BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

下関チャレカ 準優ダイジェスト他もろもろ

値千金の2着

 

9R

①山田康二(佐賀)

②篠崎仁志(福岡)

③田中信一郎(大阪)

④丸岡正典(大阪)

⑤吉田拡郎(岡山)

⑥菊地孝平(静岡)

 

f:id:boatrace-g-report:20180102154511j:plain

 

 平和島・深川フィーバーの継続なのか、佐賀の山田康二がSG初優出を決めた。コンマ08の絶妙なスタート、まくらせない差させない完璧なインモンキー、非の打ちどころのないイン逃げだった。明日はSG初優勝&大逆転のGP進出という“チャレカドリーム”を懸けてファイナルに挑むことになる。峰&深川のSG初Vパワーが、どこまで背中を押してくれるだろうか。

 

f:id:boatrace-g-report:20180102154524j:plain

 

 2着は5艇が殺到した大混戦の2マークをズッポリ差し抜けた仁志。この2着はSG初優勝への望みをつなぐとともに、暮れの住之江グランプリへの可能性を飛躍的にアップさせた。明日、無事故完走で現在18位の坪井康晴はもちろん、暫定16位の前本泰和まで追い抜くことになる。それでもまだ当確とは言いきれないのだが。坪井は事実上の落選と言っていいだろう。このレースで3着だった拡郎、4着だった丸岡も今年のGPの夢を絶たれた。

 

王者へのスナイプ

 

10R

①井口佳典(三重)

②桐生順平(埼玉)

③白井英治(山口)

④岡崎恭裕(福岡)

⑤山崎智也(群馬)

⑥辻 栄蔵(広島)

 

f:id:boatrace-g-report:20180102154537j:plain

 

 井口のインモンキーに一分の隙もなかった。コンマ13のトップスタートから貫禄の圧逃劇。久々のSG戴冠を視野に入れるとともに、賞金6位・松井繁の背中にひたと近づく貴重な1勝でもあった(結果的にほぼ王者超え当確)。

 2着は桐生が冷静に差しハンドルを入れて、これまた順当な1-2決着。明日の桐生は今年2つ目のSGタイトルを狙いつつ、石野や峰を超えての賞金トップへのチャレンジとなる。

 

f:id:boatrace-g-report:20180102154553j:plain

 

 そして……早々に1-2態勢が固まった先団から目を離し、私は5番手をひた走る辻の姿を見つめていた。4番手の白井に必死に食らいつくが、また引き離される。それでもまた食らいつく。選抜A戦とB戦では賞金が倍ほども違う。同県の先輩・前本泰和を追い抜き、安全圏に近づくための追撃。あるいは、ちょっぴり複雑な気持ちで白井の背中を追っていたかも知れない。このレースでは智也と岡崎がGP戦線から離脱した。

 

王手飛車獲り!

 

11R

①毒島 誠(群馬)

②寺田 祥(山口)

③新田雄史(三重)

④松井 繁(大阪)

⑤秋山直之(群馬)

⑥田村隆信(徳島)

 

f:id:boatrace-g-report:20180102154608j:plain

 

 準優の中でもっともイン選手を脅かしたのが、毒島絶対ムードのこのレースだった。新田の渾身のまくり差し。寺田が差しハンドルに構えるよりも早く、新田は握り込んでいた。その舳先は、鋭角な放物線を描いて毒島の内をえぐる。

 入ったか!?

 一瞬だけそう見えたが、そこから突き抜けるだけのパワーが足りない。わずかに舳先を擦っただけで、そこからは一気に突き放された。あとはもう毒島の一人旅。独走しても全力疾走を心掛ける毒島は、1分46秒0という猛時計でゴールへ駆け抜けていた。凄い。

 SG制覇とGPへの王手。明日、毒島がもう一度だけ逃げきれば、その両方を鷲掴みにする。その可能性はもちろん高い。GPに関しては準Vで当確ランプが点るが、もはやそんな卑小な計算をする立ち位置ではなくなった。

 

f:id:boatrace-g-report:20180102154625j:plain

 

 2着の新田は、毒島よりワンランク下の賞金21位。明日は②着以内なら文句なしの当確だが、③着以下なら辻、前本、仁志、毒島との入り組んだ賞金争いになる。6号艇という遠い枠だけに、それらを視野に入れての戦いになるのかもしれない。

 このレースでは、秋山と田村がGPの夢を閉ざされた。今日もキャブレターとキャリアボデーを交換するなどパワーアップに尽力した田村だったが、6日間に渡る不断の努力は実らなかった。

 

賞金ランキング

 

1峰 竜太 10875万円…2nd確定

2石野貴之▲10870万円…2nd確定

3白井英治 9526万円…2nd確定

4桐生順平 9306万円…2nd確定

5寺田 祥 8670万円…2nd確定

6井口佳典 7525万円…GP確定

 …………

7松井 繁 7518万円…GP確定

8茅原悠紀 7295万円…GP確定

9菊地孝平 7032万円…GP確定

10魚谷智之 6621万円…GP確定

11深川真二▲6574万円…GP確定 

12原田幸哉▲6286万円…GP当確 

13田中信一郎6247万円…GP当確

14中田竜太(帰郷)6032万円…GP当確

15森高一真 6003万円…GP当確

16前本泰和 5751万円…一般戦で加算あるのみ。

17辻 栄蔵 5678万円…選抜B戦の結果次第で?

18坪井康晴▲5549万円…ほぼ脱落

 ――――

19篠崎仁志 5407万円…ファイナル③当確、④~⑥で?

20毒島 誠 5322万円…ファイナル③当確、④~⑥で?

21新田雄史 5122万円…ファイナル②当確、③~⑥で?

22湯川浩司 脱落

23前田将太 脱落

25岡崎恭裕 脱落

27篠崎元志 脱落

28吉田拡郎…脱落

29丸岡正典…脱落

30今垣光太郎…脱落

31石渡鉄兵…脱落

32中島孝平…脱落

33山崎智也…脱落

35守田俊介…脱落

37片岡雅裕…脱落

39秋山直之…脱落

40田村隆信…脱落

42小野生奈…脱落

45山田康二…優勝のみ

48三井所尊春…脱落

※千円単位から切り捨て。▲印はチャレカ休み。優勝条件選手は金額を割愛します。

 

 賞金ランキングで大きな変動がふたつ。まず、昨日まで1位の石野と同2位の峰が入れ替わった。同4位の桐生が優勝すれば2位の選手が3位に降格するため、峰にとっては「GPトライアル2ndの1号艇当確」の入れ替わりと言えるだろう。

 また昨日まで6位の松井と同7位の井口が入れ替わった。井口が優勝戦完走でさらに引き離すため、松井の6位以内の可能性はほぼ消滅した。井口は③着以内で6位以内が確定、④着以下なら毒島か仁志が優勝した場合に追い抜かれる。井口にとって優勝争いはもちろんのこと、毒島や仁志が先頭の場合は③着争いにも重い価値が生じることになる。

 さてさて、前本・辻・仁志・毒島・新田による残り3議席の争いは、すべての場合分けを記すのはあまりにも複雑だ。簡潔に記すと、もっとも有利なのは仁志で「①山田②新田③毒島」という組み合わせ以外なら完走当確。自力で言うなら「毒島と仁志は③着当確、新田は②着当確」で、そうでなかった選手たちはもう、しっちゃかめっちゃかの争いになる。詳細は例によって「ひまひまデータ」さんをご覧いただきたい。明日の日中、時間に余裕があれば前本や辻も含めたそれぞれの勝負駆け条件を紹介したい。

 

女子賞金ランキング

 

1小野生奈▲SGチャレカ参戦中 3885万円

2長嶋万記 3713万円…クイクラ確定

3遠藤エミ 3466万円…クイクラ確定

4寺田千恵 2922万円…クイクラ確定

5松本晶恵 2894万円…クイクラ確定

6山川美由紀2758万円…クイクラ確定

7細川裕子 2726万円…クイクラ確定

8海野ゆかり2707万円…クイクラ確定

9平高奈菜 2669万円…クイクラ当確

10川野芽唯 2613万円…クイクラ当確

11樋口由加里2427万円…一般戦で稼ぐのみ

12田口節子 2422万円…一般戦で稼ぐのみ

 ――――

13三浦永理 …脱落

14日高逸子 2262万円…ファイナル②着確定

15竹井奈美 …脱落

17岸 恵子 …脱落

18谷川里江 …脱落

19大瀧明日香 脱落

20守屋美穂 脱落

21山下友貴 脱落

22中村桃佳 1993万円…優勝しても……

※千円単位から切り捨て

 

f:id:boatrace-g-report:20180102154645j:plain

 

 やはり、ボーダー圏外で暮れのクイクラに望みをつないだのは……グレートマザーだった。④着勝負駆けだった今日の4R、3号艇の日高はあっと驚く3カドアタック!! さすがの肝っ玉母ちゃんだ。が、S勘が合わずにスリット直前でガクンとアジャスト、結果的に奇襲は無意味だったが焦らず騒がず、1マークは的確な捌きで2番手を獲りきった。お見事! この2着でポイントもグンとアップ、最終的に予選2位まで上り詰めていた。田口がFに散って賞典除外になったため、明日のファイナルの勝負駆けは単純明快、「②着以内でクイクラ確定、③着以下なら脱落で岡山コンビが残留」になる。大逆転でクイクラのチケットを手にできるか。明日も稀代の女勝負師から目を離せませんな。

 

f:id:boatrace-g-report:20180102154657j:plain

 

 ボーダー圏外からもうひとり、中村桃佳も厳しい勝負駆けをクリアしてファイナルに駒を進めたが、たとえ優勝しても岡山コンビには届かない。それでも、女傑王国・讃岐のニューヒロインはガチで天辺を狙いに行くだろう。無欲で戦えるのが逆に怖いな。

 

f:id:boatrace-g-report:20180102154717j:plain

 

 さてさて、岡山コンビの仁義なき戦いは、「悪くても選抜戦入りか」と思われていた田口がFを切ったためにまさに大混戦。明日はともに一般戦の第5R(⑤樋口vs⑥田口)で暫定11位=クイクラ当確の座を競い合う。今日までの賞金差は、樋口が5万円ほどリード。明日の樋口は「②着以内で当確&田口が③着以下でも当確」とかなり有利な状況だ。田口から見ると「自分が①着&樋口が③着以下、自分が②着&樋口が⑤着以下」とハードルが高い。明日は6コースから一撃のまくりもありえる?? もちろん、ファイナルの日高が③着以下なら、その時点で岡山コンビのクイクラ行きが決定するのだが。(text/畠山、photos/シギー中尾)