BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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下関メモリアルTOPICS 2日目

万舟チェック

 下関マスターズは2日目までの24レースで8発の万舟が飛び出した。この大会は他のビッグレースとはちょいと毛色が違うので、明日への活力として全万舟の要因などを精査しておこう。

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万舟1★初日2R=⑤天野-⑥暢孝-④幸哉 19050円
 進入=16・2/453(非枠なり)
 要因=深い進入、伸び型パワー、競り展開
 短評=⑥今村暢孝のオラオラ前付けで内2艇は100m起こし。助走たっぷり②中辻博訓&④原田幸哉のセンター勢がぐんぐん伸びたが、まくった中辻は①荒井輝年と、割り差した幸哉は暢さんと火花散る競り展開に。その間に幸哉マークの⑤天野晶夫が一撃のまくり差しで突き抜けた。幸哉14号機は節イチ級の伸び足で、今後も外の艇が穴を開ける可能性が高い。

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万舟2★初日4R=①西島-④飯島-⑥今垣 11020円
 進入=15・2/346(非枠なり)
 要因=人気の盲点レーサー
 短評=①西島義則が逃げて本命決着かと思いきや、あっと驚くピンマン配当に! このレースは西島・魚谷・江口・今垣のSG複数ホルダーが鈴なりで、④飯島昌弘が人気の盲点に。さらに⑤江口晃生の前付けで5コースまで追いやられたため、配当が跳ね上がった。実戦足がしっかりしていた飯島は、2日目2R&10Rでも万舟に貢献。もうバレバレだけど「今節の台風の目」とお伝えしておこう。

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万舟3★初日8R=③今垣-⑤一瀬-②暢孝 10840円
 進入=124/356(非枠なり)
 要因=まくり屋の選手力
 短評=3度の飯よりカドが好きな③光ちゃんは、このレースも④赤岩善生のやんわり前付けで3カドが取れず。それでも赤岩と入れ替わって4カドを選択。怒りなのか嬉々としてなのかは不明だが、質の良いスタートから猛烈な絞めまくりで内3艇を叩き潰した。まくり怪獣・今垣光太郎の自作自演レース。まんま5コースから連動した⑤一瀬明との筋舟券でギリギリ万舟に。

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万舟4★2日目2R=②飯島-③海野-④三角 11420円
 進入=16・2/345(非枠なり)
 要因=深い進入
 短評=これぞマスターズの黄金穴パターン。⑥松井繁の前付けで内2艇だけが90m起こしになったところ、たっぷり助走の②飯島昌弘がコンマ07のトップSから凹んだ2艇を一気にまくりきった。鮮やかな絞めまくりだったため、2・3着も外から順繰りの2-3-4決着。飯島は初戦に続いて万舟の立役者に!

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万舟5★2日目3R=①山下-⑥石田-②平尾 13770円
 進入=123/456(枠なり)
 要因=人気の盲点レーサー
 短評=人気の①山下和彦がすんなり逃げたのに、今節2度目のピンマン配当に。立役者はもちろん⑥石田政吾で、【最近の調子がイマイチ・厳しすぎる6コース・もっとも遅い展示タイム】などが相まって1-6のオッズだけがどんどん高騰した。いざ実戦は1~2マークの大混戦を横目にバック最内からするする伸びて2着確保。典型的な1-6ピンマンパターンが瞬く間にできあがった。

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万舟6★2日目4R=④江口-①暢孝-⑥昭男さん
 進入=14356/2(非枠なり)
 要因=深い進入&いぶし銀の出足達人
 短評=このレースは前付け屋が3人揃ったからさあ大変。④江口&⑥吉川昭男のオラオラ前付けに①暢孝のみならず③寺田千恵、⑤上平真二も抗戦して5対1の超変則隊形となった。特に内4艇はほぼ80m起こし! で勝機十分と思われた単騎ガマシの②佐藤大介がさほど伸びなかったため、スリット~1マークは80mヨーイドンの出足勝負に。こうなると百戦錬磨のイン屋トリオに分があり、差した江口~先マイ暢孝~最内差しの昭男さんがバックで力強く抜け出した。「大ベテラン、みんなが深けりゃ怖くない」と言ったところか(笑)。

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万舟7★2日目10R=③角谷-⑤辻-⑥飯島 73710円
 進入=123/456(枠なり)
 要因=まくり屋の選手力
 短評=ここで特大のロングショットが勃発。立役者は④平尾崇典で、今節はまださほど伸びないながらもコンマ02から強引な絞めまくり。玉突き状態の中で圧倒的人気の①徳増秀樹がマイシロを失い、代わって「平尾に抵抗しながら先まくり③角谷健吾~平尾マーク⑤辻栄蔵~無欲の最内差し⑥飯島」という人気薄トリオがわらわらとバックで上位を独占した。カドから絞めまくりを得意とする今垣、平尾は、やはり今節も怖い存在だった。今日はインから叩かれた徳増も同類のひとりだけに、明日以降のリベンジまくりを警戒しておきたい。3着の飯島は3戦すべて万舟決着。今節の穴党のMVPは2日目にしてほぼ決まったかも??

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万舟8★2日目12R=④魚谷-①瓜生-②幸哉
 進入=123/456(枠なり)
 要因=不明。瓜生の機力ダウン、または魚谷のパワーアップ?
 短評=すいすい逃げる①瓜生正義→4カドから差した④魚谷智之の大本命決着と思った矢先、2マークの旋回で両者の体が入れ替わった。瓜生の足は直線主体に上位レベルに見えるが、昨日のターンもやや頼りなかったし出足系統に不安があるのかも。この逆転万舟に関しては要因パターンなどを特定できない。とにかく76期のワンツースリー決着で、配当が1220円だったはずが12220円に跳躍。まさに「裏目万両」と呼ぶべきレースではあった。

 以上、8本の万舟を振り返ったが、ここからどんな傾向と対策を得るかは読者にお任せしよう。主なキーワードは「非枠なり」「深い進入」「伸び型モーター」「人気の盲点レーサー」「まくり屋の選手力」「競り展開」で、明日以降もこれらの要因が波乱を生み出す原動力になるはず。他では「強い風」「準優ボーダー勝負駆け」、さらに5日目あたりからは「A級勝負駆け」というファクターも舟券推理に加わることになる。穴党にとっては楽しい日々だと思うのだが、どうだろうか。

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 最後に、2日目までの私なりの機力評価も添えておきたい。

独断パワー診断

寺田千恵 S【出SS・直A】
原田幸哉 S【出A・直SS】
吉川元浩 A【出A↑・直A】
辻 栄蔵 A【出A・直A↑】
山下和彦 A【出A・直A】
西島義則 A【出S・直B】
浜野谷憲吾 A【出A・行A】
魚谷智之 A【出A↑・直A↑】
飯島昌弘 A【出A・直A】
瓜生正義 A【出B+・直A+】

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 今日のところは、この10人をフューチャーしておく。S指名はふたり。11Rの寺田千恵64号機の鬼気迫る追い上げを見る限り、ターン回り~出口の押し足はやはり節イチ級と確信している。それから、もうバレバレだがスリットからぐんぐん出て行く直線足のトップは原田幸哉14号機で決まり! 強引な絞めまくりは少ないタイプではあるが、常に自力まくり&マーク選手の台頭は警戒しておきたい。

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 あ、それからそれから、今日も野中義生さんは6着だったけど、レース内容は昨日とは雲泥の差。ピット離れはしっかりしてたし、道中の競り合いでも小気味いいまくり差しで「あわや4着!?」という見せ場を何度も作った。明日以降、展開ひとつで舟券に絡む可能性は低くない、とお伝えしておきたい。穴党のためにも頑張ってね、義生さん!!(photos/シギー中尾、text/畠山)