BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――1号艇の明暗

●無念……

 9Rで1号艇の佐々木康幸がフライング。コンマ01とわずかな勇み足で、2マークを回っていることから、佐々木自身は入っていると思っていたようだ。初日にFを切ってしまったことで、今節は長く感じるのだろう……。
 レース後の佐々木はさすがに肩を落としていて、その後にモーター格納作業等で姿をあらわした際も冴えない表情を見せているのだった。足は悪くなさそうなだけに、明日以降、外枠からでも見せ場を作ってほしいところだが……。

●爽快!

 10Rで林美憲が2コースツケマイで快勝! スリットで先行していたこともあるが、好モーターのパワーを活かした格好だ。レース直後は淡々としており、また自身がまくりで沈めた三嶌誠司に対しては恐縮するような様子も見せてはいたが、勝利者インタビューが終わったあとなどはさまざまな選手に声をかけられ、明るく返していた。ピットではさまざまな選手と絡み、自分からも陽気に声をかけている様子が見られる。

 快勝後はなおさらで、それこそ三嶌からも「出てるね」と足色を称えるような言葉もかけられて、笑顔を見せていた。佐々木康幸もまた、「出てますね~」と声をかけていた。すると林は「ヤス、お前もや。出すぎのFやな」と返していた。すると佐々木はニッコリ。林が佐々木を癒していたというわけである。好人物ですね!

●愛知コンビ

 11Rは魚谷智之がカドから絞める展開も、原田幸哉がインから伸び返して先マイ。魚谷がまくり差しにチェンジした瞬間、5コースから天野晶夫が握り込んでまくりを放ち、原田に迫った。結果、原田が逃げ切り、天野が2番手追走という隊形ができあがっている。

 ピットに戻ると、原田と天野が肩を並べて、にこやかに会話を交わす場面が。そうか、もともとは愛知支部の先輩後輩なんですよね。原田は長崎支部に移籍したが、愛知ワンツーと言ってもいいわけだ。
 原田を称えるように笑顔で声を掛けたのが徳増秀樹。これももともとは東海地区の先輩後輩なんだなあ。レース後、原田が最も深い笑顔を見せたのは、まさに徳増と言葉を交わした瞬間なのであった。

●本体整備

 後半の時間帯は、レースを終えた選手たちが次々と本体整備に取り掛かっているのを目撃している。まず、8Rを逃げ切った上平真二。山地正樹のまくりを受け止めた足色はそこまで悪いとは見えなかったが、気になった部分はおそらくピット離れだろう。前半3Rは後手を踏んでコースを奪われたし、8Rも後手を踏むようなかたちで、インは死守したものの、2号艇の松井繁にのぞかれるような格好になっていた。そこは解消したいところだろう。

 6Rを勝った市川哲也も本体を分解していた。勝利をあげた広島支部のふたりが、本体に手をつけたというわけだ。1着でも感触に納得がいかなければ、その原因を探って対処する。長い経験から導かれた手法であろう。

 初戦にピストン2個、クランクシャフトを交換して臨んだ平田忠則も、レース後さらに本体を外した。前節の転覆で異常を来していたことで前検日のうちに大整備を済ませていたようだが、報われずの6着大敗でさらに整備を進めることにしたということか。ただ、キャリアボデー交換の可能性もあるので(そのあたりを触っていた)、具体的な内容は明日の直前情報をご確認いただきたい。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)