機は2Rで安定した伸び&引き波を超えるパワーを、6Rでは出口からググッと押して行くレース足を披露した。スゲェ!!と唸らせるほどのパンチ力はないが、全部の足が強めのバランス型か。どんな展開からでも自在に捌けそうな47号機は、F持ちの弥生にとって心強いパートナーと言えるだろう。

 スタートは慎重に、1マークでは的確に。

 いわゆる「私らしさ」を封印し、シン・ヤヨイがVの最前線を突っ走る??(笑)

 

暴走モード

 

 

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 弥生がガオガオ暴れている間に、私の節イチ候補モーターがV戦線から消えた。まだ初日なのに……渡辺千草69号機、コンマ01フライング。今日の69号機もゴキゲンに見えた。スタ展でスリットから1艇だけギュゥゥゥン出て行くわ、展示時計の69もM番号にシンクロしてるわ、いざ本番の起こし~行き足もめっちゃ軽快だわ……千草&69号機のシンクロ率はスリットの手前で500%ほどに到達したように思えた。

 が、実はこの時点で千草と69号機は暴走モードに突入していたのだ!!!! スリットでインの堀之内紀代子を半艇身抜き去った千草は、さらに数十mほどでキッチリ1艇身出し抜いた。凄まじい行き足。あとはクルッとひとまくりで圧勝だな……思った瞬間、実況アナの悶絶の叫びが鳴り響いた。誰が切ったのか。複数かも知れないが、あるひとりの選手は間違いないだろう。そう確信した。その通りだった。Fには内的外的さまざまな要因が含まれるものだが、今日の千草69号機は間違いなく「噴き過ぎ」によるハミ出しだった。そう確信している。

 初日でのリタイアは実になんとも残念だが、悲嘆に暮れててもしょーがないわな。V戦線はあちら、穴舟券はこちら。今後、外枠で走り続ける69号機は随所に舟券に絡んでくることだろう。たかがF1本くらいで「お役御免」などと見切るのは、愚の骨頂だとお伝えしておく。

 

 

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 そしてそして、69号機に代わってあえて「V候補1機」を選ぶとするなら……うん、初志貫徹、BB誌で◎に推した松瀬弘美=54号機だ。昨日の段階ではムラな感じが妙に気になったのだが、いざ実戦では何の不安もなかった。ストレートはもちろん、ターン回りも強力で引き波を軽々超えてゆく。これにもう一本「行き足~伸び」のパンチ力が来たら理想どおりの54号機なのだが、まくり屋の松瀬がしっかり引き出してくれるだろう。

 

 

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 原田佑実22号機、平高奈菜57号機も素性通り、道中で競り負けるような感じがまったくしない。現状では間違いなくV候補のトップ5に入れるべき好モーターだ。逆に、前検でワースト級から大抜擢した佐々木裕美73号機は、まったくダメダメ! ストレートはソコソコも、実戦での回り足がさっぱりで回るたびにずり下がっていた。不明をお詫びしつつ、シビアに番付から抹消します!

 

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 一方、前検ではノーマークだったのに、実戦でバカに良く見えたのがふたり。まずは今井美亜53号機で、大外6コースからあわや2着!? という力強い追い上げは脳裏に焼き付いた。攻撃能力の高いレーサーだからして、攻めたときに勢いがつくような実戦足が実に不気味でもある。あの平和島3Daysの17号機をちょっぴり思いださせるパワーだった。

 

 

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 それからそれから、水野望美32号機!! 成績こそ4着だったが、スタート展示の気配&実戦での粘り強い追い上げ足は、ノーマークにしておけないな。まだまだ認知度が低いレーサーだけに、節間のどこかで大穴を開けそうな気がするぞ! え、ホントは大好物の望美の写真をアップしたいだけだろって?? そ、そ、そんな不埒な理由で、あんなに超カワユイ望美ちゃんを選んだりしてませんよっっ!! ん?(photos/シギー中尾、text/畠山)