優勝戦の朝は往々にしてあること、というか、毎度毎度書いているような気がするが、優勝戦組に大きな動きは見当たらない。そもそも仕上がっている選手だから優出できているとも言えるわけで、12Ｒ１回乗りと時間はたっぷり残されているのだから、慌てて動く必要がないのは当然だ。
もっとも、やはり忙しそうなのは選手班長の福来剛で、モーター返納検査の立ち合いや取材などで飛び回っている。すでにプロペラは外れていたので、そのかたわらきっちりと調整を進めていくことになるだろう。妙な緊張感は見当たらない。
ＳＧ初優出組では、坂口周がモーターの装着を丁寧に行なっていた。朝のスタート特訓では３カドも試しており（もっとも４～６号艇は参加せず）、その動向がおおいに気になる存在。こちらもやはり硬くなっている様子はなく、１日かけて着々と戦略を練っていくことになる。
吉川昭男は、ちょいちょい自艇のもとへ歩いて行っては、さまざまなチェックをしていたが、それ以上の大きな作業はまだ始めていない。村松修二とにこやかに話しているシーンを見かけており、吉川もまた自然体で今日という日を迎えられているようである。
滋賀支部旋風を吉川とともに目論む守田俊介は、プロペラがまだ着いたままで、調整作業はいつからになるやら。昨日の会見で吉川が「僕のほうが10倍以上仕事してるのに」と笑っていたことは記したが、その後に守田は「全選手の中でいちばん仕事量が少ない。だからいちばん効率がいい」と笑いを誘っていたものだ。まあ、実際はペラ調整をしているのをちゃんと見かけはするけれども、のんびりしているのもまた確か（笑）。それがこの人の自然体なのだ。
柳沢一もまだ調整作業を始めてはいなかった。１Ｒ、２Ｒは東海勢の出走がなく、エンジン吊りに出てこずに控室でのんびり過ごしていてもいいのだが、柳沢はいずれにも参戦。人手の少ないところを探したり、艇旗艇番の片づけを受け持ったりと積極的にヘルプ。うーん、いい人だ。その様子は今日も淡々である。
１号艇で人気を集めるであろう吉川元浩もリラックスした様子。１Ｒで今節のレースをすべて終えた白石健をいじって大笑いする姿も。こちらも作業は先になりそうだが、エンジン吊りやモーター返納のヘルプに動いており、プレッシャーみたいなものを感じている雰囲気は皆無だ。まあ、それは想像できたことではある。クラシック連覇に向けて、着々と態勢を整えていくことになるだろう。（ＰＨＯＴＯ／中尾茂幸 池上一摩 ＴＥＸＴ／黒須田）
いちばん大きな動きはこの人が急に丸坊主になっていたことです（笑）。
