優勝戦の序盤戦の時間帯は、いつもの光景であった。出場6選手にはほとんど動きがない。白井英治がプロペラ調整を始めそう(始めた?)雰囲気が遠目に見えたが、いざ覗き込むとペラ調整室には姿がなく、いたとするなら死角の位置で叩いていたということだろう。昨日の会見で、最終日はペラ調整でしっかり合わせると言っていたので、早くから調整を始めることは十分にありうる。
整備室の隅のほうにあるリードバルブ調整用のテーブルには寺田祥と菊地孝平が並んで座っていた。二人とも、プロペラにゲージを当てて確認中。時に会話を交わしながらの作業であった。作業? この場所では当然、プロペラを叩くことができないわけだから、本当に確認だけだったかも。だとすると、調整の準備ということになろうか。ちなみにここではゲージ擦りをしている選手もいるので、その準備だった可能性も。
寺田については、ボートにモーターを装着していなかった。2R終了後までピットにいたのだが、そのタイミングまで装着せず。ということは、水面に出るのはまだまだ先になりそうな気配だ。それだけ足色に余裕があるということになる。やはり寺田はパワーに自信を持って臨むことができるというわけだ。
新田雄史は朝のスタート特訓に参加していて、その後はボートを陸にあげている。プロペラを外しはしたが、調整には向かわず、特訓のスリット写真に見入ったり、帰郷のための荷造りをしたりと、やはり大きな動きは見られない。
市橋卓士も同様で、控室と装着場などの往来を何度か見かけはしたが、作業らしい作業はまったく見られなかった。顔なじみの記者さんに優出をたたえられてニッコリ、という場面も。精神状態は良さそうだ。
吉川元浩も同様。エンジン吊りには出てくるものの、その後は控室へと戻っている。まあ、節イチかとも思える猛暑の昼間と、日が落ちてからの12Rでは気候条件が異なるので(しかも今は雷が鳴って、雨が降り出し、強い追い風が吹いてたりします)、優出組は焦って動き出す必要はないわけである。それだけ、好パワーの選手がそろった優勝戦ということで、あとは気候を見計らって微調整を施していく、ということになるだろう。
ちょっと書いたように、現時点では雨と追い風。いわゆる夕立だろうか。今後の気候が気になる、16時の下関であります。(PHOTO/池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)