BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――注目の的はもちろん!

●準備万端

f:id:boatrace-g-report:20220320154758j:plain

 今日のピットで注目を集めるのは、なんたって遠藤エミである。コロナ禍において、報道陣の人数も制限されているので、山ほどの視線やカメラのレンズが向けられるということはないが、そこにいれば誰もが動向を気にしてしまう。コロナ前だったら、次から次へと取材やら撮影やらが殺到していたのではないかと推測する次第である。
 落ち着いてはいると思う。早くから水面に降りて、試運転をし、ペラ調整に励む。まったくいつも通りの遠藤がそこにいる。2R発売中にはいったんボートを陸に上げており、ここからはペラ調整所で多くの時間を過ごすのだろう。それはかえって精神安定剤となるはずだ。

f:id:boatrace-g-report:20220320154845j:plain

 選手仲間もやはり気になるのだろう。後輩の丸野一樹が声をかけ、エンジン吊りが終わって選手たちが散ると、毒島誠が声をかけたりもしていた。プロペラ調整所では、桐生順平と話し込んでいた。昨日のFで勝ち上がりがなくなった桐生は、もちろん自身のレースに集中しながら、遠藤応援団と化すのかもしれない。
 予選トップで準優1号艇。SGで初めて体験するこの状況に、緊張はあって当たり前。早い時間の様子や他選手の雰囲気を見る限り、うまく過ごせるのではないかという気がした。少なくとも、レースに向けての準備には怠りなしで臨めるはずである。

●一撃狙うか

f:id:boatrace-g-report:20220320154905j:plain

 遠藤が試運転をしていたころ、石野貴之もまた水面にいた。遠藤の動きはいつも通りであるが、石野にしてはかなり早い動き出しだと思う。同期の長野壮志郎と何度も足合わせをするなど、かなり精力的に乗り込んでいた。
 もちろんこの動きはプロペラ調整とセット。試運転休止を告げる赤ランプがつくと、ボートを係留所につけ、プロペラを外して調整所に向かう。かなり入念にハンマーを下ろしており、パンチをつける調整をしているのではないかと推察してしまう。石野といえば、ここ一番の「コースの利を捨ててでもカドを獲って一撃まくり」。10Rは6号艇に赤岩善生がいるだけに、必殺パターンが炸裂するのではないかと想像するわけだ(というか、そういう予想にしてます・笑)。本番はどんな仕上がりとなっているか楽しみだ。

●超一撃狙う?

f:id:boatrace-g-report:20220320154931j:plain

 上條暢嵩が藤山翔大と話し込んでいた。いやまあ、大阪支部同士なのだから、何も不思議ではないのだが、昨日までは同じ大阪支部でも山崎郡や近畿地区同士の丸野一樹との絡みのほうをよく見かけているのである。上條の右手にはプロペラがあり、時折そちらに目を向けたりもしている。ま、まさか、藤山仕様に仕上げて超一撃を狙うの!? かなり妄想に近いと自覚しているが、少し胸ときめく絡みであったのはたしかだ。10Rは内枠に大阪支部が3人並んでいる。しかし、そこはまさに仁義なき戦い。徹底的に自身の勝ち上がりを追い求める勝負師たちなのである。

●ゲージ片付け

f:id:boatrace-g-report:20220320154954j:plain

 2R発売中、前本泰和がプロペラ調整室から姿をあらわした。身体の前でプラスチック製のケースを2つ抱えている。これはプロペラゲージを収めているケースだ。もう使う予定のないゲージを片付けている、ということだろうか。控室のほうに消えていった前本はすぐさままたピットにあらわれ、プロペラ調整室に戻り、そして再びケースを2つ抱えて控室へと消えていった。
 これ、最終日にはよく見かける光景なのである。5日目だとどうだろう。残り2日間、さまざまな調整を試すこともあるかもしれず、だから5日目の光景としては珍しく映った。そして、もし完全に調整の方向が固まったとするなら、6号艇でもちょっと怖い。18位で予選突破ということは、準優2着ならやはり優勝戦6号艇。1着でも3号艇だ。センタースロー調整に腹を決めたとするなら、ペラ名人のことだ、しっかり仕上げて準優に臨むのではないかと思われるのである。

●準優は関係ないけど……

f:id:boatrace-g-report:20220320155016j:plain

 3Rの展示が終わって、ピットに静けさが戻った頃。アナウンスがかかった。「食堂にハンバーガーが届きました」。は、は、はいぃ!? ボートレース大村の名物グルメといえば、なんといっても佐世保バーガー! フードコートの「KAYA」さんで食べられます。美味いぞ! 選手たちも大好物なんでしょうね。ボリュームがすごいから、減量中の選手はきつそうだけど。あと、ピットの売店で買えるカステラが大人気で、最終日はお土産に買って帰る選手が多いそうです。ああ、腹減ってきた!(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)