BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――さまざまな絡み

 

●本日の山口支部
 終盤の3個レースに、地元軍団3人はそれぞれ登場した。
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 10Rは、寺田祥が5コースから快勝! ピットに戻った寺田はすかっと笑った。この1着の大きさを寺田も実感しているだろう。レースは、4カドから吉川元浩がスタートを決めて締めていき、しかしイン毒島誠につかまって差しに構えたところを、寺田が一気に全速で突き抜けていくというもの。この展開を作った吉川と寺田は、肩を並べて大笑いもしていた。二人が連動したかたちでの展開なわけだから、勝ち負けの明暗はともかくとして、笑い合うのは自然なことだ。

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 11Rは、白井英治が2着。2コース差しで石野貴之の逃げに舳先をかけてはいたが、その先がもうひとつ足りなかった。前半が5着大敗で、それを少しは巻き返したけれども、課題も見つかったレースだっただろうか。というわけで、着替えを終えた白井はペラ調整所に直行。残されたわずかな時間をペラ叩きにあてていた。

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 12Rは、今村豊が4着に敗れた。今日は5着4着と一歩後退したかたちだ。レース後はいつも通りに、声をあげてエンジン吊りの仲間たちに話しかける。前半はその姿が見られなかったわけだが、後半はいつも通り。そして、白井がおかしそうにニコニコしているのもいつも通り(笑)。明日は6号艇1回乗りで、まさに正念場となった。

●師弟

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 よく見ると、今節には師弟で参戦している選手たちが何組かいるのだった。今村豊と白井英治の地元コンビもそうだし、須藤博倫と中田竜太も当欄ですでに絡みを触れている。原田幸哉と柳沢一、服部幸男と笠原亮&長嶋万記、江口晃生と毒島誠もそうなのであった。SGの中のSGと呼ばれるハイレベルな一戦に師弟で参戦できるとは凄い。本来なら、井口佳典と新田雄史、太田和美と丸岡正典、という組み合わせも見られておかしくはなかった。
 そして、峰竜太と山田康二も師弟関係にある。師匠がとびきりに若いですな。峰はF休みとかでもない限り、SGは常連中の常連。ということは、山田は出場権を掴めばほぼ、師匠と一緒に参戦できるわけである。これは心強いだろう。ペラ調整の場所も、もちろん峰の隣。今日も峰とともに、12R発売中まで懸命に向き合っていた。

●師弟じゃないけど

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 10R発売中、峰竜太と小野生奈がにこやかに談笑していた。佐賀支部と福岡支部、もちろん師弟関係にはない。しかし、ピットで顔を合わせれば、そうしたことは関係なく、特に壁のようなものはなしに語り合える。これは小野にとっては大きな大きな経験、時間だろう。長嶋万記も、SGのこうした空気が楽しいと言っていた。偉業をめざす女子選手には、ただレースで揉まれるだけでなく、陸でのすべての時間がまた自身を大きくさせるものだ。二人の間に流れる空気からは、峰も小野生奈を認めているということがはっきりと伝わってきた。

●1便

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 徳山宿舎はピットと隣接、というのは前検で書いた。開催日は10R発売後に帰宿の1便が出発。装着場に集合整列して、並んで宿舎へと帰っていく。というわけで、これが整列の模様。なかなか出発しなかったのだが、久田敏之が控室のほうへと駆けていき、戻ってくると、そのあとから山崎智也がのんびりと歩いてきたのであった。智也待ちですか(笑)。まあ、それはそれとして、個人的に興味深かったのが、江口晃生と深川真二が並んでいたこと。出発を待つ間、ずっと談笑していた。進入を盛り上げてくれる二人には通じ合うものがあるか。明日からもびしびし前付けお願いします。

●惜しい!

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 12Rの池田浩二は惜しかった。あと一伸びがあれば、桐生順平を完全に捕まえていたと思われる。池田本命のワタシの贔屓目じゃないと思う。素晴らしいまくり差しであった。
 こういう負け方は悔しいのである。舟券も同じだからよくわかる。池田に見せ場がなければダメだったか、でおしまい。しかしワタシは、ピットで目立たぬように身悶えしていた。仕事じゃなかったら叫んでいただろう。もちろん、僕よりも叫びたいのは池田自身だったはずである。ピットに上がってきた池田は、まず天を仰いだ。原田幸哉が声をかけると、ヘルメットの奥の目が一気に細くなり、眉間がシワシワに。うむ、気持ちはわかる。というわけで、僕は勝手に池田と悔しさを共有したのであった。
 まあ僕の舟券はともかく、池田らしいレースぶりだったと思う。足的な課題はもちろんあるのだろうが、ここのところSGではあまり目立てていない池田、それを脱却するだけの手応えはつかみかけているのではないか。明日の10R1号艇のレース後は、爽快に笑ってみせるだろうか。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)