BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

下関チャレカTOPICS 4日目

THE勝負駆け①予選トップ争い

熾烈な一騎打ち

 

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 予選トップ争いという意味では、今日の11Rが天下分け目の天王山だ。篠崎仁志、井口佳典、毒島誠……昨日までの暫定トップ3が一同に集結。このレースの結果次第で、シリーズリーダーが決まる可能性は極めて高かった。で、毒島以外の2選手は2回走。11Rの毒島が断然有利な1号艇なだけに、前半戦で少しでも貯金を作っておきたかったのだが……3Rの井口は6号艇6コースを克服しきれず4着止まり。さらに6レースの仁志は2号艇の好枠を生かしきれず、よもやの6着大敗を喫した。

 

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 果報は寝て待て。このライバルたちの躓きで、暫定トップに返り咲いたのが毒島だ。11Rはさらに楽な立場になったわけだが、ワンサイドという状況でもない。それぞれの条件を簡潔に記しておこう。

①毒島=40点/逃げきれば文句なし。②着でも井口に先着すればトップ。

②井口=39点/勝てば文句なし。②着でも毒島・仁志に先着すればトップ。

⑤仁志=37点/①着で毒島が③着以下ならトップ。

 それぞれさらに下の着順でもトップはありえるのだが、枠番とパワー的にこの範囲内で決まると思われた。ちなみに、賞金16&17位の広島コンビは、すでにGP当確の井口をこっそり応援していたことだろう(笑)。

 

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 いざ本番、モノを言ったのはやはり枠番の強みだった。トップスタートからイン毒島が先マイし、2コース井口が渾身の差し。ターンの出口で後続は千切れ、バック直線は完全にふたりの一騎打ち。毒島が自慢のレース足で一気に突き放すかと思われたが、井口の舳先が粘り強くつきまとう。

 入るか、振りほどくか。

 テイルトゥノーズの一騎打ちは、わずかにストレート足が強めだった毒島に軍配があがった。井口にもうひと伸びあれば、2マークを先取りして広島勢を喜ばせたことだろう。

 

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 1着・毒島、2着・井口、4着・仁志。

 自力でポールポジションをゲットした毒島があと2回逃げきれば、久々のSGタイトルと住之江GPの招待券を同時に受け取ることになる。準Vなど優勝戦の上位着でもGPは濃厚だが、毒島の脳裏にそんなチマい計算は存在しないだろう。このまま優勝して、あわよくばトライアル2ndへ、そんな野望が渦巻いているはずだ。ついでに言わせてもらうと、私の中にも「前検◎のSG3連覇」という野望も。ムフフフフ♪

 

THE勝負駆け②準優ボーダー争い

あの男が残った!!

 

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 まずは賞金ランク16位vs17位でシノギを削る広島コンビの話題から。今日は4Rの賞金16位・前本泰和、6Rの同17位・辻栄蔵ともにキッチリ逃げきったが、GP戦線としてはくっきり明暗が分かれた。前本は残念ながら予選敗退、辻は転覆のビハインドを克服して見事に予選突破。優勝戦までに是が非でも16位を確保しておきたいふたりにとって、この差はあまりにもでかい。一般戦回りでコツコツ稼ぐしかない前本を尻目に、準優から賞金を大幅アップできる辻が最終日で逆転する可能性はかなり高いだろう。

 

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 ただ、辻が準優⑥着~選抜B戦⑥着だったりすると、加算される賞金は50万円で前本を超えることはできない。辻としては最低でも選抜B戦の③着あたりが必要だし、前本の方はそのハードルを少しでも上げるべく奮闘するに違いない(残り3走が①①①と⑥⑥⑥では40万円近い開きがある)。

 また、どうせ辻が追い抜くとするなら、当面の敵の篠崎仁志や毒島誠を蹴散らして優勝すればそれが前本の助け舟になる可能性もある。そのあたりの賞金の変動は非常に複雑かつ興味深いところだが、準優の結果を待ってから考えるとしよう。

 

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 さてさて、毎年のことだが今日のSGチャレカ勝負駆けも1レースごとに予選脱落者が増えていった。峰竜太や森高一真などのGP当確者はまだしも、GP圏外の選手にとってはWパンチの痛手となる。

 2RではGP常連とも言うべき篠崎元志が4着に敗れ、チャレカ準優&GP進出に赤信号が点った。今年は全般的にリズムもモーター抽選運も悪く、忸怩たる1年と言えるだろう。それでも、後半8Rはインコースからコンマ02まで踏み込み、影をも踏ませぬ豪快なイン逃げを決めた。どんな状況でも凹まず腐らず、ひたすら全力で勝ちに行く。そんな男気が篠崎元志という男の最大の魅力であり、だからこそ来年は必ずリベンジを果たすことだろう。

 

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 3Rでは、昨日の時点ですでに絶望的だった今垣光太郎もインコースから……踏み込みすぎた!! まさかのフライング。平和島ダービーで頑張って頑張ってこのチャレカの権利を手に入れた光ちゃんだが、待機行動違反ありフライングあり、最悪のシリーズになってしまった。せめても、予選の勝負所で十八番の3カドアタックを見たかったなぁ(涙)。

 

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 一方、準優の権利とGP進出へのさらなる夢をゲットした選手も多い。もっともド派手に勝ち上がったのは、3Rの山田康二だろう。光ちゃんがフライングをやらかしたバック直線、勝ちパターンに持ち込んだのは王者・松井繁だった。山田は松井の3艇身ほど後方で、2着がやっとの態勢に見えた。が、松井が2マークを旋回した瞬間、全速のツケマイアタック。これがものの見事に決まって、一気に王者を追い抜いていた。松井にとってはまだ前を走っている今垣(Fに気づいていなかった)の引き波が災いしたとも言えるが、それにしても思いきりのいい強ツケマイだった。この貴重な10点でボーダーどころか予選3位まで飛躍したヤマコー。ダービーの深川に続いて「ガバいSGサプライズV」がありえるかも??

 

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 メイチのボーダー勝負駆けという意味では、ワースト級のパワーに苦しみ続けている田村隆信がMVPか。初日から交換した部品は数知れず、それでもほとんど上積みが得られず今日もピストン・リング・シリンダーケースのセット交換で①着勝負駆けに臨んだ。そして、怒涛のイン逃げ。しかもスリット付近の行き足から1マークのターン回り&出口のレース足から、昨日までとは別物の足色に見えた。私の見立てが当たっているとするなら、明日はメチャメチャ不気味な存在とお伝えしておく。準優6号艇の田村。この響きだけで、十分に不気味なのだが……。

 

賞金ランキング

 

1石野貴之▲10870万円…2nd確定 

2峰 竜太 10858万円…2nd確定

3白井英治 9503万円…2nd確定

4桐生順平 9269万円…2nd確定

5寺田 祥 8652万円…2nd確定

6松井 繁 7490万円…GP確定

 …………

7井口佳典 7476万円…GP確定

8茅原悠紀 7276万円…GP確定

9菊地孝平 7013万円…GP確定

10魚谷智之 6591万円…GP確定

11深川真二▲6574万円…GP確定 

12原田幸哉▲6286万円…GP当確 

13田中信一郎6227万円…GP当確

14中田竜太(帰郷)6032万円…GP当確

15森高一真 5987万円…GP当確

16前本泰和 5723万円…一般戦で加算あるのみ。

17辻 栄蔵 5657万円…優出完走当確、それ以外は?

18坪井康晴▲5549万円…ひたすら相手待ち 

 ――――

19篠崎仁志 5369万円…準V当確、優出③~⑥か選抜A①~③か選抜B①で?

20毒島 誠 5274万円…準V当確、優出③~⑥か選抜A①で?

21新田雄史 5084万円…優勝確定、優出②~⑥で?

22湯川浩司 脱落

23前田将太 脱落

25岡崎恭裕 4734万円…優勝確定、準Vで?

27篠崎元志 脱落

28吉田拡郎…優勝のみ

29丸岡正典…優勝のみ

30今垣光太郎…脱落

31石渡鉄兵…脱落

32中島孝平…脱落

33山崎智也…優勝のみ

35守田俊介…脱落

37片岡雅裕…脱落

39秋山直之…優勝のみ

40田村隆信…優勝のみ

42小野生奈…脱落

45山田康二…優勝のみ

48三井所尊春…脱落

※千円単位から切り捨て。▲印はチャレカ休み。優勝条件選手は金額を割愛します。

 

女子賞金ランキング

 

1小野生奈▲SGチャレカ参戦中 3874万円

2長嶋万記 3698万円…クイクラ確定

3遠藤エミ 3448万円…クイクラ確定

4寺田千恵 2914万円…クイクラ確定

5松本晶恵 2879万円…クイクラ確定

6山川美由紀2744万円…クイクラ確定

7細川裕子 2720万円…クイクラ確定

8海野ゆかり2700万円…クイクラ確定

9平高奈菜 2661万円…クイクラ当確

10川野芽唯 2608万円…クイクラ当確

11樋口由加里2421万円…一般戦&できれば選抜戦で稼ぎたい

12田口節子 2419万円…準V確定、それ以外は?

 

 ――――

13三浦永理 2284万円…ほぼ脱落

14日高逸子 2250万円…優勝確定、優出完走で?

15竹井奈美 2185万円…優勝確定、優出完走で?

17岸 恵子 2119万円…優勝当確

18谷川里江 2094万円…優勝で?

19大瀧明日香2089万円…ほぼ脱落

20守屋美穂 2059万円…ほぼ脱落

21山下友貴 2044万円…優勝で?

22中村桃佳 1993万円…優勝で?

※千円単位から切り捨て

 

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 今日の女子チャレカのMVPは文句なしの細川裕子! 5Rは2コースからズッポリの差し抜け、返す刀で最終12Rは3コースから豪快なまくり差し。2日目の2コース差しも含めて、節間に差しハンドルを3発も突き刺したのは天晴れの一語。「細川と言えば2コースでも6コースでもまくり」が定番のキャッチフレーズだが、今節の裕子は一味も二味も違う。機力への信頼と、心身ともに充実している証だろう。今年の女子チャレカの頂点に立つのは、ボーダー圏外の選手には申し訳ないが「細川か海野か遠藤の中の誰か」だと思う。そして、準Vなどで圏外から這い上がる選手がいるとすれば、もちろんグレートマザーが最有力候補だ。

それから、今日は樋口由加里が2着、田口節子が4着で再び11位と12位が入れ替わった。しかも田口はこの4着で予選6位に後退。明日の成績次第で予選落ちなんてことになったら、岡山コンビの“仁義なき戦い”はさらにヒートアップするかも??(text/畠山、photos/シギー中尾)