BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

『ゴルゴ狂騒曲』の指揮者はゲンコー!!

(抽選前のつぶやき)

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 史上初の無観客SGが開幕! 我がホームプールの常連客にとっては悲しすぎるシリーズではあるが、記者席に入れる身の上として少しでもお役に立てるよう各種の情報をお伝えしていきたい。まずはお約束、三島敬一郎のパワー鑑定から。

三島敬一郎推奨モーターTOP10+穴1基

13号機 SS(50.6%) 少し落ちたが行き足・伸びと超抜で桁違いのパワー
15号機 S (38.5%) 超直線型モーター!伸び重視の選手が引けば鬼金
17号機 A+ (38.7%) 全体的な足色が上位級で、競り負けないレース足
43号機 A+ (43.9%) ペラ調整の反応が良い。出口の押しが抜群の実践型
67号機 A+ (43.7%)下出周年Ⅴ時と足色変わったが出足・回り足が強力
62号機 A (32.9%)阿波~稗田のペラ調整から出足抜群・伸び強力に
41号機 A (46.5%)出足・行き足・伸びと三拍子揃って上位級の力感
25号機 A (38.4%)ペラが良いのか出足・行き足とスムーズで上位級
21号機 B+ (39.2%)スリット付近の足は上々で、フル被りのSなら勝機
46号機 B+ (40.0%)女子ペラの癖も抜け、出足・回り足と中堅以上
57号機 穴 (43.8%)転覆整備後二度のペラ交換も出足・行き足は良い

 そう、平和島の絶対エースは13号機以外にありえない! 三島の短評どおり、去年の夏~秋あたりのバイオレンスなスリット足はやや下落したが、それでも行き足を中心として全部の足が強烈なバランス型として他の追随を許さない。
 2月に入ってからも、A2重木輝彦が準V~A2宮本裕之が節間7勝で優勝~B1内山峻輔が8戦3勝と足落ちの気配はまったくなし! この13号機を引いた選手は、その瞬間に節間成績プラス10点くらいのアドバンテージを得ることになるだろう。果たして、誰が「ゴルゴパワー」を引き当てるのか。

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 先刻、平和島の門前で白井英治(←私の将棋の師匠)にバッタリ出くわしたので、真っ先にこう伝えておいた。
私「師匠、13号機だけ狙ってください、13だけ!」
白井「よっしゃ、13だけな、わかった!」
 もしも英治師匠が「13」を引いたら、私の念力のおかげと思っていただきたい(笑)。

(いざ、抽選会場へ!)

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 競技棟本部で行われたモーター抽選は、文字通りの厳戒態勢。ガラポンを回す前にすべての選手が両手をアルコール消毒するという徹底ぶり! でもって抽選が始まる前から選手も報道関係者も、あちこちで「13」という数字を口にしていたのだが……
 平和島が誇るスーパーエース機は、なんとなんと、2番目にガラポンを回した吉川元浩がゲット。

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「モーター、じゅうさん!」
 の声が響き渡ると、ゲンコー本人の表情が変わる前に周辺が大騒ぎ。
「いきなり??」
「早いよ~~」
「早すぎっ!」
「マジかーー」
 選手たちから同時多発的に嘆きの声&タメ息が漏れる。その直後、マスクの上にふたつ並んだゲンコーの目が、ぐんにゃりカマボコ型に変形した。

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「やってもーた♪」
 これが第一声。そして、さも嬉しそうにこう続けた。
「ホンマに出るんかいっ!!」
 まさか、自分の手元にソレが転がりこむとは。そんな思いが関西弁で弾け飛んだ。クラシック連覇へ、2歩も3歩も前進する相棒ゲット。カマボコ目のまま、吉川は壁に貼ってある前節と前々節の出走表へ直行だ。自分の目で、その機歴を確認したかったのだろう。前節の出走メンバーから、13の数字をあれこれ探しはじめる。

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「前節はお休みですよ~」
 横からアドバイスすると、「お、そか」と前々節へカマボコ目をスライド。そこに桐生順平が現れ、羨ましそうに話しはじめた。
桐生「その前の宮本(裕之)さんが凄かったらしいです!」
元浩「あっ、ああ、16年ぶりに優勝したって!」
桐生「16年ぶりっ!?」
 同じ兵庫支部の宮本を超久々に優勝に導いたモーター。それが13号機と知っていたかどうか、桐生と話す元浩の目尻はさらに細くなって真一文字に閉じるほどだった。

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 さてさて、2番目にソレが出てしまったから、他の選手はたまらない。それ以降はすべての選手がガラポンへの興味を失い、雑談が増長し、消化試合のごとき様相を呈したのだった。うーーん、13号機、恐るべし。正直、「13号機フェチ」の私もあとはぼんやりとガラポン風景を眺めていたのだが、三島鑑定の2番手・15号機を引いたのは吉川昭男。うむ、今節は関西の“吉川ブラザーズ”(血縁はなさそうたけど)が大暴れすることになりそうだな。他では、私と三島の評価が高い41号機は森高一真の手に渡った。
「森高さん、13号機の次くらいかも!?」
 伝えると、森高は「おっ? おっしゃ!」と少しだけ嬉しそうに声のテンションを上げた。最近、モーター出しが徐々に上向いている森高だけに、41号機とのマッチングは楽しみだ。ちなみに、我が白井英治師匠は中堅レベルの47号機。ガラポン直後、やや寂し気な目で「どーよどーよ?」という感じで訴えてきたが、私が無言で苦笑いを浮かべると、さらに寂しそうに「うんうん」2度頷いたのだった。

三島推奨モーターと今節のパートナー
★★★★13号機 SS(50.6%) =吉川元浩
★★15号機 S (38.5%)=吉川昭男
★★17号機 A+ (38.7%)=上條暢嵩
★★43号機 A+ (43.9%)=柳沢 一
★★67号機 A+ (43.7%)=辻 栄蔵
★62号機 A (32.9%)=山口達也
★41号機 A (46.5%)=森高一真
★25号機 A (38.4%)=稲田浩二
★21号機 B+ (39.2%)=福来 剛
★46号機 B+ (40.0%)=田村隆信
☆57号機 穴 (43.8%)=池田浩二
(photos/シギー中尾、text/畠山)