BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――雨の宮島

f:id:boatrace-g-report:20200625123232j:plain

 好天だった昨日までとは一変、雨が降って梅雨らしい気候となった。湿度も上昇しており、気温は下がっているが、蒸し暑さを感じる状況だ。というわけで、選手たちは調整、あるいは気配の変化のチェックに怠りない。係留所はほぼ満艇状態で、レース間はエンジン音が鳴り響きっぱなし。回転数の確認のため、エンジンを回しているのだ。ニードル調整なども行なわれていたと思われる。装着場から係留所まではそれなりの距離があるのだが、エンジン音に聞き入っていた石野貴之と目が合ったりして。集中を削いではいかんと慌てて目をそらして退散する。石野に限らず、どの選手も集中力を研ぎ澄ましているように見受けられた。

f:id:boatrace-g-report:20200625123313j:plain

 もちろん、試運転に飛び出す選手も多い。1Rが終わり、レース間スタート特訓が終わって青ランプがつくと、松井繁が即座に水面へと飛び出した。これに前田将太が続く。前田はモーターに手応えがあるときにはわりとゆったり過ごしていることが多い印象だが、この気候変化のなかではそうもいかない。今朝は精力的な動きを見せている。

f:id:boatrace-g-report:20200625123348j:plain

 そうした作業を受けてのプロペラ調整も盛んで、いったん係留所を離れる選手は渡り橋を超えるとプロペラ調整所にそのまま向かうケースが多い。今節は一緒に動いているのを数多く見かける吉川昭男と深川真二のコンビも、身振りを加えて話し合いながら、肩を並べてプロペラ室へと入っていった。

f:id:boatrace-g-report:20200625123416j:plain

 快調・徳増秀樹は入念な装着作業をしているのが遠くに見えた。そこに歩み寄ったのは、萩原秀人と松田祐季の福井コンビ。その場でかなり長い会話が行なわれていた。なんの話かは皆目わからないわけだが、期と支部の関連性は決して強くはない彼らの絡みは興味深く映った。徳増のパワーがこの湿気の中でどう変わるかは今日の注目どころのひとつ。

f:id:boatrace-g-report:20200625123447j:plain

 徳増は11R1回乗りだが、やはりより精力的に動いているのは前半出走組が多く、たとえば10R1回乗りの湯川浩司は序盤の時間帯にはエンジン吊りでしか見かけていない。整備室やプロペラ調整室をがっつり覗き込むことができれば、そこに後半出走組も見つかるのだろうが、たとえば峰竜太や白井英治も同様。後半組の動きは午後の時間帯になってから活発になっていくことだろう。

f:id:boatrace-g-report:20200625123507j:plain

 1Rで中田竜太がまくり差し快勝、が今日の幕開け。昨日までは苦戦していた中田が、逆襲に転じてきた。出迎えた桐生順平が笑顔を向けるのがかなり遠くに見えた。ヘルメットをとった中田も表情は明るく、気分もアップした様子である。

f:id:boatrace-g-report:20200625123537j:plain

 5着でややリズムダウンの遠藤エミは、エンジン吊り後にいろいろな選手が声をかけていた。滋賀支部勢はもちろん、桐生が遠藤を呼び止めて話しかけていたのが印象的。支部は違うが、遠藤はこのスピードスターの薫陶を受けているのだろう。また、桐生も遠藤を認めているからこそ、レース後にアドバイスを送っていると思われる。予選突破の目はもちろんまだまだ残されている。10Rの奮闘に期待だ。(黒須田)