BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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トライアル最終戦ダイジェスト

暫定トップの明暗(明)

11R
①池田浩二(愛知) 16
②平本真之(愛知) 10
③片岡雅裕(香川) 05
④石野貴之(大阪) 03
⑤今垣光太郎(福井)07
⑥菊地孝平(静岡) 14

 や、やはり石野88号機はタダモノではなかった。正直、スタート展示はやや凹んだ起こしでどこまで伸びたか見えにくく、展示タイムも昨日までの怪物から一転して平凡な数字になり、「本当に伸びるのかなぁ」などと疑心暗鬼になったものだ。
 だがしかし! いざフタを開けてみたらば、そんな疑心が恥ずかしいほどの伸びっぷり。スタートのコンマ03も凄かったが、カド受けの片岡とてコンマ05で抵抗。通常、おいそれと飛び越えられる隊形ではないところから、あっという間に片岡を叩ききっていた。

「ハナを切れば絶対にまくれる足なんで、まくりしか考えてませんでした」
 片岡を飛び越えてしまえば、もはや絶好枠の愛知コンビに抵抗するだけの行き足はなかった。まくり圧勝で暫定1位に浮上。12Rの茅原=1着条件に多大なプレッシャーを与える勝利でもあった。

 このまくりの影で、もっとも惜しかったのは今垣だったか。石野のまくりに連動してきっちりマーク差しを決めたかに見えたが、流れる池田らがドン突きの壁となって失速。54歳でのGPファイナルの夢はここで途絶えた。

 代わってバック2番手に立ったのは、6コースからやはり石野に連動~最内を差した菊地!! これに、態勢を立て直した池田・平本の愛知コンビが追いすがる。2マークからは3艇のすったもんだの末に平本が2番手に浮上し、人気の池田は4着に敗れた。池田にとっては、やはり石野88号機が目の上のタンコブになってしまった。

暫定トップの明暗(暗)

12R   並び順
①峰 竜太(佐賀) 17
③茅原悠紀(岡山)   18
⑤濱野谷憲吾(東京)18
②磯部 誠(愛知) 15
④馬場貴也(滋賀) 24
⑥桐生順平(埼玉)    25

 万舟3連発という不穏の住之江水面を、圧倒的人気の峰がぶっちぎりで突き抜けた。当たり前だが、やっぱ強い。強すぎる。
 待機行動では、ここも不穏な空気が漂っていた。調整にミスがあったか、磯部がスタート展示と同じくピット離れでドカ遅れ。すかさず茅原と濱野谷が絞め込んで内になだれ込み、磯部は4コースに押し出された(カドにも引けたがスローを選択。スタート勘の関係だろうか)。

 最終隊形は1352/46。ちょっと想像しにくい変則隊形になったが、スロー勢はまったく深くならず。インの峰もオレンジブイを越えたあたりで12秒針が回り出し、たっぷりの助走でスリットを通過した。
 スタートタイミングは灼熱の11Rとは裏腹に、スロー4艇が1艇身ほど余して横一線。その後の行き足もほぼ同じ見え方で、峰が悠々とターンマークを先取りしてファイナル入りを確定させた。

 一方1着ならファイナル1号艇だった茅原は、濱野谷の引き波を食らってズルリ後退。この瞬間、石野の1号艇が確定したと言っていいだろう。おそらく3コース想定だった茅原にとって、この突発的な2コースがどんな影響を与えたか。6着大敗という結果だけで判断するなら、このコース変更が災いしたと言わざるをえない。明日の茅原は6号艇。今年こそは1・2号艇あたりの好枠から10年ぶりに賞金王奪還かと思っていたのだが、今年もまたもっとも不利な枠番での戦いを強いられた。うーーーん。

 2着には3コースから豪快にぶん回した濱野谷がしっかりした足取りで後続を完封したが、1点足らずで次点に。平本、池田、磯部の愛知トリオがこぞってファイナルに進出した。枠番を記しておこう。

12R GP優勝戦
①石野貴之(大阪)
②平本真之(愛知)
③峰 竜太(佐賀)
④磯部 誠(愛知)
⑤池田浩二(愛知)
⑥茅原悠紀(岡山)