１Ｒ、寺田祥が３コースから豪快なまくりで１着。「オイオイオイオイーッ！」、白井英治が嬉しそうに歓声をあげる。ピットに戻った寺田には、今村豊、そして茅原悠紀がヤジを飛ばす。白井、茅原の優出組にやいのやいのと出迎えられて寺田は、おかしそうに微笑を返した。白井と茅原はとにかくリラックスした雰囲気。優出インタビューから戻った白井とは、畠山の悪口を言い合っておおいに盛り上がったり（白井は畠山の将棋の師匠です）。もっとも白井は２Ｒ発売中にはプロペラ調整を始めている。茅原はやはりインタビューから戻ると整備室に向かって、プロペラゲージを擦り始めた。大きなペラ調整をする必要がないわけだ。
その頃、九州勢が水面を指さして笑っていた。２Ｒのスタート展示で、６号艇の深川真二がえらく深い起こしになっていたのだ。よくみれば、深川はインを獲っているではないか。これに気づいた峰竜太はあははははっと笑った。先輩のトリッキーな進入を面白がったのだ（深川は本番もインを獲って逃げ切り！）。
峰も、基本的にはリラックスしているようだが、しかし優勝戦の日によく見る緊張気味の表情もちらほら見えたりする。峰の場合、レースが迫ればいつもこんなものなので、心配するには値しないのだが。つまり、いつも通りの峰竜太ということである。
桐生順平、平本真之は、着々と調整の準備をしているといった様子。また、これは優出組だけではないのだが、最終日ということで荷造りも始めていて、今日はもう使わない見込みのペラゲージなどを片付け始めてもいた。桐生も平本も、報道陣の声かけによく応えていて、平本は爽やかな笑顔を見せていた。
吉川元浩は１Ｒ発売中にギアケースを外している。もちろんあの超抜足で大きな作業は必要ないわけで、点検や微調整だろう。すなわち、念には念を入れ、憂いのまったくない状況で優勝戦に向かおうということだ。優勝戦に乗る選手が朝にギアケース調整をしているのは、わりとよく見るものです。いわゆる外回りをしっかりチェックして、最後の仕上げに取り掛かることになるだろう。（ＰＨＯＴＯ／中尾茂幸 池上一摩 黒須田 ＴＥＸＴ／黒須田）
