1R、5号艇の前田紗希は本番6コース進入。見せ場を作ることができずに、シンガリに敗れている。今節、2回の舟券絡みはあったが、昨日の1号艇では深めの起こしもあって6着大敗。なかなか納得のいくレースができずにいる。ピットでは元気に動く様子も見られてはいるが、さすがに6着後は表情に力がない。GⅠの苛烈さを痛感してもいるだろうか。
2Rでは、1号艇の大豆生田蒼がまくられ大敗。今節、道中では健闘を見せているのだが、しかしまだ一度も舟券に絡めていない。GⅠ未勝利の大豆生田にとって、この1号艇は大チャンスだったわけだが、それをつかむことはできなかったわけだ。レース後、同期の木村仁紀が柔らかな笑顔で大豆生田を労う。そのときには笑顔を返すことができていたものの、控室に戻る際にはやはり表情が曇った。そちらのほうが本音であろう。
昨日今日と各レースに一人ずつ女子レーサーが組み込まれているが、結果はあまり芳しくない。昨日勝ったのは中田夕貴だけで、2着も高田ひかると大山千広のみ。高田はここまで快調で、足色も上々だし、3日目を終えて得点率6位につけた。その高田はやはり余裕のある雰囲気がうかがえており、報道陣にも明るく受け答えをしている。一方で、他の女子は予選突破も難しい選手も多く、苦しい表情も多く見られる。それはやはり残念なことだ。
渡邉優美は本体整備を施した。今日は連勝でも1点足らずでボーダーが下がるのを待つ立場。常識的に言って、予選突破は相当に苦しいわけだが、それでも諦める姿勢を見せないのには頭が下がるというもの。最後のヤングダービーに懸ける思いはそれだけ大きいというわけだ。10Rは1号艇だから、まずは3号艇の6Rで結果を出したいところ。
2日目のマイナス15点が悔やまれる大山千広は、ピットでも折れることなく調整に腐心している姿が見られている。予選突破はもちろん絶望的でも、ヤングダービー史上唯一の女子優出経験者として、モチベーションを下げていないようにも見えるのだ。しかしながら、3Rは6着大敗で、やはり暗鬱な表情に。うーん、どうも今節は女子選手の苦しい顔を見ることのほうが多いのだなあ。
ふとガラス張りのペラ調整室に目をやると、ペラを激しく叩いている中村桃佳の姿。彼女ももはや予選突破は相当に苦しい立場だが、全力投球の姿勢は変わらない! 残り3日間の女子選手奮闘、またたくさんの笑顔が見られることを願います!(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)