東京での所用を終えて、本日よりびわこに帰還しました。節の途中からのピット取材は、なんだか緊張する。前検取材はしているとはいえ、前検日とレースが始まってからでは選手の表情も違ってくる。だからなんとなく脈拍数が高くなるのだ。
そんな緊張を和らげてくれたのは、瀧川千依。昨年12月に桐生で一緒にイベントを行なった縁があり、今朝の出会い頭に瀧川のほうから声をかけてくれたのだ。屋外ステージで行なったトークショー。桐生の寒空に響いた瀧川の美声を思い出す(エヴァンゲリオンの主題歌をアカペラで歌ってくれたのだ)。瀧川選手ありがとう。冷静にピットを眺める余裕ができました。
前乗りした昨夜、池上カメラマンが話していたことを思い出す。「長嶋万記と向井田真紀って何かつながりがあるんですかね?」。昨日のレース後、向井田が長嶋にアドバイスを受けていたというのだ。静岡と広島。たしかに親しい理由は謎である。
ピットを見回すと、長嶋と鈴木成美が話し込む姿。これは普通の光景。静岡同士だ。
2R後、宇野弥生に寄り添う長嶋。これも同地区だし、仲良さげな様子は何度も見ているし、当たり前の光景。
おっと、島田なぎさとも真剣な表情で話し込んでいるぞ。静岡と埼玉。ようするに、長嶋は支部を超えて慕われているということか。若い選手も多い今節、長嶋と他選手との絡みについては、ちょいと追っかけてみよう。
その2Rを勝った倉持莉々。明日発売のBOATBoy4月号、インタビューで登場しています! と宣伝を一発かましたところで、僕が東京にいる間に大活躍の莉々である。2Rイン逃げで今節3勝目。準優当確。昨年のレディースオールスターでは3連対に一度も絡めなかったのが嘘のような成績だ。1年でここまで成長するとは。ピットに戻り、廣中智紗衣に声をかけられて、笑みが浮かぶ。
でも、負かした先輩たちにはニコニコと声をかけるわけにはいかない。いち早く装備をほどいて、神妙な顔で先輩を待ち受け一礼。勝負の世界であっても、礼節を重んじるのがボートレーサーたちである。
負かした相手が後輩だろうと、やっぱり気遣いをみせるボートレーサーたち。1Rを逃げ切った樋口由加里は、接戦となった浜田亜理沙に対して、丁寧に頭を下げていたのだった。樋口は102期。浜田は104期。ボートレースのレース後らしい光景なのだった。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)
2R後、3着に敗れた落合直子に香川素子が寄り添う。落胆も見える落合は、香川先輩の言葉に癒されたかも。