ピーチ姫のリベンジまくり!
今日の団体ブロック戦は、オープニングの5Rから内枠内コースが活躍して「サービスキープ」が連発。10Rまで6連続キープとなって「今日は男子のプロテニスみたいに、すべて内ブロックのサービスキープか?」などと思いはじめた11R、豪快な外枠ブレークが飛び出した。
仕掛け人は5号艇の中村桃佳。カドでもない5コースから1艇身近い気合の突出スタートで絞めまくり! 圧倒的人気の①栗城匠まで引き波にハメて、下克上の紅組ブレークを成功させた。
「昨日、1号艇で紅組に迷惑をかけた(4着で白組ブレーク)ので、どこかで借りを返さなきゃと思ってました」
さすが讃岐の肝っ玉ママレーサー。桃佳19号機は前検で期待したほどパンチ力がない、と見ていたのだが、機力の不足分を気力でカバーして鮮やかなリベンジブレークを成し遂げた。
結果、今日のサービスブレークはこの11R一本のみ。3日目はこの1ポイントが利いて紅組の5勝3敗。3日間の合計ポイントはこうなった。
紅組15-9白組
MVPはもちろん11Rの桃佳として、他のレースでも目立ったのは紅組だったか。同じ香川支部の松尾夏海は3R3コースから豪快なまくり差し~8R2号艇からスピード感あふれる差し抜けで破竹の2連勝! 高い身体能力を感じさせる俊敏な勝ちっぷりは、やはり同県の平高奈菜を連想させるほど素晴らしかった。
昨日までオール3連対の関野文も天晴れの一語。今日は5・6号艇という最難関の2走を機敏かつ的確なスピード攻撃で3・2着で凌ぎきった。去年2月の津大会では初戦でいきなりフライング~もろもろアクシデントもあって3日目に帰郷という散々な目に遭った(紅組に迷惑をかけた)が、今節はその屈辱を晴らして余りある3日間と言えるだろう。
そしてそして、3日目を終えて全選手の暫定トップに立ったのは紅組の大ベテラン堀之内紀代子! 「全体的に足が良いので無理なくレースを運べる」と自負する57号機とともに、トップ街道を驀進して紅組を牽引するのか。明日の外枠でも若い男どもを幻惑するような艶やかなレースを魅せてくれるだろう(笑)。
父を凌駕せよ!
明日のブライトホース
5082一色凌雅(愛知・124期)
1R1号艇・9R3号艇
昨日は122期の成長株・宮村クンの上昇データを紹介したが、2期後輩・124期の一色凌雅クンもぐんぐん成績がアップしている。デビューからまだ2年足らずということで、年別の主要な成績を記しておこう。
勝率 1着率 2連率 3連率 平均S
2019年 1.45 0.0% 0.0% 5.4% 0.26
2020年 3.09 4.9% 12.2% 23.3% 0.19
2021年 4.08 12.5% 25.0% 33.3% 0.13
まさに日進月歩の上昇カーブ! このまま倍々プッシュ状態で成績が上がれば、来年にはSG参戦も夢じゃないな(笑)。実際にはもう何年もかかるとして、上記の勢い満点の数字でもっとも惹かれるのはスタートタイミングだ。一色クンは1月3日にフライングを切ってしまったのだが、その後もまったく怯むことなくコンマ10前後の快ショットを連発。Fから21戦で平均コンマ13は絶賛に値するし、今節もコンマ09・15・13・21としっかり踏み込んでいる。
もちろん、評価すべきはスタートのみならず。最近の一色クンで「おおっ」と唸らされたのが、1月25日の児島ルーキーシリーズ初日5Rだ。興味深いメンバーなので列挙しておこう。
児島初日5R
①原田才一郎(父・富士夫)
②滝沢 崚(父・芳行)
③占部一真(父・彰二)
④一色凌雅(父・雅昭)
⑤上條暢嵩(父・信一)
⑥柳瀬幹太(父・興志)
そう、6人全員が二世レーサーという隠れ企画番組だ。人気は好枠・原田&圧倒的格上・上條の1=5に集中したが、いざ実戦は上條の前付けを入れて5コースに構えた一色クンが突出したスタートから一撃でまくりきった。レースの企画意図からすれば、一色クンが二世ルーキーのチャンピオンに輝いた、と言ってもいいだろう(笑)。
「おっと、一色ジュニア、いつの間にこんなに強くなったん??」
正直、強烈な絞めまくりを見ながらこんな感想を抱いたものだが、上記の成長データを眺めて「なるほど」と納得した次第だ。
ご存じのとおり、親父さんの一色雅昭は今もバリバリの現役だ。「花の69期」に所属し、過去にGIで2優出のキャリアを誇る。で、そのジュニアの名前の由来は分からないが、シンプルに「雅昭を凌げ」=「父を超えてみせろ」と意訳しても不思議はないところ。
今節はまだ舟券に絡んでいない凌雅クンが、明日の1・3号艇という好枠でどこまで奮闘するか。名前に負けない資質の片鱗を見せてもらうとしよう。ちなみに、第1Rは5号艇が滝沢崚クンで、ここにも隠れ二世対決がやんわり潜んでいる。(photos/チャーリー池上、text/畠山)