BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――勝負駆けだ!

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 1R、桑原悠が1着条件の勝負駆けに成功! ピットはにわかに盛り上がった。3コースからの見事なまくり差し、スロー勢は横一線だったから、見事すぎる一撃だったと言えるだろう。
 最も盛り上がったのは、やはり九州勢。原田幸哉は2R出走で展示中だったが、深川真二ら佐賀勢も中村亮太と一緒に桑原を祝福。さらに篠崎元志は桑原とグータッチ! エンジン吊りが実に活気づいたものにもなっていた。
 その後は、中野次郎ら他支部勢もすれ違うたびに賞賛を送っていた。ニッカリ笑って応える桑原。地元SGでの予選突破はやはり格別だ。

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 一方、なんとか2着が欲しかった平本真之は3着。後半1着でも、6・00には届かなくなった。平本は敗れて悔しさを隠さない男で、やはり体全体から悔しさが溢れ出ていた。1マークの展開がないなかで、3着は上々とも言えるのだが、今日のところはそれでは意味がない。うなだれるしかない。それでも平本は、すぐに後半レースの準備を始めている。ボーダーは6・00と決まったわけではない。なんとか後半勝って、ボーダーが下がるのを祈るのみだ。

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 2Rでは、スリットラインを全艇が超えようとしたとき、大きな悲鳴があがった。その声の主は西山貴浩。かわいがっている後輩・仲谷颯仁のスタートがかなり早いものと見えたのだ。仲谷が1マークをインから先に回ったあたりでスタート正常が表示される。ただ、2コースの瓜生正義がヘコんだことで3コースの原田幸哉に絶好のまくり差し展開が生まれていたから、西山のヒヤヒヤはまだ止まらない。ターンの出口で仲谷が完全に成功したところで、ようやく西山は「心臓に悪いわっ!」とおどけて見せるのであった。
 仲谷はこの1着でも6・00には遠く及ばない。しかしながら、予選最後の1着は明日以降にもつながってくるはずだ。何かを掴むための、残り2日になるだろう。

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 予選トップをうかがう原田は、気合の前付けも2着まで。さすがに苦笑が止まらないといった感じであった。予選突破については、5着2本条件だったので、この2着でクリアしたことになるわけだが、原田の目標はそこではないだろう。後半はやはり必勝態勢。レース後はさっそく次への準備を始めた。

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 予選トップ争いのゆくえは、3日目終了時点1、2位の毒島誠と峰竜太がカギを握ることになるだろう。毒島は早くから試運転を精力的に行なっている。何周か乗っては、ペラを外して調整室に走る。調整をいったん終えると、係留所に走ってふたたび水面へ飛び出す。この繰り返しが見られた。6号艇1回乗り、秘策はあるだろうか。

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 峰竜太はプロペラ調整に専念。かなりピリピリした雰囲気である。もっとも、朝(午後イチ)の峰は往々にしてそんな空気を発散していたりする。ようするに、レースを控えているうちは緊張感が常に醸し出されているのだ。もちろん話しかければ、いつもの笑顔を返してくるんですけどね。予選トップを意識してかどうか、今日はいつにもまして、ナーバス度が高いように見えた。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)