BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――朝から勝負駆け!

 

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 1Rから勝負駆け! ということで、ボーダー6・00想定だと3着2本勝負だった今村豊が、オープニングを見事に逃げ切った。これで後半は5着勝負と、条件はグッと楽になっている。そうした得点状況とは別に、逃げ切りを決めた今村はとにかくゴキゲン! ピットに戻ると、出迎えた後輩たちに笑顔を向けている。陸に上がると、出た! ミスターのマイブーム、にゃんこスターポーズ! 今日は重成一人がつき合わされて(?)、競演状態なのであった。

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 一方、ピンピンで相手待ちだった篠崎仁志は2着。連勝でもボーダーに届かないという状況ではあるが、それでも勝っておかなければ先はない。それは仁志も重々承知、というところで、仁志の表情はどうしたって明るくはならなかった。すでに書いたが、仁志はボクシング通で、今日は井上尚弥のタイトルマッチ。井口佳典と一緒に見る約束なわけだが、本当はいい気分で観戦したかったところ。今日は井上のの爽快なパンチでストレス発散を!

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 2R、この1号艇はなんとかモノにしたかった長嶋万記だが、山崎智也のまくりを浴びてしまった。それでも3着によく残した、というべきなのだが、この敗戦はやはり痛く、表情は晴れなかった。控室では、難しい顔つきでスリット写真に見入る姿も。1艇身行ってるんだから、やっぱり悪くないのだが……。それでも、後半に望みはつながっている。沈められて終戦という事態を免れたことを、ポジティブに捉えて11Rに向かってほしい。

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 長嶋をまくった智也は、柔らかい表情でJLC解説者の廣町恵三さんと話し込んでいた。廣町さんはもちろん取材、ということなのだが、この二人は師匠と弟子、である。廣町さんにとっては嬉しい取材だろうし、智也にとっては心強い師匠の言葉ということになるだろう。智也はこれで6・00には届いた。後半はさらに大きなチャンスを引き寄せるための戦いになる。

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 勝負駆けの面々は、早くから調整や試運転で準備に余念がない。10R1回乗りの赤岩善生も、凛々しい顔つきを見せつつ、己の調整を続けている。1着条件という厳しいものではあるが、おそらく機力アップを成功させたことの充実感もあるのか、時に柔和な表情を見せたりもしていた。結果はどう出るかわからないが、いい雰囲気である。

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 平本真之は11R1回乗り。それでも1R発売中から試運転をしている姿があった。3着条件だが、もちろん予断は許さない。尼崎オールスターの前回覇者として、悔いなき戦いに挑みたいところだ。昨日は不運な後退を喫した新田雄史も、9R1回乗りながら、入念に作業を続けていた。昨日までと同様に物静かな感があるわけだが、これは新田流の集中力があらわになっているもののように、今日になって思えたのだった。その集中力は、レース直前になれば気合に変換されるだろう。

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 付け加えておくと、気合が入っているのは、勝負駆けが終わってしまっている選手たちだって同様だったりする。たとえば、下條雄太郎も朝から精力的に動いているし、坪井康晴も懸命に作業をしていた。石野貴之など、勝負駆けに臨む直前かと思ってしまうほど、凛々しい表情で動いている。勝負駆け組と、そうではないが負けたくない選手たちが絡み合う、予選最終日。混戦模様の今節、抜け出すのは誰だ!(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)