BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――のぼるさんと一緒

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 JLC専属解説者の青山登さんが今日から蒲郡入り。BOATBoyに連載をもっていただいていた時期もあったり、JLCの番組で一緒だったりと、何かと接触する機会も多い。ピットでも、なんだかんだとよく話をしている。今日も蒲郡へようこそ、なんて話をしていたら、平田忠則が挨拶にやって来た。現役を引退していても、平田にとって青山さんはレーサーの大先輩だ。
 ということもあってか、「明日は1号艇のときは西山がいるし、5号艇のときは6号艇が白井英治だし」なんて苦笑しながら愚痴をこぼしていたものが、だんだんと青山さんに対してもろもろ相談するような会話になっていった。半ば私的な会話なので、内容については記さないでおくが、選手の苦悩のようなものがうかがえたし、同じような経験をしてきたであろう青山さんのアドバイスも的確に聞こえた。レーサー、とくにトップレーサーはさまざまな感情や思考を重ねつつ、高いレベルの戦いに臨む。平田のなかの霧が少しでも晴れればいいのだが。

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 それからしばらく経って、また青山さんと雑談していたら、今度は磯部誠がやって来た。最終日の翌日に選手会のチャリティーゴルフコンペがあり、青山さんも参加。地元で幹事的な役割を担っている磯部がその件について話をしに来たのだった。やがて池田浩二がそこに加わり、さらには西山貴浩までやってくる。最初は移動についての打ち合わせだったのだが(池田が青山さんを送っていくことになった)、このメンバーなのだから当然、笑いの連発が巻き起こっていく。これも相当に私的な会話なので内容は控えるが、書ける範囲で言うと、僕の健康診断の悪数値を「呑み過ぎですよ!」「今節はどこで呑んでるんですか!」と突っ込まれるという展開になったりした(笑)。今節はまあまあ控えめなんだけどなあ。

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 それにしても、この3人の当意即妙なやり取りは、まるでトリオ漫才である。いちばん年下の磯部が容赦なく池田に突っ込みを入れ、池田が楽しそうに笑ってるのだから、信頼感も大きいのだろう。それを間近で見ている時間は、なかなか楽しゅうございました。

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 10R、ペラ調整室のモニターを覗き込んでレースを観戦していたら、隣に金子龍介があらわれた。僕が持っていた出走表を覗き込み、メンバーを確認する。ふむふむとうなずいている間に、12秒針が回り出す。金龍は叫ぶ。
「石野、行けぇ~!」
 5号艇5コース発進の石野貴之に声援だ。やはり近畿地区同士のシンパシーというものがあるのだろう。石野は5コースから豪快にまくり差し、艇団を割っていく。惜しくも先頭には届かなかったが、金龍も「おぉっ」と唸っていた。
 道中、湯川浩司は3番手争い。2周2マークで吉田拡郎と競っていると、内から峰竜太がひたひたと迫ってきていた。湯川の舳先がわずかに内に向く。「ああぁぁ、締めたらアカン~、締めるな~」。なにしろ相手は峰竜太、締めたくなるのもわかるが、ここで峰と競ったら拡郎に差されるのではないか、とは僕にもわかる。金龍ならなおさらだろう。しかし湯川は峰ともつれる形になって4番手。「あぁ~」と金龍は溜息だ。湯川も同じく近畿地区。気になるのは外枠ふたり、だったわけだ。キンリューの隣でレースを見られたのは、とっても楽しかったです。

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 というわけで、取材してたのか青山さんとキンリューにおんぶに抱っこだったのかよくわからなかったわけだが、もちろん合間に(合間かよ)しっかりあちこち動いています。11R、1号艇ながら石川真二のバナレにイン獲られ、しかし2コースから差し切って溜飲を下げた白井英治のちょっと得意げな雰囲気、とか。インを獲られたのは悔しくもあったが、逆にやり返したことでテンション高めに深川真二らと話し込んでいた。カポック脱ぎ場まで追いかけていくと、着替えをする最中でも顔が誇らしげ。結果良ければすべて良し、の雰囲気は勝負師らしいものでありました。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)