BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――笑劇場!?

 

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 10R、亀本勇樹は6着大敗。昨日のイン逃げから一転、シンガリ負けを喫することになってしまった。これは悔しい一戦。ということで、レース後は亀ちゃん劇場の開演だ!

 カポック脱ぎ場では選手のレース後の挨拶である「すみません」が飛び交っていたが、いちばん最後にここにやって来た亀本に後輩たちが次々に「すみません」と投げかけると、亀本は叫んだ。

「許さん!」

 カポック脱ぎ場が大爆笑に包まれた。

「お前ら、誰のおかげで前を走れてると思ってるんだ!」

 八つ当たりもいいところです(笑)。

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 勝った山田豊にも、「なんでお前が5コース獲れてるんだ!」といちゃもん。このレース、ピット離れで6号艇の渡邉睦弘が飛んで、4号艇の山田と5号艇の亀本を出し抜いている。6コースは御免とばかりに亀本は前付け気味に4コースを獲ったわけだが、だったら渡邉5コース、山田6コースとなるはずだろ、と思い込んでいたのだろう。渡邉が先に引いたことで山田が5カドとなったわけだが、それが想定外だった、ということでしょうね。ダハハ、亀さんサイコー! 明日は勝ってゴキゲンな亀ちゃん劇場を見せてほしいっすね。

 山田はこれで2戦2勝、2日目終了時点での暫定トップとなっている。レース後は汗だくになっていて、春先の強き向かい風はやや冷たいとはいえ、激戦を演じた証しが見られたのだった。亀本のツッコミには爆笑を返してました。

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 その10R発売中には、倉ちゃん劇場(?)も見られていた。すでに作業を終えていたのか、手持無沙汰に装着場にあらわれると、ボートのハンドルとモーターをつなぐワイヤーを調整していた乙津康志に話しかける。ハンドルの堅さは人それぞれで、そのあたりが会話の内容だったようだ。一方、いざ勝負へと向かう矢後剛には、「スタート行っても大丈夫や。切らんから」と笑いかけた。今日は向かい風が強いから、スタートは届かない、だからフライングは切らないだろう、よってスタート踏み込め! ということだろうか? これが何かの罠だと思ったのか(笑)、矢後は「急に風が弱まったら、飛び出ちゃうじゃないですか」を切り返す。倉谷はニコニコとうなずくと、勝負に向かう矢後を優しいまなざしで見送るのだった。もしかしたら、向かい風と油断してると危ないぞ、という警告を反語で送ったのでしょうか。その後の倉谷は、整備室内の椅子にすわってのんびりとしていた。余裕綽々、足には手応えあり、ということだろう。

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 11R、3周2マークで5番手を走っていた福田雅一がキャビった。強い向かい風、ということは、2マークの旋回では強い追い風ということになる。ほぼすべての選手が乗りにくそうにしていたものだが、福田は波に引っかかってしまったわけだ。6番手を走っていた山川美由紀はこれに気付いて急減速、しかしハンドルは間に合わずに接触してしまった。山川はほぼデッドスローになっていたので、福田も何事もなく走り出したが、ピットには「ゴン!」という重い音が届いている。スピードを落とした接触でもそうなのだから、競り合いのなかで起きたときの衝撃度が想像されるというものだ。たまたま、これを目の前で見ていたのが、エンジン吊りに向かおうとしていた上田隆章と三嶌誠司。香川同士の接触を、香川の二人が直に目撃したわけだ。三嶌と上田の表情が一瞬曇り、しかし福田も山川も走り出したところで、表情が緩んで、ボートリフトへと駆け出している。

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 福田も山川ももちろん無事。福田は悔しそうな表情で引き上げつつ、他の選手には笑みも浮かべつつ頭を下げて回った。山川は自分から福田に歩み寄っていって、笑顔で左手を掲げる。福田が頭を下げると、山川は大丈夫、いいってことよ、みたいな雰囲気で福田の肩をぽんと叩いていた。

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 そうそう、今日は9Rで西島義則が転覆。ひっくり返ったボートの上をもろに他艇が通っていっており、容態は心配されたが、無事であった。ボートが守ってくれたかたちだろうか。4年前に大事故があった西島だけに、転覆を見るとヒヤリとしてしまうわけだが、レース後に元気な様子で転覆整備をしている姿を確認して、ホッとしたのであった。得点率の順位は下がってしまったが(選手責任の転覆)、巻き返しは充分可能なので、明日からも元気いっぱい、西島らしい戦いを見せてほしい。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)

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ボートレース津のマスコットといえば、ツッキー。奥さんであるツッピー、子供のツックン、ツーコとファミリーで、ピットにもいるのでありました。ツッピーは流行語にも敏感なようで……。