BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――堀之内、暫定12位!

 5R、堀之内紀代子は4着。これで落合直子を逆転し、暫定12位となった。
 1マーク、攻め込めずに揉まれる格好となった瞬間、小さな悲鳴が聞こえてきた。それでも、なんとか3番手4番手には残って、安堵の空気が流れる。どちらかに肩入れしているというわけでもないのだろうが、「5着条件」という共通認識に対して、そうした反応が起こるのは自然なことだ。
 ピットにあがり、着替えを終えた堀之内にはさまざまな声がかけられた。堀之内は「とりあえず……。とりあえず……」と何度も繰り返して返すのだった。そう、とりあえず。あとは優勝戦、鎌倉涼の結果待ち。とりあえず12位にはなりました、しかし。というのが、堀之内が言いたかった“全文”であろう。
 それでも、堀之内の周りには祝福ムードが漂った。岡山勢、特に寺田千恵は大笑い。かわいい後輩のギリギリの戦い、それが実ったからにはもはや“高みの見物”で、苦闘した堀之内を面白がってたという感じだろうか。ともかく、6着に負けていれば沈鬱な雰囲気となっていただろうから、堀之内の12位浮上は仲間たちを明るくしたわけだ。

 残念ながら13位となり、地元クイーンズクライマックス出場が消えた落合は、もちろん落胆しているには違いないが、淡々と5Rのエンジン吊りに加わっている。近畿勢の出走はなかったのに、ヘルプとして参加したわけだ。その場では心中をあらわすことなく、控室へと消えていった落合。それがむしろ、無念を強く伝えていたような気がする。残念だが、シリーズ戦の主力として、年の瀬の地元住之江を盛り上げてください! そして来年こそ!(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)