BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――進出戦組の奮闘!

 

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 準優進出戦組の動き出しは全般的に早かった。メモしたわけではないが、出走表を見ながら思い出すと、1R発売中に24人全員の姿を何らかのかたちで見かけたはずだ。予選上位勢は機力に不安がないから、終盤レースの登場となる賞典日にはゆったりと過ごす選手もSGなどではいたりするものだが、女子戦はやはり様相が違うということなのか。なにしろ、予選トップの海野ゆかりも、バタバタした雰囲気はないものの、始動している様子だったのだ。もっともリラックスしてはいるようで、岩崎芳美と並んで歩きながら穏やかな笑みを浮かべていた。12R1号艇と2号艇。同期生。夕刻には真っ向勝負を繰り広げるわけだが、朝のうちは気心の知れた仲間同士である。

 

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 1号艇では、平高奈菜は1R発売中に小野生奈らと足合わせをしていた。9Rなので出番は早めだが、やはり着水のタイミングは早い。2Rが始まる前にいったんボートを揚げて、小野や樋口由加里らと情報交換、特に小野とは長く話し込んでいた。表情は明るい。

 

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 そうそう、田口節子も1号艇だが、本体をバラしていたのだった。おそらく点検程度と思われたが、1Rのエンジン吊り後に整備室に戻っており、もうしばし調整は続く様子であった。SGの優勝戦や準優とプレミアムGⅠの準優進出戦を同じに考えてはいけないかもしれないが、賞典の白カポックが本体整備をしている様子はかなりレアな光景である。本体整備はほかに寺田千恵、竹井奈美。寺田が本体を見つめる視線は実に鋭利であった。

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 2R発売中になると、進出組が続々とボートを下ろし、試運転に出ている。すぐに走り出さない選手は係留所に移動して回転調整など。いずれにしても、この時間帯に着水した選手が実に多かった。細川裕子、魚谷香織、西村歩、中谷朋子などなどなど。1R発売中にはすでにボートが係留所があった選手では淺田千亜希も水面で姿を見た。

 

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 それにしても、中谷朋子の陸での動きは、徹底的な調整作業以外にも驚かされることがあたりする。1Rのエンジン吊りに中谷の姿があった。メンバーを見渡すと、近畿地区の選手は不在である。つまり、中谷は控室で休んでいても、ペラ調整を中断せずに続けても、まるでかまわない。しかし中谷は後方でボートが揚がってくるのを注視して、陣容がやや手薄なところにさっと歩み寄る。津のボートリフトは3艇ずつしか一気に揚げることができず、1~3着、4~6着の順に揚がってくることになる。その1Rでは、中谷はまず松瀬弘美のエンジン吊りをヘルプし、これを終えると福島陽子のボートに向かってヘルプ。前者は塩崎桐加もいたことから東海勢が分散し、後者は3人ともが中国地区で岡山が二人ということで福島のボートが手薄になっていた、という次第だ。機力とかにはまったく関係ないけど、こういう姿を見ると応援したくなりますね。なぜかレディチャンとは相性がいいとは言えない中谷だが、今節はその流れを断ち切ってほしいところだ。

 

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 あ、こうした動きを見せるのは、中谷だけではない。SGでも若手選手は自地区の選手が出ていなくても積極的にエンジン吊りに参加するし、今節は若手選手は必ず参加していると言っていいだろう。福島のエンジン吊りには小野生奈も参戦していたし、今井美亜もまるで同支部の先輩のエンジン吊りをしているがごとく、素早い動きを見せていた。そうした一種の雑用もこなしながら、ナデシコたちは調整に試運転に、そしてレースに奮闘中! 女子戦の軽やかでキビキビした雰囲気も気持ちいいっすね。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)