単勝オッズ2・0倍!?
３日目までの全36レースを終えて、Ｖ戦線の行方がそれなりに見えてきた。あくまで私の勝手な見積ではあるが、断トツの本命に関しては多くのファンも異論を持たないだろう。守屋美穂。今日も３コースからカッターナイフで内２艇を切り裂くようなまくり差し一閃。待望の勝ち星を挙げるとともに、節間9・00ですんなりと暫定トップの椅子に着座した。明日の２回走（３Ｒ５号艇・12Ｒ１号艇）を２・１着あたりで乗り切れば、Ｖの王道（女王道）＝「３日連続の最終レース逃げきりロード」が構築されることだろう。現時点での勝手な推定Ｖ確率は50％（単勝オッズ換算で2・0倍）。
この断然の本命からかなり離された２番手候補と見ているのが細川裕子だ。今日はインからスッキリ逃げきっただけだが、70号機の実戦足はとにかく余裕綽々で「絶対に舟券からハミ出ないだろう」的な安定感に満ちている。細川の最大の弱点は「ここ一番でスタートが届かない」なのだが、今節は出足～行き足の部分がトップ級なのでモーターがスリットまで連れて行ってくれるはず。明日の12Ｒは守屋との直接対決。５号艇からインの守屋にどこまで肉薄できるか、Ｖ戦線を占う意味でも70号機の足色に注目したい。
そして、初日の段階で守屋と並ぶＶ候補と目していた平山智加67号機は、現時点では細川とイーブンの２番手タイまで評価が下落した。今日の10Ｒは６コースから展開がなくバックでは最後方に。そこから捌きに捌いて３着をもぎ取ったテク＆パワーは流石の一語ではあったが、それでも私が期待したほどの足色ではない。明日の２回走（２Ｒ３号艇・８Ｒ５号艇）で自力で攻めきるだけのスリット足を見せてほしいのだが……。
そしてそして、今日の９ＲでF2持ちながらコンマ05!!まで踏み込み、初日の後半から怒涛の３連勝を飾った日高逸子。
「絶対に遅れたくなかったので、死ぬ気で行きました♪」
飄々と語った58歳の勝負師を心の底から賞賛したい。この３連勝で節間8・50＝暫定２位まで浮上した逸子ママではあるが、ことＶ戦線を占う意味では「茨の道」というイメージが付きまとう。明日の２回走（５Ｒ５号艇・10Ｒ３号艇）でも奮闘して準優１号艇をGETしたとしても、そこから先はまた「死ぬ気」のハードルを越えていく必要がある。女子レーサー界の常識を打ち破ってきたサプライズ・アマゾネスだからして「絶対に無理」とは思わないのだが、客観的なＶ確率は５％が妥当だと思うのだが、どうか。
そんなこんなで、私（畠山）が勝手に算定したＶ候補選手の推定確率をアップしておこう。「その他全員」の中にはレディチャン連覇を狙う大山千広や田口節子、松本晶恵、長嶋万記などの強豪が鈴なりなのだが、現状の成績＆パワーを考えれば「優勝には届きにくい」と考えている。
★★★★★守屋美穂 Ｓ【出SS・直Ａ】Ｖ率50％
★細川裕子 A+【出Ｓ・直Ａ】Ｖ率10％
★平山智加 Ａ【出Ａ・行Ａ】Ｖ率10％
☆日高逸子 A+【出Ｓ・行Ａ】Ｖ率５％
☆遠藤エミ B+【出B+・直B+】Ｖ率５％
☆小野生奈 B+【出B+・行B+】Ｖ率５％
☆塩崎桐加 Ａ【出Ａ・直Ａ】Ｖ率５％
☆山川美由紀 B+【出B+・直B+】Ｖ率５％
☆その他全員…Ｖ率５％
さてさて、今節は多くの強豪レーサーたちが優良機を引き当てたため、当欄も銘柄級のレーサーたちが常連となってしまった。シリーズ折り返しの段階で、チョイ穴を開けそうな若手レーサーもひとりだけフューチャーしておこう。
4901出口舞有子（愛知・27歳）
今日まで３３５２着と健闘し、準優への可能性を残した。その４戦目（9R）は５コースからコンマ01!! インコース逸子ママの「死ぬ気」を超えて、臨死状態まで踏み込んでいた（笑）。こちらはF1持ちの身の上だけど、よくぞキワまで突っ込んだものだ。
で、ギリギリ生き残って２着を取りきったからには、明日の一発勝負駆けが俄然楽しみにもなる。相棒の34号機はストレート足を主体にかなりの好気配。前半４Ｒでは６秒65という今日イチの展示タイムも叩き出した。初日の当欄で私は「Ａランクの次点候補」としてB+【出Ｂ・行Ａ】と鑑定したが、今日のストレートを見る限りＡ【出Ｂ・直Ｓ】と書き換えてもよさそうだ。
で、これらの情報を踏まえて、明日のマアコちゃんの勝負駆けは……
★８Ｒ３号艇＝②着で6・00！
この８Ｒは４号艇に櫻本あゆみ、５号艇に平山智加などがいて「叩かれたら一撃アウト」という３号艇ではあるのだが、逆にそれらの猛攻に耐えて先攻めできればビッグチャンス。自慢のストレート足をフル稼働できる展開に持ち込めば、名前のとおりにターン出口から舞うように先頭に躍り出るシーンも想定しておきたい。
最後に小ネタもひとつ。当欄では何度か「女子戦は①②③BOXが美味しい」と書いてきたのだが、今節もこの怪しい金言（笑）がぴったりハマっている。今日までの該当フォーカスと配当、及び①②③BOXを100円ずつ買ったとき（１日7200円）のシミュレーション収支を報告しておこう。
●初日
５Ｒ②①③2550円
８Ｒ①②③1230円
10Ｒ②③①17810円!!
トータル配当21590円
収支＋14390円
●２日目
４Ｒ①③②2570円
12Ｒ②③①8830円
トータル配当11400円
収支＋4200円
●３日目
４Ｒ③②①5880円
５Ｒ①②③1480円
６Ｒ②①③6720円
12Ｒ①③②2600円
トータル配当16680円
収支＋9480円
●３日間の総収支＋28070円!!（回収率230％）
なんとなんと、何も考えずに初日１Ｒから①②③BOXを100円買い続けたら、毎日黒字の連続で財布の中身が28000円も殖えていたのである。今日も西村美智子さまの２コース差しなど、４～６Ｒで３連発の固め打ちまで飛び出した次第だ。
「なんで女子戦で①②③BOX?」
と聞かれたときの理屈も何度か書いてきた。女子は「外からでも握る選手が多い」というイメージがあるから、456枠の選手が売れやすい。ところが実際は近代ボートの鉄則よろしく内枠が普通に強いので、人気のギャップとして①②③BOXの配当的妙味が高くなる。ってな感じで、とりあえず理論武装のできる金言ではあるのだな。
だがしかしっ!! 当欄を長く愛読している方ならもうお分かりと思うが、このTOPICSで何かしらの金言や法則を紹介した翌日から、なぜかパッタリとその流れが途絶えてしまうのだ。もちろん、「明日からもこの流れが続く」と信じて買う読者がいても止めるつもりはないが、当局は一切の責任を負わないので悪しからず！（笑）
（photos/チャーリー池上、text/畠山）
