BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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平和島ダービーTOPICS 2日目

サプライズ・ピンピン

 

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 いやあ驚いた。角谷健吾だ。選手班長の大役を務めている角谷だが、モーター抽選ではワースト級の低調機。初日も見せ場なく大敗し、「今節は裏方に専念かしらん」などと失礼なことを思っていた。ところが、4Rの前にギヤケースを交換してまさに気配一変! イン戦の1マークは差されそうな展開だったが(昨日までの足ならズボズボやらしていたと思う)、ターンの出口から力強く加速して後続を突き放した。

 

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 そして、後半9Rは5コースから超弩級の大仕事をやらかした。まずはインの中島孝平が立ち遅れ、2コースの桐生がジカまくりでぶん流れ。3コース池田が豪快に差し抜けて「アタマ確定か」と思いきや、2番差しから凄まじい足色で池田を追い抜いてしまった。昨日同様、池田のストレートが弱すぎたとはいえ、あれほどまでに伸びるとは……。勇躍、先頭に突き抜けた3連単の配当は、あっと驚く120720円!!!! こんなサプライズが実現したのも、今日になって一変したパワーの成せる業だろう。

「ギヤケースが当たると、行き足~伸び足が激変する」

 BB誌に登場する円陣悟先生のお言葉だが、だとするなら今日の角谷49号機はまさに大当たりだったわけだ。もしかしたら、選手班長へ去年の超抜ギヤケースがプレゼントされたのかも?? なんて妄想を抱いたりしたものだが、とにかく今日のパワーなら明日以降も軽視禁物、とお伝えしておこう。

 

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 もうひとり、昨日から2日掛かりでピンピン連勝した選手がいる。久田敏之。4号艇の昨日は今垣光太郎の3カドまくりに連動してのマーク差し一撃。いわゆる展開ズッポリで、光太郎さまさまという1着ではあった。

 だがしかし、今日の10Rは同じまくり差しでもまったくの別物だ。このレースは4カドにスリットキング菊地孝平がいて、5号艇の久田には昨日と同じような展開も想定できた(←極撰予想)。で、実戦の菊地はトップスタートながらも絞るだけの勢いはなく、1マーク手前で差しに構えた。その瞬間、久田は5コースからフルスロットルで握り込み、艇団のど真ん中を突き抜けてしまった。同じ1着でも、私の脳内レースをはるかに上回る豪快な自力まくり差しだ。これで昨日から無傷の2連勝。しかも4・5号艇での20ポイントGETはメチャクチャでかい。コスパ的に言うなら、現時点で圧倒的なシリーズリーダーだな(笑)。相棒の69号機も下馬評の高い銘柄モーターだし、明日の3・2号艇で枠番以上の好成績を残すようならマジでV候補の最有力候補になるだろう。うーーーーん、ありえるかも!

 

ALL THAT 光ちゃん!

 

 気持ちがレースにまんま反映されるレーサー。その第一人者は、やはり今垣光太郎だろう。前章でも触れたが、昨日は3カドからコンマ05全速の絞めまくり。レースそのものもド迫力だったし、直前のスタート展示からして真っ赤なオーラが噴き出すような3カド発進だった。3カドと言えばレース本番だけに繰り出す奇襲としたものだが、もはや見え見えの光ちゃんだけに隠しても意味がないのだな(笑)。とにかく、スタ展から「行くぞ、行くぞ、行っちゃうぞ」という子どもみたいなオーラを撒き散らし、本当にコンマ05全速で行っちゃうところが恐ろしい。

 

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 でもって、今日の6Rは道中の攻めが凄まじかった。6コースの光ちゃんは全速でぶん回したが、展開が向かずにバック4番手あたり。先頭とは4艇身ほどの差があったはずだ。それが、2マークでまくり差しのようなターンを繰り出したら、ターンの出口で先頭争いに加わっていた。さらに2周ホームでぐんぐん伸びて1マークを先取り、あっという間の大逆転トップだ! 他艇に大競りなどがあったわけではないから、かなりミラクルな1着に見えたな。気持ちがモーターに乗り移ったような一撃ターン、みたいな。

 

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 今垣62号機は確か前々節の直前に中間整備(ギヤケース交換!)が入って気配が激変しており、「ダービーで選ばれたら注意が必要だな」と警戒していたモーターではあった。とは言え、これほどの逆転ができるほどの超抜パワーではなかったから、おそらく「中間整備×光ちゃんの卓越した整備力」の相乗効果の成せる業だろう。まさに、光ちゃんの気持ちがまんま乗り移った超抜ターンではあった。

「(チャレンジカップ圏内には)優出が条件ですから」

 勝利者インタビューでさりげなく、しかしクリクリの瞳に妖しい光を湛えてこう言った光ちゃん。昨日と今日の2着1着は、このセリフを余すところなく反映していた、と思う。うん、素晴らしい!

 

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 パワー絡みでもう何人かについて。今日の水面でバカによく見えたのは、伸び足が石野貴之と寺田千恵、ターン回りが平田忠則だった。石野はレースを見た人なら誰もが気づいたと思うが、平田の回り足~ターン出口の足はやや分かりにくかっただけに要注意。人気がないようならこっそり狙っていただきたい。

 

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 そしてそして、テラッチだ。昨日、前検でワースト級などと見立てたことを詫びたが、今日も頭を下げねばなるまい。「上位級かどうかはともかく」などと書いた昨日の文面を訂正します。はい、今日のバック直線~2マークの足は、間違いなく上位~抜群レベルの足でした!!(text/畠山、photos/シギー中尾)