BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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GPシリーズ準優ダイジェスト

激闘の本命決着

8R
①宮地元輝(佐賀)11
②島村隆幸(徳島)12
③上條暢嵩(大阪)21
④井口佳典(三重)21
⑤柳沢 一(愛知)16
⑥佐藤 翼(埼玉)17

 2着争いはかなりスリリングな接戦だったが、最終的に鉄板人気サイドの1-2決着となった。惜しかったのは大外枠の翼で、チルト1度の伸び足で6コースから絞めまくり。同期の菅章哉から伝授されたであろう伸びペラはやはり猛烈で、アタマまで突き抜ける勢いだった。もしも突き抜けていたら、宮地や島村に抜かれることはなかっただろう。

 だが、インの宮地が冷静的確な先マイでイチ抜け確定。シリーズ前半は伸び足ばかりが目立っていたが、今日は出足系統にも余裕が感じられた。“通常営業”(開会式のセリフ)のイン逃げだ。

 で、2着は大外からぶん回した翼vs2コースから差した島村の一騎討ち。あるいは翼が有利かとも思ったものだが、周回を重ねるうちに自慢の伸び足がバテバテに。全部の足が力強い島村から引き離されるのみならず、最終バックは上條にも“直線”で競り負け4着でゴールした。これほど「ペラが開く」という事象が分かりやすいレースも稀だが、6号艇からピンロク勝負に打って出た翼の気合に天晴れを贈りたい。

古豪の本命決着

9R
①瓜生正義(福岡) 08
②濱野谷憲吾(東京)13
③関 浩哉(群馬) 17
④松井 繁(大阪) 12
⑤平本真之(愛知) 16
⑥萩原秀人(福井) 17

 スリットから力強く飛び出したのは、4カドの王者・松井! スリットでカド受け・関を半艇身ほど出し抜き、そのまま伸びなりの絞めまくり。強烈に伸び返した濱野谷に堰き止められそうになったが、それでも松井は強引豪快にイン瓜生まで攻め倒しに行った。往年の王者を思い起こさせる強襲だ。

 だが、途中で減速した王者まくりは瓜生を脅かすに至らず、バック出口では逃げる瓜生vs差した憲吾の一騎討ち。足色としては憲吾に分がある見え方だったが、コースの利を最大限に生かした瓜生がその猛追を振り切り、2マークを先取りして1着を確約させた。

 2着も余裕たっぷりの憲吾で、ここも大本命の1-2決着。明日は瓜生が内枠、憲吾が外枠にシフトされるが、ことパワーだけで比較するなら外枠の憲吾81号機の方がかなり魅力的に思えるのだがどうだろうか。とにもかくにも、福岡~東京~大阪の往年の絶対エースが居並ぶ隊列は、なかなかに絢爛だったなぁ。これがシリーズ戦というのが、ちょっとアレなんだけど。

貫禄の本命決着

10R
①毒島 誠(群馬)13
②田村隆信(徳島)26
③岡崎恭裕(福岡)24
④前本泰和(広島)23
⑤石野貴之(大阪)17
⑥稲田浩二(兵庫)14

 ここも大本命の1号艇・毒島がインからすんなり押しきった。2、3号艇がドカッと凹んでもなんのその、唯我独尊の理想的なコンマ13から石野らの攻撃をまったく寄せつけないインモンキーだった。本人にとって「嬉しさも中くらい」かも知れないが、年末のSGファイナル1号艇は来年への大きな踏み台になるだろう。もちろん、明日もしっかり勝ちきれば、ではあるが。

 そして、最後のファイナルチケットを手にしたのは、5コースから自力で攻めた石野。1マークの艇団を真っ二つに割るまくり差しで、あっという間に2番手を取りきっていた。これぞ実力者の底力と言うべき2着だったが、明日はさらに遠い6号艇が確定。本人はレース後に「6コースから」と胸を張って宣言しており、明日はさらなるパンチ力を求めて調整するだろう。選手のタイプではないが、チルト角度も含めて注意深く足色の変化を見極めるとしよう。(photos/シギー中尾、text/畠山)