BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――徐々に高まる

f:id:boatrace-g-report:20200425120357j:plain

 1R展示前後のピットは実に静かで、装着場には選手の姿が見当たらなかった。整備室のなかの様子が覗ける場所に移動してみると、ペラ調整所に選手の姿はあるのだが、準優組では濱野谷憲吾の後ろ姿が見えたのみ。死角になっている場所にも誰かいそうなのだが……装着場に立ち入れないのがこういうときにつらい。

f:id:boatrace-g-report:20200425120638j:plain

 その数分後、整備室から市川哲也が出てくるのを目撃。たぶん、死角でペラを叩いていたのだろう。A1勝負駆けというのが意外なわけだが、準優を突破すれば勝率はアップする。まずは優出を目指しての懸命な調整ということになるだろう。

f:id:boatrace-g-report:20200425120722j:plain

 音があまり聞こえてこないピットに、やはり静かにあらわれたのは前本泰和。淡々とした風情でペラ調整所に向かうと、ゲージを当ててペラを見つめていた。わりと早めにそれも切り上げて、ふたたび控室へと戻っていく。落ち着いた時間を過ごしていると見える。

f:id:boatrace-g-report:20200425120800j:plain

 そこにあらわれたのは、予選トップの村田修次。自艇のもとに歩み寄って、モーター回りを丁寧にチェック。試運転、あるいは作業に向けての準備を粛々と進めていた。まあ、このベテランたちに「予選トップで浮足立つ」なんてことはありえないですよね。淡々と作業をしている様子は、昨日までの村田とどこも違いはない。

f:id:boatrace-g-report:20200425120849j:plain

 次にあらわれたのは松井繁だ。松井はギアケースを外して整備室へ。こちらも淡々と作業を進める。調整時間は10分未満だったと思う。装着を終えると、まずは手洗いをして「今日も仕事するか!」とペラ室へ向かって歩き出した。その途上、「クロちゃん、痩せたなあ」と声をかけられた。えっ、マジ!? 自覚はまったくないんですけど。「15kgくらい痩せたんちゃう?」。えーーーっ。それはない……いや、王者がそういうんだから、きっとそれくらい痩せたんだろうなあ。というわけで、王者公認の15kgダイエットに成功した男です、私。あ、松井と僕の間隔は5mほどありました。ちゃんとソーシャルディスタンスはとっているので、これは選手との接触には入らないと思います。というか、声かけられて驚いたよ。

f:id:boatrace-g-report:20200425120953j:plain

 1Rが終わり、選手たちが次々と装着場にあらわれる。今日は5日目ということで、1R1回乗りの寺田千恵、芝田浩治のボートは洗剤を使って洗浄作業だ。まずは表をゴシゴシ洗い、水で洗剤を流したら、ボートをひっくり返して艇底部の洗浄。テラッチのボートをひっくり返すヘルプをしていたのは、やはり立間充宏でした。夫婦の共同作業。その立間は、2R発売中に試運転を始めている。数周したあとペラ室に飛び込んで、かなり力強くペラを叩いた。6号艇での準優登場、方向性の変化を試してみているといったところか。

f:id:boatrace-g-report:20200425121053j:plain

f:id:boatrace-g-report:20200425121126j:plain

 この2R発売中から、準優組も作業が本格化していった。徳増秀樹もペラ室で調整に集中。また、西島義則も作業の準備を始めており、抜かりない調整に取り掛かりそうだった。さあ、準優勝戦。「2着条件の勝負駆け」に注目を!(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)