１Ｒで村松修二が逃げ切って、ＳＧ初勝利！ 深川真二が前付けして深い起こしになり、さらに山口達也が３カドまくりを放ってくるという厳しい状況の中の逃げ切りだから、これは価値が高い。先輩たちに出迎えられた村松は、安堵の表情を見せている。もちろん水神祭です！ ということで、その様子は別項で。
その１Ｒでは、３番手を走っていた山口達也が６着まで下がっている。２周２マークで先マイに出た池永太が失速し、そこに追突するかたちになったものだ。ピットに戻った池永はすぐに山口のもとに駆け付けて頭を下げる。仲のいい同期生だが、きちんと礼節を示すわけだ。もちろん遺恨など残ろうはずがない。
１Ｒに出走した柳沢一は、展示前に原田幸哉と長いこと話し込んでいた。言わずと知れた師弟コンビ。今節も一緒に行動する場面はすでに何回か見ているし、昨日は試運転用の係留所に二人のボートが並んで付けられていた。柳沢は逆転３着。師匠の言葉がレースに生きた部分はあっただろうか。
師弟コンビといえば、１Ｒ展示前に吉川昭男と丸野一樹が係留所で並んで話し込んでいた。いや、今日は好天なので、並んで日向ぼっこしているようにも見えた（笑）。丸野は師匠とともにＳＧに出場できたことに、大きな感慨を抱いているようだ。先に権利を獲ったのは吉川で、丸野はＧⅠ初優勝で続いたかたち。というわけで、丸野から「昭男さんと一緒にいるところを見かけたら、写真に撮っておいてもらえませんか？」とリクエスト。お安い御用ですよ！ ここに掲載した私のしょぼい写真では申し訳ないので、ウチのプロフェッショナルたちに伝えておきます。
調整関連では、朝から４人が本体整備だ。まずは今垣光太郎。１Ｒ発売中には切り上げて、モーターを装着。後輩たちが駆けつけてヘルプしていて、今垣ははるかに若いその後輩たちに「ありがとうございました！」と丁寧に頭を下げていた。
毒島誠も昨日に続いて本体に手をつけていた。３Ｒ出走ということで、時間があまりないなか、やはり１Ｒ発売中には装着して、かなり急いだ様子で水面に向かった。
田村隆信、池田浩二も本体整備だ。田村は初日２着１着。今日は11Ｒ１走ということで時間があり、点検程度の可能性もある。池田も今日は10Ｒ１走。ただ、この４人のなかではいちばん最後まで整備が続いた。直前情報に注目したい。
ところで、今日の１Ｒ展示前は実に静かなピットで、喫煙所でのんびりしている選手も少なくなかった。先の吉川と丸野のように、係留所で座り込んで水面を眺めている選手も。今日は気温が上がっているので、調整も大変になると踏んでいたのだが、そのような雰囲気が薄かったので、驚いた次第だ。ところが、１Ｒの展示が始まり、スタート展示から周回展示に移行した途端、一気に動きが活発となった。喫煙所組はすくっと立ち上がり係留所に向かい、係留所組はカポックを着込んでボートに乗る。そう、みな試運転タイムを待ち構えていたのだ。吉川と丸野も青ランプがつくとすぐに足合わせに出ていったし、石野貴之は喫煙所から小走りで係留所に向かって、すぐさま水面に出ている。のんびりしているように見えたのは、嵐の前の静けさ。今日も気合の入った調整が続いていく。（ＰＨＯＴＯ／中尾茂幸 黒須田 ＴＥＸＴ／黒須田）
