BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――気温急降下、風ピューピュー

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 寒い! 10時頃のピットの気温は6・8度。昨日の午後は15℃だったから、気温は急下降だ。しかも北風が吹き込んでくるから、体感温度はさらに低い。温暖ななかで前検を走ったトライアル組は当然、朝から調整に取り掛かるわけだ。
 本体整備は寺田千恵。12人全員がすでにモーターをボートに装着しているが、寺田のみ本体が外されていた。平和島の前検は慌ててもいいことなし、という構えで迎えた初日。気温が冷えても不満点が見つかったということか。時間をかけての調整となるだろう。

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 竹井奈美はキャブレターの調整だ。いわゆる外回りに含まれる部分。昨日のうちにプロペラを相当叩いており、今日はまず外回りから。これで試運転に出て、またどうするかを考えることになる。着実に作業を進めているというわけだ。

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 中谷朋子はギアケース調整。評判機の10号機、プロペラ調整はほとんどしないと昨日語っている。というわけで、まずはギアケースを自分のセッティングに。好モーターを手にしたこともあってか、比較的落ち着いた印象を受ける。

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 遠藤エミはプロペラ調整。屋外にある調整所で叩いており、うーん、寒そう。その叩き方がまた激しく、かなり叩き変えていると見えた。今朝の公開インタビューで、樋口由加里と合わせたら分が悪かった、と遠藤は言った。シリーズ組にやられるようでは、トライアルでの好走は望めない。今日は時間がたっぷりあるとはいえ、急ぎの調整が必須だ。この寒風を切り裂いて試運転を繰り返す姿が今日は見られるはずだ。

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 屋内のペラ調整室には日高逸子、長嶋万記、細川裕子らの顔が見える。日高は周囲の選手と笑顔で言葉を交わし合うところもあって、マイペースでの調整という雰囲気だ。百戦錬磨のベテランだけに、こうした舞台でも周囲に惑わされることなどない。やはり貫録がありますね。

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 そうそう、遠藤と中谷がSGジャンパーを着用している。長嶋もズボンはSGのもの。中谷はダービーでは着用しているところを見ていないような記憶があるのだが……。やはりSGに出場するということは、選手にとって誇りである。経験者はじゃんじゃん着てほしいし、この場ではそれがひとつの鎧ではないかと思う。SGレーサーのプライドで、大舞台を戦い抜くのだ(といっても、12人は全員がSG経験者ですけど)。

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 シリーズ組。1Rを勝ったのは原田佑実。5コースからのまくりで快勝だ。着替えを終えて自艇での作業を始めようとすると、落合直子が歩み寄って、水面を眺めながら話し込んだ。テーマはやはり風。落合が時折、吹き流し(だと思う)を指さしながら会話を交わしたりしていた。やはり強い向かい風は、今日の水面攻略の大きなカギになりそう。それを味方につけてまくった原田も、後半に向けてもう一丁、策をめぐらすことだろう。

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 それにしても、関野文が絶好調! 早くも今節3勝目である。ジカまくりにいく平田さやかを2段でまくった思い切りは素晴らしかった。原田も含めて、ピットに戻った関野を笑顔で出迎える大阪勢。さらに3Rで五反田忍が勝利。今日は朝からなにわ祭り!(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)