BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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GPトライアル2nd第1戦 ダイジェスト

激差し!!

 

11R 並び順

①菊地孝平(静岡)14

②瓜生正義(福岡)14

③松井 繁(大阪)18

⑤山崎智也(群馬)20

⑥井口佳典(三重)18

④池田浩二(愛知)19

 

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 18人から12人へ。賞金王への挑戦者が一気に絞られたGPトライアル2nd、最初に12ポイントを獲得したのは、絶好調モードの瓜生だった。まずは今節のお約束? ピットアウトから事件が起きる。4号艇の池田がスコーンと遅れて大外回り、取り戻しに動いてはみたもののキッチリとブロックされてしまった。123/564。

 

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 12秒針が回って、内の菊地と瓜生がスーーッと出てゆく。スリットも2艇が同体で、外の4艇はわずかに後手を踏んでいる。菊地と瓜生の一騎打ちムードから、1マークまでに力強く伸びたのは2コースの瓜生だ(菊地がアジャスト、瓜生がほぼ全速だったか)。少しづつ舳先を突き出して、初動の前には半艇身ほどリードしただろうか。この差が最大の勝因だったと思う。

 まくられたら大敗もありえる菊地は、早めに初動を起こして強めに握った。「差されてもやむなし、絶対にまくらせない」というほぼ全速のインモンキー。トライアル第1戦だからこその旋回であり、これがファイナルならもっと違うターンを選択したはずだ。

 それを尻目に、瓜生の差しハンドルは例によって的確かつ俊敏だった。ターンの出口に到達する前に突き抜けた。回った瞬間に1着、そんな激差しだった。ただ、見た目にはド派手な圧勝劇だったものの、これをもって「瓜生の回り足が超抜」と決めつけるのは早計だ。今日の1マークは心理戦も含めて展開がハマッた。出足~行き足は素晴らしかったが、このレースだけで「全部の足がいい節イチ級」とは言い切れないだろう。

 

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 おそらく織り込み済みだったであろう菊地は、流れる艇を素早く立て直して松井との2着争いに持ち込んだ。1周2マークでは、先に回った松井を全速で握り潰して2番手浮上。引き波にハマって3番手になった松井も、ガッチリと3着を確保した。

 終わってみれば、1~3着すべて賞金ランクTOP6の面々が独占した。コースの差、パワーの差、実力の差……人によって判断は違うだろうが、やはり住之江のトライアル初戦は「賞金ランクのアドバンテージが大きい」と感じた。

 

極端すぎる明暗

 

12R

①石野貴之(大阪)20

②坪井康晴(静岡)24

③桐生順平(埼玉)22

④篠崎仁志(福岡)26

⑤辻 栄蔵(広島)29

⑥太田和美(大阪)22

 

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 初日からトライアル6レース目にして、はじめての穏やかな枠なり3対3。スリットは全体的に遅い中(この直前、風速がコロコロ変わったせいだろう)で、インの石野がトップスタート。こうなれば「スリット付近ですでに必勝態勢」としたものだが、私はまだ認めなかった。坪井15号機なら、瓜生に続いて2コースから攻めきれる。そんな予感とともに内の2艇を凝視していた。

 

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 が、その予感は脆くも崩れる。スリットから坪井がじわじわ伸びたものの、前検で感じたほどの迫力がない。1マーク手前で、2艇の舳先が並んだ程度。石野は艇をぴったり合わせて坪井の動きを封じ、完璧すぎるインモンキーで突き抜けた。一方の坪井は仕掛けがやや遅れたところに、3コース桐生の握りマイの引き波をモロに浴びた。何度か記してきたが、3コースの桐生にはこれがあった。深い引き波にハマった坪井の艇は、尻もちをつくように失速した。まさかまさかの、大差のしんがり……。

 

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 ターンの出口から石野が独走に持ち込み、2番手以下の争いにも大きな紛れはなかった。2マーク、桐生が追いすがる太田を先に回して差しきり2番手確保。坪井だけが最後方から捨て身の突進を試みたが、空振りに終わって6艇の着順がほぼ決定した。トライアルにしては、紛れが起こりようがないほどの縦長のレースではあった。

 際立ったのは、石野の強さのみ。冷静なレース運びはもちろんのこと、前検よりも機力がアップしていたのも間違いない。ただ11Rの瓜生同様、このイン逃げをもってして節イチ級とはまっく思っていない。インコース以外でどんなパワーを見せるか、明日以降が真の正念場になるだろう。

 1着・石野、2着・桐生。11Rも含めて賞金ランクTOP6のうちの5人が上位着順を独占した。ただひとり、大差の6着に沈んだのはもっとも期待していた坪井&15号機。うーーーん、ボートレースはいつだって難しい。(TEXT/畠山、PHOTOS/シギー中尾)