BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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団体戦過熱の5日目前半ピット

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 5日目の準優デー。つまりは一般戦デーでもあるわけだが、今日の一般戦はただの一般戦ではない! 1~8Rは団体戦なのだ。一般戦を敗者戦と呼んだりすることもあるわけだが、今日に関してはその呼称はまるでふさわしくないわけだ。選手たちは一般戦だろうと、そこにレースがある限り全力を尽くすものだが、今日はさらにもう一丁、気合を入れて臨むことになるわけである。
 そうした感覚があるからかどうか、今朝もピットは実に慌ただしい。水面にもペラ調整所にも選手は多く、調整に懸命だ。平田さやかは本体整備! レディースの勝利に貢献するため、5日目になってもパワーアップにいそしむ。西村美智子もギアケース調整をして、終えるとすぐさま水面に飛び出していった。

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 惜しくの準優行きを逃した小野生奈も、試運転とペラ調整を繰り返し、係留所から調整に向かう際には猛ダッシュ! これは昨日にも見られた光景で、それが小野のルーティンでもありながら、特別な一般戦を勝ち抜くために懸命に戦っている。

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 8R1回乗りの福田翔吾も1R発売中から熱心に試運転を続け、ペラ調整にも熱が入っている。今節は6号艇1着で見せ場を作ったが、評判機を駆ることもあり、まだまだこんなもんで終わらせるわけにはいかない。レース直前まで、渾身の調整を続けることになるであろう。

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 今日から追加参戦の山下夏鈴も試運転に懸命だ。レース間の試運転タイムが終わる間近になると水面もさすがに空いてくるのだが、それからの山下は2マークも旋回する。通常の試運転は、2マークでは直進して減速するのが常だが(他の艇が試運転しているときに2マークを旋回するのは危険)、空いていれば旋回しても問題ない。山下はこれを繰り返していて、調整というよりは旋回練習しているようにも見えるのだった。121期の新人だけに、乗れる時間があればいくらでも乗りたいところだろう。

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 ところで今日は最終日前日ということで、レースを終えてその後の試運転の予定がない選手のボートは、洗剤を使って洗浄される。2R1回乗りの井上忠政は今日は試運転を行なわないようで、近畿勢を中心に選手が輪になってボートを洗っていた。その輪の中に、なんと日高逸子! 支部も地区も違うのに、若者のボートをスポンジで洗っていたのだ。これは井上も恐縮だよなー。中心になっていた佐藤悠も恐縮気味でした。グレートマザー、少しも偉ぶるところがないのだ。

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 さて、今日の1Rは団体戦的に熱かった。金田幸子が逃げ切って、金児隆太が2番手追走。これを魚谷香織が追いかけて、2周1マークは魚谷が先マイしている(「やっぱり体重が違うので、追いつかれますね」と金児はレース後苦笑い)。このまま決まれば、ポイントは紅組。ところが、3番手を走る魚谷に、澤田尚也が猛追を仕掛けたのだ。その後ろはといえば、5番手に畑竜生、6番手に垣内清美で、もし澤田が魚谷を抜けば白組2着3着5着(16点)でポイント強奪となる。

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 エンジン吊りに向かっていた西村美智子が、3周1マークを回って迫る澤田の走りに「うわーっ!」と悲鳴をあげて立ち止まる。3周2マーク、先マイする魚谷に対して澤田は外マイ。「やばいやばい」と西村。そして、魚谷はターンマーク接触したか、やや減速。そこを全速で駆け抜けていく澤田。そして西村「わーーーーーーっ!」とまた悲鳴。ここで逆転されたら白組にポイントを持っていかれることをしっかり把握していたんでしょうね。みっちゃん残念、澤田が抜いてしまいました。エンジン吊りでは、ガックリする魚谷の腰を抱いて慰めていた西村。昨日まではあまり団体戦らしい光景は見られなかったが、今日明日はこういうシーンがたくさん見られるかも!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)