BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――激しく、そして怪我なく!

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 10Rで齊藤仁が振り込んで落水。池田浩二がこれに乗り上げるかたちで転覆した。齊藤は妨害失格となっている。齊藤、池田ともにかなりヒヤリとしたシーンだったが、幸いにも二人ともケガなし! ボートの引き上げにはふたりとも元気に参加している。齊藤が池田に歩み寄って詫びる場面もあったが、池田は明るい表情で応えていた。大事な大事なスーパー勝負駆け、怪我がなかったのが何より! 池田は転覆でポイントを加算できずともすでに準優当確。もっと上位を狙えたと考えれば痛いが、まだ充分勝負できる位置にいるのもたしか。あとは水をかぶったモーターに悪影響が出なければいいのだが。

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 11Rでも危ないシーンがあった。中里優子がやはりキャビって、大きくバランスを崩したのだ。転覆は免れたが、山川美由紀と今井美亜と接触しており、身体の状態は気遣われた。ピットに戻ってきた中里は、少し体を痛めたようにも見えたが、特に足を引きずったりすることもなく、すぐに他選手に頭を下げに行っている。特に、山川と今井にはいち早く足を向けていた。山川は軽く右手を挙げ、今井は明るい顔で会釈を返して、それに応じていた。どの選手にも怪我がなくてよかった!

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 11R発売中、レスキューの係の方たちが大慌てで走り出すのが見えた。レスキューに乗り込み、エンジン始動。1マーク奥の事故灯も点灯していた。水面を眺めると、大山千広が立ち往生。エンストしたのだろう、何度もスターターロープを引くが、エンジンはウンともスンともブルンとも言ってくれない。それを救助するために、レスキューが出動したのだ。レスキューが大山の艇の真横まで到達したとき、エンジンはブルルンと言った! なんとか再始動して、レスキュー曳航の必要はなくなった。自力で試運転用のピットに戻ってきた大山はもちろん怪我なし。元気いっぱいであった。
 勝負駆けの意味合いが濃くなればなるほど、レースが激しくなるのは必定。接触もあるだろうし、時には転覆等のアクシデントもある。大山のケースは少し違うわけだが、ハプニングの種は常にあちらこちらに落ちていると言っていいだろう。それだけに、選手の無事を祈りたい。レースは熱く激しく、しかし怪我なく。明日からの3日間も、さらに年末の大一番も、そう願います。

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 大山は再始動のあとボートを陸に上げなかったわけだが、12R発売中にはその大山も含めて、まだ「試」の艇番をつけたボートが数艇、係留所に残っていた。試運転可能時間は、10R発売中までとか11R発売中までとかが多く、12R発売中の試運転というのはあまり見かけないもの。12Rの展示が終わると、「試運転を開始します。4分間だけでお願いします」とアナウンスがかかって、これは特例かもしれない(明日、確認します)。そのアナウンスを待って水面に飛び出したのが、大山、平本真之、西山貴浩、そして石野貴之だ。エース機の石野がここに加わっているのは意外だが、エースパワーにさらに磨きをかけたのか、それとも今日の5着で気になるところが生じていたか。

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 表情が明るかったのは西山。どうやら気配がアップしているらしい。石野も西山を認める言葉を投げかけていたし、その西山に足合わせでやられたらしい平本は逆に表情を暗くしていたりもした。西山は何度も「ウレシーーーッ!」と声をあげていたほど。昨日まではかなり苦戦気味だったが、明るい展望が開けたか。地元SG、まだまだチャンスあり、だ。

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 その最後のエンジン吊りに、山崎智也が加わっていた。昨日は1便で帰った智也だったが、今日は残って入念な調整作業。そして、4人のエンジン吊りに率先して参加した。若手が「智也さん!?」とばかりに驚いてもいたぞ。エンジン吊りは、たまたま近くにいたから、ということになるだろうが、この時間まで残っていたということが重要。ハッキリ言って、1便帰宿の常連なのです、どこであっても。夕刻が近づいて、智也の姿を見る。スーパー勝負駆けの匂いがそこに強烈に漂っているような気がした。

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 12R、松井繁が1着。6着スタートから、暫定4位まで順位を引き上げた。出迎えた石野貴之に小さくガッツポーズ。この勝利で松井のテンションはさらに上がったことだろう。明日はもちろん、準優好枠を手に入れるため、さらに気迫の王者と化すだろう。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)