BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――整備

 磯部誠が本体を割っていた。引いた28号機は畠山がイチ押しの良機で、昨日は逃げ切り、そして4カドから伸びてまくりを打っている(イン篠崎元志に張られて後退)。これは整備というより、点検の類いと思われる。というのも、僕と畠山が毎日18時から配信している『展望BOATBoy』の初日展望でインタビューに登場してくれた際、まだ誰も割ったことのないモーターなので時間があるときに割って点検したいと言っていたのだ。今日は11R1回乗りで、まさに「時間があるとき」。部品などを洗浄する様子もあったので、組み直すことでどんな動きになるかは注目したい。

 ほかに、徳増秀樹はボートごと整備室に持ち込んでの本体整備。初日は5着大敗だった。2Rには整備終了で、8Rに向けて準備を始めている。その8Rは1号艇。落としたくない一戦である。

 遠藤エミも本体整備。さらに深谷知博も。ふたりとも初日は2着と4着。もうひとつ上積みしたいところか。登場はこれまたふたりとも10R。ようするに、時間がそれなりにある選手たちが、この機を逃さずに時間がかかる本体整備をしていたというわけだ。

 1R登場の大上卓人は、シリンダケースとキャリアボデーを交換して登場。昨日書いたように、初日のレース後に速攻で整備を始めていて、1Rにはこれだけの部品交換で臨んだというわけだ。しかしながら、本番ではピット離れで遅れて6コース回りになり5着と、あまり上向いた感は見られず。今日のレース後も大上は渋い表情を見せるのみなのだった。今日はこの1走のみで、たっぷり時間は残っている。さらに大きな整備に取り掛かる可能性もあるだろう。

 大上以上に深刻な顔を見せていたのは毒島誠だ。1Rは鋭くまくり差しを放っていったものの、出口で艇が浮いてシンガリ負け。ドリーム戦も5着に終わっており、大きな着を並べる序盤となってしまった。決して暗い表情となるのではなく、平静を装っているようにも見えるのだが、なおさら胸の内のもやもやが伝わってくる。2走目は7Rということで、レース後はすぐにプロペラ調整を始めていたが、その結果次第では後半の時間帯は整備をすることになるかもしれない。

 まったく対照的なのは、もちろん連勝の池田浩二。ドリームの5コースまくり差しにつづいて、2Rもイン興津藍を叩き、2マークでは佐藤翼を捌いて勝利を手にした。控室手前までヘルメットを脱がなかったので、実際にどんな表情でいたかはよくはわからなかった。しかし、池田に声をかける選手は全員がニッコニコ。出迎えた岩瀬裕亮や新田雄史、控室へ戻る途上で声をかけた長田頼宗、石渡鉄兵、中野次郎。みなマスクをしているわけだが、目が完全に笑っちゃっているのだ。池田、ヘルメットの奥でおどけたようなトークをしていたに違いないな。間違いなく、ゴキゲンなのである。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)