BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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蒲郡ヤングダービーTOPICS 2日目

6連続空中バトル!!

 

 風のイタズラか、番組さんの裁量なのか、今日の蒲郡水面は前半と後半でまったく別物のレースを映し出した。前半は、まくり飛び交うウルトラ空中戦。1~6Rまで、すべてのレースでまくり艇、または外から連動した選手が人気のイン選手を叩き潰した。

 

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 1Rのまくり艇は3コースの北野輝季。地元・選手班長の意地でスリットから内2艇をまくりに行ったが、イン平見真彦には届かない。激しい愛知競りを尻目に、4カドから北野をマークした村岡賢人が鮮やかなまくり差しハンドルを突き刺した。

 

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 続く2Rも、まずは3コースの仲谷颯仁が自力で仕掛ける。こちらはまくると見せかけ、1マーク手前でスッと減速してまくり差しハンドルに構えたのだが、その瞬間に4カド海野康志郎が全速の握りマイで内3艇を呑み込んだ。視覚的には2段まくりのようなド迫力の全速マイだったな。昨日も書いたが、今節の海野66号機はヘビーウェイトをものともせず節イチ級の伸び足を見せている。黒須田情報によれば「海野は外枠ではスロー(前付け)と決めているようです」とのことで、明日の6号艇はセンター筋まで潜り込んで自慢のストレート足を生かすことになるだろう。要注意。

 

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 で、観衆のド肝を抜いた大波乱PART1が3Rだ。仕掛け人はこれまた3コースの椎名豊。スリットで半艇身ほど覗いた椎名は、伸びなりに内2艇を絞めつけた。イン白神優がこの猛攻に飛びついた瞬間、5コースから全速のまくり差しを決めたのが前年度覇者の松田大志郎だった。F2持ち&パワー劣勢という情報で、完全に人気の盲点だった大志郎。私も◎磯部誠アタマの2-5-全までは買っていたのだが、大志郎アタマまでは届かず5-2-6の375倍という配当を呆然と見つめていた。うーーん、人間の器の小ささよ。田頭実の背中を見て育ったこの若武者にとって、これくらいの5コースまくり差しなんかあって当たり前なのに……反省。

 

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 続く4Rの1マークも壮絶の一語。4カドの堀本和也がゴキゲンな伸び足で一気に絞めまくったところ、2コースの黒井達矢が舳先だけで抵抗しながら先まくり。さらにイン今泉友吾も舳先だけで抵抗したため、1マーク付近はしっちゃかめっちゃかな水しぶきが飛ぶ大乱戦となった。私の目には無理な態勢でブロックした黒井&今泉が死に体に見えたのだが、バック直線で力強く抜け出したのは堀本ではなく黒井だった。ゾンビのような「死に体まくり勝ち」。黒井15号機は昨日1分46秒8という猛時計も叩き出しており、実は岡村60号機をも凌ぐ節イチパワーかも?? そんなことを思わせるほど、ちょっとありえないようなゾンビまくりではあった。

 

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 5Rは村岡が2コースから豪快なジカまくり圧勝。1Rは行き足を主体に中堅上位レベルでの勝利、と見ていたのだが、このレースの行き足はその見立てをはるかに上回った。本人も「整備が当たった」と吐露しており、明日以降もスリットから目が離せない存在とお伝えしておく。

 前半最後の6Rは、観衆のド肝を抜いた大波乱PART2。このレースはイン山田祐也&2コース遠藤エミが圧倒的な人気に推されたのだが、3コースの渡邉和将がこのふたりを一気呑み! さらにポッカリ空いた内水域に超人気薄の佐藤博亮が飛び込んでしまった。バックで3-6が固まった時点で2連単は大万舟。3着は人気のエミだったのだが、3連単は泣く子も黙る935倍まで膨らんだ。うーーん、ただただビックリ!

 

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 矢継ぎ早にレースを振り返ったが、まくり艇&マーク艇が6連続でインコースを叩き潰すなんて、近代ボートレースのGIでは奇跡にも近い現象だったと思う。原因はいくつか考えられる。

①インコースが中嶋健一郎、今泉友吾、古澤光紀などワースト級の劣勢パワーが揃った。

②前半戦だけまくり艇に有利な向かい風が断続的に吹いた。

③全レースの2~4コースに今節の伸び自慢レーサーが潜んでいた。

 この3点が重なり合って、凄まじい空中戦を生み出したのではないか。私は勝手にそう思っているのだが、特に注目したいのは③だ。これこそがヤングダービーの特権というか特徴ではないか。出足よりも伸び重視。たとえば近年のSG常連レーサーは「伸びよりも出足系統、または全体のバランス」を重視して調整する選手が多い。ほとんどと言っていい。が、今節のコメントやインタビューを聞くと「出足も欲しいけど伸びは殺したくない」と直線を意識しているレーサーが多い気がするのである。その意気やよし。で、今日は何人かの若武者が自慢の伸びを生かしてレースを演出したわけだ。明日以降も怖い伸びーーるレーサーを記しておこう。

★椎名豊

★海野康志郎

★堀本和也

★村岡賢人

★平見真彦

★岡村慶太

 

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 シリーズリーダーの岡村はともかく、他の5人はいつでも大穴を演出する可能性を秘めている。その外に付きそうな超人気薄レーサーとともに、これからも大穴を常に警戒しておきたい。特に人気に盲点になりそうなのは平見かも??

 さてさて、これほど大荒れだった前半戦から一転して後半は……はい、多くを語るつもりはありません。15年ほど前の“競艇”のようだった前半戦、楽しかったなぁ。(TEXT/畠山、PHOTOS/シギー中尾)