BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

男女準優勝戦/ピットから

11R 男子準優勝戦

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 澤崎雄哉がまくり差して先頭に立つと、ピットのモニターで観戦していた東京支部が弾んだ声をあげた。澤崎はエース機を駆るとはいえ、まだ優勝戦は未体験。今泉友吾と佐藤隆太郎のほうが実績では勝るのだし、枠も澤崎がいちばん外だ。そんななかで澤崎が先頭に立ったのだから、同支部の仲間たちは沸き立って当然。やはり地元から優出が出るのは嬉しいことだ。
 まあ、道中は笑いも起こってましたけどね(笑)。浜先真範が猛追を見せ、しかも澤崎が旋回でキャビったりするものだから、おいおいおい、大丈夫か、ってな感じの笑い。特に3周1マークはけっこうなキャビだったから、仲間たちはヒヤヒヤ。なんとか先頭をキープしたのを見届けて、エンジン吊りへと向かっている。

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 というわけで、笑顔で出迎える仲間たちに澤崎もニコニコ顔を見せた。富樫麗加はピョンピョンと跳ねて祝福。初優出を祝福する同支部の面々を目の当たりにして、澤崎は笑みを浮かべっ放しだった。

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 さらに東京支部からは今泉友吾が優出を果たした。A1経験もある格上的存在だから、澤崎に対してのようにテンションを上げているわけではなかったが、やはり誰もが今泉に笑顔を向け、今泉も柔らかい表情を返すのだった。

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 2着に敗れたとはいえ、優出を果たした浜先も山下流心らに拍手を向けられて、素直に喜んでいた。4~6着の選手もそれほどうなだれているような選手はいなかったけれども、やはり優出組のエンジン吊りはなんとも賑やかである。以前にも書いたが、江戸川のエンジン吊りは3艇ずつが空を飛んでやってくるので、1~3着が優出という今日のような準優後には、その明暗が実にわかりやすかったりするのである。

12R 女子準優勝戦

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 こちらも、東京支部の面々が沸くことになった。女子団長の栢場優子が3番手争いを演じたのだ。といっても、もちろん東京支部のルーキーズも栢場を応援。そこに団体の垣根はなかった。
 まず沸いたのはやはり1周2マーク。先行していた平高奈菜を栢場が捉え、弾き飛ばすように3番手逆転を果たした瞬間だ。それからは、平高が猛追を仕掛けるかたちになり、肝を冷やす場面の連続。旋回ごとに力が入っていた。最後は写真判定に持ち込まれたほどの接戦。ただ、モニターで見ていれば栢場の舳先が前に出ているのは明らかだったので、ゴールの瞬間には東京支部軍団は安堵の表情。疲れた表情でピットに帰ってきた栢場を笑顔で出迎えている。そんな後輩たちを見て、栢場もニッコリ!

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 対照的に、平高奈菜は顔を歪めていた。栢場には悪いが、スピードも旋回も明らかに平高が勝っていた。2周2マーク、3周2マークの渾身差しはさすが女子トップクラスと思わせた。しかし機力がまるで違った。それだけに不条理も感じただろうし、仕上げ切れなかった後悔や自責の念も生まれたかもしれない。準優敗退の6人のなかで、平高だけがとことん悔しさをあらわにしていたと言っていい。

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 勝ったのは香川素子。イン逃げ快勝である。ということもあって、淡々とピットに戻ってきてはいるが、魚谷香織に声をかけられて笑顔を見せていた。もちろん嬉しいに決まっているのである。魚谷もまた、エンジン吊りやボート洗浄の合間には笑顔満開なのであった。福岡支部からは7人が参戦、東京支部に次ぐ勢力となっていたが、優出は魚谷のみ。だから支部の仲間は一丸となって魚谷を祝福するわけである。魚谷の顔から笑みが消えないのも当然といえる。香川の場合は滋賀から単独参戦だが、他支部のレディースから声はかけられていた。レディースの場合は、明日は団体戦で一発大逆転を狙うことになるだけに、支部など関係なく声援が送られるだろう。

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 優勝戦のポイントは12。特別選抜A戦が8、B戦が4と、この3走がカギを握ることになる。特に優勝戦だ。三国では、やはりルーキーズが終始リードしながら、優勝戦はレディースが獲って(個人優勝はルーキーの上條暢嵩)結果的に31対30という接戦を演出しているのだ。もちろんルーキーとしては、なんとしても逃げ切りをはかりたいところ(明日の団体戦は、組み合わせが自動的に決まる優勝戦と選抜A戦以外は圧倒的に女子に有利な番組が組まれている!)。明日はなかなかにアツい一日となりそうだ。個人優勝のゆくえと同時に、団体戦のゆくえからも目を離してはならない!(PHOTO/池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)