9~10Rになると、装着場では圧倒的にグランプリ組の姿が目に飛び込んでくる。これから戦いを迎え、調整や試運転に余念がない1st組。やはり調整に励み、11Rと12R発売中に行なわれるスタート練習とタイム測定に臨む2nd組。さすがにシリーズ組の姿は、ちらほらと見かける程度だ。
そんななかにあって、頻繁に見かけたのは、まず小野生奈と遠藤エミの女子コンビ。こう書けば、女子戦ファンや当欄をご覧いただいてきている方は想像がつくと思うが、最後まで試運転をしていた二人、である。SGだろうと女子戦だろうと、夏だろうと冬だろうと、彼女たちは変わることなく走り続ける。今節は苦戦気味の彼女たちだから、もろもろ模索しつつの試運転でもあるだろう。そのかたわら、スタート練習を終えてボートを引き上げる2nd組のエンジン吊りにも大貢献。八面六臂の終盤戦なのであった。あと、池上カメラマンが目撃したのだが、二人で大相撲住之江場所を繰り広げていたとか。水面に寄り切り、とかには気を付けてね。
もう一人、長田頼宗もほぼ同じタイミングまで試運転を繰り返していた。長田が記者さんに「身体は大丈夫だけど、エンジンが大丈夫じゃないです」なんて話していた声が耳に入ったが、さよう、長田は今日、転覆を喫している。後続が乗り上げるような危ない展開だったので、身体の容態もおおいに気がかりだったが、こちらはひとまず問題なし。ただし水没したエンジンには影響があったようで、転覆後は整備と試運転に忙殺されたというわけだ。今日の努力が少しでも明日につながることを願いたい。
あとはやはり、羽野直也、仲谷颯仁の福岡ルーキーズの姿がよく見かけられた。新兵仕事もあるし、2nd組のエンジン吊りもあるし、最も忙しそうにしているのが彼らであるのは当たり前の光景である。これから何度もSGに参戦するようになるはずの彼らが、同じように頑張っているのは、しばらくはお馴染みのシーンになるだろう。ただし、彼らは今、グランプリという舞台にいる。住之江のピットを駆けずり回りながら、得られるものはきっと大きい。間近で見るグランプリにおおいに触発されてほしいところだ。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)
11Rのスタート展示、原田幸哉が6コース回りになった場面を、この二人が並んで、ニコニコしながら見ていました。愛弟子と現支部の後輩。イトコみたいなもんですかね。