BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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常滑オーシャンカップTOPICS 初日

ダービー勝負駆けに要注意!

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 毎年、この時期になると目が離せないのがダービー勝負駆け。7月末の選考期限までコンマ1ポイントを巡る熾烈なボーダー争いが繰り広げられるのだが、今節もボーダー前後の選手がいるわいるわ。主な勝負駆けレーサーを記しておこう。

ダービー勝負駆け選手の勝率(7/9現在、ボーダー7.13)
A/ボーダー圏内も背中の寒い選手
★中野次郎…7.26
★上條暢嵩…7.26
★★寺田千恵…7.24
★★木下翔太…7.24
★★石野貴之…7.24
★★魚谷智之…7.23
★★上野真之介…7.21
B/ボーダー圏外の崖っぷち選手
★★★柳沢 一…7.12
★★★重成一人…7.10
★★★濱野谷憲吾…7.07
★★★赤岩善生…7.07
★★★太田和美…7.06
★★★寺田 祥…7.06
★★★今垣光太郎…7.05
★★山崎智也…7.00
★★坪井康晴…6.98
★★丸岡正典…6.97
★★興津 藍…6.92

 ★の数は各選手のヒリヒリ度(←勝手に算定)。もちろん、どの選手も優勝するほど活躍すればまんまダービー当確になるのだが、足的に厳しい選手は「せめてもダービーの権利を!」と考えるはず。
 私の思い込みかも知れないけれど、今日のレースを振り返ると上記のメンバーで「勝負駆け」の気合を感じさせる好プレーが随所に見られた。まずは2R、ボーダー付近にいる柳沢が3コースからあまり見たことがない強引な絞めまくり圧勝。地元の気合のみならず、脳裏のどこかしらにダービーへの思いが宿っていたかも?

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 6R6号艇、重成一人の追い上げも鬼気迫るものがあった。バック6番手からターンマークごとに先行艇に追いつき追い抜き、大逆転の3着ゲット。SG(勝率2点増し)の3着は8点に相当するから、重成にとっては貴重な3人抜きだったはずだ。
 7Rの2マークはテラッチvs赤岩の凄絶な肉弾戦、8Rは6号艇の中野が気迫溢れる好旋回で3着入線、10Rはやはり6号艇の濱野谷憲吾が事故の間隙を縫ってまさかまさかの1着=30万舟=SGの歴代最高配当!!!というウルトラ大波乱の主役となった。

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 これらのレースをすべてダービー勝負駆けに結びつけるのは乱暴ではあるが、舟券予想で迷ったときには何らかの役に立つかも? この件については5日目(←各選手のモチベーションに大差が生じる敗者戦)の朝にまた触れるとして、興味のある読者は上記の面々をそれなりにチェックしていただきたい。基本コンセプトは「ダービー勝負駆けを意識するレーサーは、道中6番手でも絶対に諦めない」だ。

ツートップが好発進

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 昨日のパワー鑑定の突き合わせも含め、何人かの選手について書いておきたい。
 まず、オーシャンカップ2連覇を狙う毒島誠が上々の滑り出しを見せた。2Rは5号艇から名物「いつ飛ぶか分からないピット離れ」がちょこっと火を噴いて4カドGET。スタートが慎重で自力アタックとはならなかったが、3コース柳沢の絞めまくりにぴったり連動して危なげなく2着を取りきった。
 後半7Rの毒島は3コースから正攻法の握りマイ。イン興津藍を捕えることはできなかったが、ここも後続を寄せつけない上々のパワーで難なく2着を確保した。ゴルフに喩えるなら5号艇2着=アルバトロス、3号艇2着=バーディーってな感じで4アンダー発進。明日の10R6号艇でも舟券に絡むようなら、オーシャン連覇にグッと近づくことになるだろう。もちろん、バナレで飛ぶようならその可能性は格段にアップするので、10Rのスタート展示から大いに注目していただきたい。

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 さてさて、前検でただひとりSランクに指名した瓜生正義は、予想通りの2コース直まくりでドリーム戦を勝ち上がった。が、最大の勝因は「イン峰竜太のドカ遅れ(全速を意識して溜め過ぎたか)」で、パワー勝ちと決めつけるのは早計だろう。スリット後はむしろ峰が伸び返しているムードもあり、私が期待した瓜生57号機の行き足には及ばなかった。

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 それでも、2号艇での12点発進は大きなアドバンテージ。「今節のV戦線の中心は瓜生と毒島」という昨日の予言を覆すつもりは微塵もない。とりあえず据え置きのSランクのまま、明日の2R6号艇・瓜生がどんな実戦足を披露するか、目を皿にしてチェックしたい。

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 それから、今日のレースで目を惹いたのが桐生順平のストレート足だった。悲惨な事故と30万舟を生み出した10Rでも、その伸び足は際立っていた。あのバック直線で逃げる岡崎恭裕が桐生の舳先を振り払えば、2周1マークの事故を未然に防ぐこともできただろう。わずかなストレート足の差が、岡崎の焦りにつながった、と思う。帰郷した岡崎の詳しい容体は分からない(桐生のモーターに頭部が衝突、ヘルメットが破損して目の周辺を負傷したらしい)が、早期の快復と戦列復帰をただただ祈るしかない。
★独断のパワー番付
S級=瓜生正義
A級=毒島誠、寺田千恵、興津藍、坪井康晴、湯川浩司、上野真之介
 新たに加えたのは、毒島を寄せつけずに逃げきった興津のレース足。それから、例によってストレート足が急上昇した坪井。初日からトップ級の伸びに仕上がったのは大きな利点だし、いつもは課題の出足系統も中堅はありそうだ。今節の坪井はいつも以上に怖い、とお伝えしておく。
 前出・桐生もAに昇格させたいのだが、事故のダメージがかなり大きいかも? 穴っぽいところでは山本寛久の行き足、大峯豊の伸び足が不気味。センター筋からの一発大駆けを常に警戒しておきたい。(photos/シギー中尾、text/畠山)