準優組は、朝の（というか午後イチの）スタート特訓に出た後は、思い思いの調整に突入した。いったんのんびり、といった選手は少なく、多くはプロペラ調整室へと足を向けている。水面に残ったのは平本真之で、石野貴之らと足合わせをし、ボートは係留所につけて、やはりプロペラ室に向かった。石野との情報交換では苦笑いも見えていたが、やっぱり石野が出ているんでしょうね。
篠崎仁志も、特訓後に１～２周試運転をしている。こちらはいったんボートをあげていて、ペラを外すと翼面を見つめながらペラ室へ。歩きスマホならぬ歩きペラだが、公道ではないので誰にも迷惑かけてません（笑）。
峰竜太は神妙な表情。大事なレースの日は早い時間からこんなふうに“入っている”のが最近の峰竜太。緊張というよりは、思考をめぐらせている様子に見える。もちろん歩んでいく先はプロペラ室で、今日もここで長く時間を過ごすはず。
遅めの始動となることも少なくない白井英治も、今日は１Ｒ展示前からプロペラ室に入った。盟友・寺田祥と肩を並べて、にこやかにドアを開けている。リラックスした様子がうかがえる、というわけだ。峰とはやや対照的。
女子唯一の準優進出となった平高奈菜も、ペラ調整に懸命。１Ｒ発売中にはモーターに装着していたので、早い段階で試運転に出るのかも。装着後はボートのへりに腰かけて、しばらく水面を眺めていた。精神統一をはかっている、というのはうがった見方か。それでも、準優組も一般組も誰もが調整や試運転に忙しくしていた時間帯で、やや異なる動きであったのは間違いない。
異なる動き、というなら毒島誠だ。毒島は特訓からあがってボートを整備室前に運び、モーターの本体を外しているのだ。例によって整備室内の状況を詳細に観察できないわけだが、換気のため開けられたドアの隙間から、整備しているらしい様子は垣間見えた。準優に向けた勝負整備？ ピット離れから注目してみよう。（ＰＨＯＴＯ／中尾茂幸 黒須田 ＴＥＸＴ／黒須田）
