畠山の昼特訓情報にあるように、優勝戦メンバーは４人だけが特訓に参加。白井英治と守田俊介は参加していない。そのころ、白井のボートにはモーターが乗ってすらおらず、守田はモーターを乗せてはいたが、ペラは着いたままだった。
１Ｒ終了後、寺田祥のエンジン吊りに参加した白井はようやくモーターを装着。さあ始動か、と思いきや、乗せただけで控室へと戻っていったのだった。２Ｒのエンジン吊り後はボートに近寄ることもなく控室へ。調整が始まるのはまだ先のようだった。
守田は２Ｒ終了後に香川素子のエンジン吊りに参加。やはりボートに一瞥もくれずに控室へ。いつもののんびりパターンだ。まあ、白井にせよ、守田にせよ、まさにいつも通りの優勝戦の日を過ごしているわけで、つまりはそれが力を発揮するための彼らのルーティンなのだ。
特訓に参加した４人では、篠崎仁志、徳増秀樹、毒島誠がボートを陸に上げている。毒島はこれまたいつも通りのプロペラ調整。エンジン吊りの後などには関東勢と笑い合ったりしていて、リラックスしている雰囲気だ。
徳増は神妙な表情で粛々とボート周りの点検。その後は控室へと戻っていて、本格的な作業はまだ先になる模様。その雰囲気は濃いというよりはむしろ透明感すらあって、少しばかりの緊張感もうかがえたりする。
篠崎が悲願達成に向けて緊張しているかどうか、といえば、やはり緊張はしているはずだ。しかし、それが強く伝わってくるという感じはしていない。特訓後、篠崎もいったん控室に戻っているのだが、その後は常に西山貴浩がかたわらに寄り添っていた。西山はいつも通りギャンギャン騒いだりしているのだが（笑）、それが仁志の緊張をほぐしているかも？ かつて桐生順平が、ＳＧ初優出のとき西山からかけられた言葉で心が軽くなったと言っていたものだ。仁志にとって最も心強い存在はもちろん兄貴だろうが、西山もそれに近い存在となっているのかもしれない。
特訓後も精力的に動いたのは平本真之だ。シリーズ序盤の伸び型に戻すかも、と口にしていた昨日の準優後。おそらくはその調整を試していたものと思われる。ペラを叩いて試運転へ、を１Ｒ発売中から何度も繰り返していた。その仕上げで優勝戦に臨むかどうかはこれからの調整次第だろうが、勝つための策を練りに練っているのは確かである。優勝戦の直前スタート特訓の様子は畠山がどこかに書くと思われるので、チェックしてみていただきたい。（ＰＨＯＴＯ／中尾茂幸 黒須田 ＴＥＸＴ／黒須田）
