優勝戦の朝はわりと落ち着いていたりするものだが、今朝はわりと早めから動きが見られている。遠藤エミが早々にボートを下ろして試運転をしているのはいつも通り。クライマックス組では真っ先の着水となっている。まあ、これもいつも通りか。といっても、やはり朝のうちはそれほど慌ただしそうには見えず、マイペースの調整を進めているといった印象だ。
つづいて着水したのは川野芽唯。遠藤の隣の係留所にボートをつけて、試運転タイムを待つ間などは会話も交わしている。笑顔も見えており、リラックスムードではある。
その頃、寺田千恵がモーターの取り付けを入念に点検していた。ちょうど通りかかったので挨拶をすると、笑顔でおはようございますと返ってきた。その振る舞いが貫禄たっぷりで、さすがの女傑と言うしかない。着水自体は、序盤の時間帯には行なっていない。
そうこうしていたら、いつの間にか三浦永理が水面を走っているのに気づいた。着水の瞬間は見逃したのか。１Ｒ終了後はたしかにボートが装着場にあったから、どこかに目を向けているうちに素早く水面へと下りたのだろう。
守屋美穂は、２Ｒ発売中まではペラ室にこもっていたが、３Ｒ発売中にペラを装着。作業を終えた頃には試運転タイムが終了したので、いったん控室へと戻っていった。昨日はとにかく慌ただしく走っていた守屋だが、さすがに最終日の朝、それも試運転を始める前とあって、昨日よりは余裕がありそうだった。
１号艇の浜田亜理沙は大きな作業はしておらず、エンジン吊りで姿を見るのみだった。当然、緊張感の有無が気になるわけだが、一見して浮足立っているところは見当たらない。関東勢と言葉を交わす様子もにこやかだった。もちろん緊張がないわけがないのだが、それに搦めとられているふうはない。まずは落ち着いて朝を過ごしているといったところだ。
というわけで、このあともベスト６の面々はそれほど特別な作業をせずに、ペラ調整と試運転に励んでいくといった雰囲気。そういう意味では、動きこそあるものの、やはり落ち着いた最終日というべきかもしれない。
シリーズ優勝戦組は、魚谷香織が早くも試運転とペラ室の往復を繰り返していた。数日前に見たような、強めの叩きをペラに入れてはいなかったが、なにしろ今日は朝に雨が降り、多少の気候の変化があるから微調整は必要だろう。ちなみに、現在の多摩川は晴れてます。
池田浩美も１Ｒ発売中から試運転をしていたが、３Ｒ発売中にいったんボートを上げた。もちろん必要に応じて水面にも出ていくはずだが、まずはペラ調整を進めていこうということだろうか。
こちらの１号艇・西橋奈未は、浜田同様にエンジン吊りでしか見ていないが、浜田以上に落ち着いた様子と見えた。通常のレース以上に目立つ舞台とはいえ、ＧⅢの優勝戦、すなわち経験済みの優勝戦、そして１号艇である。こちらもやはりレース前には緊張した面持ちにもなるだろうが、朝の段階で強い緊張感に包まれていることはまあありえないだろう。なお、外枠の細川裕子、中村かなえ、岩崎芳美は特に動きは見られなかった。細川は今節、ノーハンマーだそうだが、やはりペラ室に姿はなかった。（ＰＨＯＴＯ／中尾茂幸 池上一摩 ＴＥＸＴ／黒須田）
